うしかい座クシー星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
うしかい座クシー星
Xi Bootis
星座 うしかい座
視等級 (V) 4.70 / 6.97 [1]
変光星型 りゅう座BY型[2]
分類 連星
G型主系列星
K型主系列星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 14h 51m 23.38s [3]
赤緯 (Dec, δ) +19° 06′ 01.7″ [3]
視線速度 (Rv) 1.3±0.2 km/s [4]
固有運動 (μ) 恒星A [5]
赤経:159 ミリ秒/年
赤緯:-136 ミリ秒/年
恒星B
[5]
赤経:90 ミリ秒/年
赤緯:-147 ミリ秒/年
年周視差 (π) 149.26±0.76 ミリ秒[6]
距離 21.85±0.11 光年
6.70±0.03 パーセク
絶対等級 (MV) 5.54 / 7.69
恒星A
物理的性質
半径 0.77±0.02 R[7]
質量 0.92±0.03 M[7]
表面重力 (log g) 4.65 [7]
自転周期 6.25 [8]
スペクトル分類 G8V [6]
光度 0.52±0.06 L[7]
表面温度 5,570 K [7]
恒星B
物理的性質
質量 0.66±0.07 M[9]
自転周期 11.05 [8]
スペクトル分類 K4V [6]
光度 0.098±0.014 L[9]
表面温度 4,350 K [9]
金属量 [Fe/H] -0.04 [7]
AとBの軌道
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 4.922秒角[10]
(33.0 AU
離心率 (e) 0.510 [10]
公転周期 (P) 151.56 [10]
別名称
別名称
うしかい座37番星, 37 Boo, HIP 72659, HD 131156, HR 5544, GJ 566, BD+19 2870,[3] LCC 1100 A / 1110 B.
■Project ■Template

うしかい座クシー星 (Xi Boötis, Xi Boo, ξ Boo) は、うしかい座連星系で、太陽系からは22光年離れている。天球上では、うしかい座アルファ星のアークトゥルスからへび座の方向に寄った位置で5等星として輝いている[3]。主星Aは太陽と同じG型主系列星に、伴星Bはより暗いK型主系列星に分類される[6]

恒星[編集]

うしかい座クシー星は実視連星として知られ、恒星の相対的な位置の観測によって連星の軌道要素を決めることができる。軌道長半径は見かけの角度で4.922と測定されており、地球からうしかい座クシー星までの距離を22光年とすると33天文単位 (AU) の距離に換算できる。公転周期は152年で、離心率0.5の楕円軌道を描くため、2つの恒星は最大で16AUまで接近する[10]

恒星Aは、スペクトル型が太陽と同じG型に分類されるが、G型としては比較的低温のG8型で、質量は太陽の93%、光度は半分と見積もられている[7]自転周期が6.25日(太陽の1/4)と短く、活発な彩層を持ち[8]、自転に伴って黒点が見え隠れすることで明るさが変化するりゅう座BY型変光星に分類される[2]。また、カルシウムスペクトルの変動から、3.9-5.5年と11年の2重の活動周期が発見されている[8]

恒星Bはより小型で低温のK型主系列星で、太陽と比べて質量は7割、光度は10分の1(恒星Aと比べると5分の1)に過ぎない[9]。自転周期が短く彩層活動が活発など、恒星Aと共通した特性を持つ。

惑星系[編集]

1999年までに行われた視線速度の観測では、うしかい座クシー星ABの周りに質量の大きな太陽系外惑星は発見されなかった。これは低質量の惑星や軌道長半径の大きい惑星が存在する可能性を除外するものではないが、仮に1AUの軌道を周回する惑星が存在すればその質量は1.5木星質量以下、5AUなら3木星質量以下と考えられている[11]。また、サブミリ波での観測によると、月質量の2.4倍のダストがうしかい座クシー星の周囲に存在する可能性がある[12]

地球外知的生命体探査 (SETI) の観測対象を決定するために作られた太陽系近傍の居住可能な恒星系の星表 (HabCat) では、うしかい座クシー星は変光を理由としてリストから除かれた[2]

脚注[編集]

  1. ^ Gliese, W. & Jahreiss, H. (1991年). “Nearby Stars, Preliminary 3rd Version”. VizieR, CDS. 2009年12月5日閲覧。
  2. ^ a b c Turnbull, M. C. & Tarter, J. C. (2003). “Target Selection for SETI. II. Tycho-2 Dwarfs, Old Open Clusters, and the Nearest 100 Stars”. The Astrophysical Journal Supplement Series 149 (2): 423-436. http://ads.nao.ac.jp/abs/2003ApJS..149..423T. 
  3. ^ a b c d SIMBAD query result”. SIMBAD, CDS. 2009年12月5日閲覧。
  4. ^ Gontcharov, G. A. (2006年). “Pulkovo radial velocities for 35493 HIP stars”. VizieR, CDS. 2009年12月5日閲覧。
  5. ^ a b Mason, B. D. et al. (2001-2009). “The Washington Visual Double Star”. VizieR, CDS. 2009年12月5日閲覧。
  6. ^ a b c d ESA (1997年). “The Hipparcos and Tycho Catalogues”. VizieR, CDS. 2009年12月5日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g Valenti, J. A. & Fischer, D. A. (2005年). “Spectroscopic properties of cool stars. I.”. VizieR. 2009年12月5日閲覧。
  8. ^ a b c d Oláh, K. et al. (2009). “Multiple and changing cycles of active stars. II. Results”. Astronomy and Astrophysics 501 (2): 703-713. http://ads.nao.ac.jp/abs/2009A&A...501..703O. 
  9. ^ a b c d Fernandes, J. (1998). “Fundamental stellar parameters for nearby visual binary stars: eta Cas, XI Boo, 70 OPH and 85 Peg. Helium abundance, age and mixing length parameter for low mass stars”. Astronomy and Astrophysics 338: 455-464. http://ads.nao.ac.jp/abs/1998A%26A...338..455F. 
  10. ^ a b c d Hershey, J. L. (1977). “Parallaxes, mass ratios, and masses for six visual binaries”. The Astronomical Journal 82: 179-181. http://ads.nao.ac.jp/abs/1977AJ.....82..179H. 
  11. ^ Cumming, A. et al. (1999). “The Lick Planet Search: Detectability and Mass Thresholds”. The Astrophysical Journal 526 (2): 890-915. http://ads.nao.ac.jp/abs/1999ApJ...526..890C. 
  12. ^ Holmes, E. K. et al. (2003). “A Survey of Nearby Main-Sequence Stars for Submillimeter Emission”. The Astronomical Journal 125: 3334-3343. http://ads.nao.ac.jp/abs/2003AJ....125.3334H. 

外部リンク[編集]

  • Xi Bootis 2”. SolStation. 2009年12月7日閲覧。