アメリカ合衆国各州の略号一覧

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アメリカ合衆国各州の略号一覧(アメリカがっしゅうこくかくしゅうのりゃくごういちらん)では、アメリカ合衆国各州を表すために使用される様々なコード及び略号について記載する。これらのコード及び略号は、郵便の住所、データ処理、一般的な略称、その他の目的のために使用される。以下の表には、自由連合盟約を通じてアメリカ合衆国に関係する独立国家三カ国の略称、及びその他の同等の郵便における略称も含まれる。この中には、既に使われなくなったものも含まれる。

一覧表[編集]

列見出しの凡例:

ISO
ISO 3166によるコード。2文字3文字3桁の数字によるコードは、ISO 3166-1より。2+2文字コードは、ISO 3166-2より。
ANSI
ANSI標準のINCITS 38:2009による、2文字及び2桁の数字のコード。
USPS
アメリカ合衆国郵便公社により使用される2文字コード。
USCG
アメリカ沿岸警備隊により使用される2文字コード。
旧GPO
合衆国政府印刷局による、可変長の古い略称。
AP
APスタイルブックによる略称。
地域 コード 略称
名称 行政区分 ISO ANSI ANSI USPS USCG 旧GPO AP その他
アメリカ合衆国の旗 合衆国 連邦国家 US
USA
840
US 00 U.S. U.S. U.S.A.
アラバマ州の旗 アラバマ州 US-AL AL 01 AL AL Ala. Ala.
アラスカ州の旗 アラスカ州 US-AK AK 02 AK AK Alaska Alaska Alas.
アリゾナ州の旗 アリゾナ州 US-AZ AZ 04 AZ AZ Ariz. Ariz. Az.
アーカンソー州の旗 アーカンソー州 US-AR AR 05 AR AR Ark. Ark.
カリフォルニア州の旗 カリフォルニア州 US-CA CA 06 CA CF Calif. Calif. Ca., Cal.
コロラド州の旗 コロラド州 US-CO CO 08 CO CL Colo. Colo. Col.
コネチカット州の旗 コネチカット州 US-CT CT 09 CT CT Conn. Conn. Ct.
デラウェア州の旗 デラウェア州 US-DE DE 10 DE DL Del. Del. De.
ワシントンD.C.の旗 ワシントンD.C. 連邦直轄地 US-DC DC 11 DC DC D.C. D.C. Wash. D.C.
フロリダ州の旗 フロリダ州 US-FL FL 12 FL FL Fla. Fla. Fl., Flor.
ジョージア州の旗 ジョージア州 US-GA GA 13 GA GA Ga. Ga.
ハワイ州の旗 ハワイ州 US-HI HI 15 HI HA Hawaii Hawaii H.I.
アイダホ州の旗 アイダホ州 US-ID ID 16 ID ID Idaho Idaho Id., Ida.
イリノイ州の旗 イリノイ州 US-IL IL 17 IL IL Ill. Ill. Il., Ills., Ill's
インディアナ州の旗 インディアナ州 US-IN IN 18 IN IN Ind. Ind. In.
アイオワ州の旗 アイオワ州 US-IA IA 19 IA IA Iowa Iowa Ia., Ioa.[1]
カンザス州の旗 カンザス州 US-KS KS 20 KS KA Kans. Kan. Ks., Ka.
ケンタッキー州の旗 ケンタッキー州 州 (コモンウェルス) US-KY KY 21 KY KY Ky. Ky. Ken., Kent.
ルイジアナ州の旗 ルイジアナ州 US-LA LA 22 LA LA La. La.
メイン州の旗 メイン州 US-ME ME 23 ME ME Maine Maine Me.
メリーランド州の旗 メリーランド州 US-MD MD 24 MD MD Md. Md.
マサチューセッツ州の旗 マサチューセッツ州 州 (コモンウェルス) US-MA MA 25 MA MS Mass. Mass.
ミシガン州の旗 ミシガン州 US-MI MI 26 MI MC Mich. Mich.
ミネソタ州の旗 ミネソタ州 US-MN MN 27 MN MN Minn. Minn. Mn.
ミシシッピ州の旗 ミシシッピ州 US-MS MS 28 MS MI Miss. Miss.
ミズーリ州の旗 ミズーリ州 US-MO MO 29 MO MO Mo. Mo.
モンタナ州の旗 モンタナ州 US-MT MT 30 MT MT Mont. Mont.
ネブラスカ州の旗 ネブラスカ州 US-NE NE 31 NE NB Nebr. Neb.
ネバダ州の旗 ネバダ州 US-NV NV 32 NV NV Nev. Nev. Nv.
ニューハンプシャー州の旗 ニューハンプシャー州 US-NH NH 33 NH NH N.H. N.H.
ニュージャージー州の旗 ニュージャージー州 US-NJ NJ 34 NJ NJ N.J. N.J.
ニューメキシコ州の旗 ニューメキシコ州 US-NM NM 35 NM NM N. Mex. N.M. New M.
ニューヨーク州の旗 ニューヨーク州 US-NY NY 36 NY NY N.Y. N.Y. N. York
ノースカロライナ州の旗 ノースカロライナ州 US-NC NC 37 NC NC N.C. N.C. N. Car.
ノースダコタ州の旗 ノースダコタ州 US-ND ND 38 ND ND N. Dak. N.D. NoDak
オハイオ州の旗 オハイオ州 US-OH OH 39 OH OH Ohio Ohio O., Oh.
オクラホマ州の旗 オクラホマ州 US-OK OK 40 OK OK Okla. Okla. Ok.
オレゴン州の旗 オレゴン州 US-OR OR 41 OR OR Oreg. Ore. Or.
ペンシルベニア州の旗 ペンシルベニア州 州 (コモンウェルス) US-PA PA 42 PA PA Pa. Pa. Penn., Penna.
ロードアイランド州の旗 ロードアイランド州 US-RI RI 44 RI RI R.I. R.I. R.I. & P.P., R. Isl.
サウスカロライナ州の旗 サウスカロライナ州 US-SC SC 45 SC SC S.C. S.C. S. Car.
サウスダコタ州の旗 サウスダコタ州 US-SD SD 46 SD SD S. Dak. S.D. SoDak
テネシー州の旗 テネシー州 US-TN TN 47 TN TN Tenn. Tenn.
テキサス州の旗 テキサス州 US-TX TX 48 TX TX Tex. Texas Tx.
ユタ州の旗 ユタ州 US-UT UT 49 UT UT Utah Utah Ut.
バーモント州の旗 バーモント州 US-VT VT 50 VT VT Vt. Vt.
バージニア州の旗 バージニア州 州 (コモンウェルス) US-VA VA 51 VA VA Va. Va. Virg.
ワシントン州の旗 ワシントン州 US-WA WA 53 WA WN Wash. Wash. Wa., Wn.[2]
ウェストバージニア州の旗 ウェストバージニア州 US-WV WV 54 WV WV W. Va. W.Va. W.V., W. Virg.
ウィスコンシン州の旗 ウィスコンシン州 US-WI WI 55 WI WS Wis. Wis. Wi., Wisc.
ワイオミング州の旗 ワイオミング州 US-WY WY 56 WY WY Wyo. Wyo. Wy.
アメリカ領サモアの旗 アメリカ領サモア 島嶼地域英語版 (海外領土) AS
ASM
016
US-AS
AS 60 AS AS A.S.
グアムの旗 グアム 島嶼地域 (海外領土) GU
GUM
316
US-GU
GU 66 GU GU Guam
北マリアナ諸島の旗 北マリアナ諸島 島嶼地域 (コモンウェルス) MP
MNP
580
US-MP
MP 69 MP CM M.P.
プエルトリコの旗 プエルトリコ 島嶼地域 (コモンウェルス) PR
PRI
630
US-PR
PR 72 PR PR P.R.
アメリカ領ヴァージン諸島の旗 アメリカ領ヴァージン諸島 島嶼地域 (海外領土) VI
VIR
850
US-VI
VI 78 VI VI V.I. U.S.V.I.
合衆国領有小離島 島嶼地域 UM
UMI
581
US-UM
UM 74
   ベーカー島    島 UM-81 81
   ハウランド島    島 UM-84 84
   ジャーヴィス島    島 UM-86 86
   ジョンストン環礁    環礁 UM-67 67
   キングマン岩礁    環礁 UM-89 89
   ミッドウェー諸島    環礁 UM-71 71
   ナヴァッサ島    島 UM-76 76
   パルミラ環礁[3]    環礁[3] UM-95 95
   ウェーク島    環礁 UM-79 79
ミクロネシア連邦の旗 ミクロネシア連邦 自由連合国家 FM
FSM
583
FM 64 FM
マーシャル諸島の旗 マーシャル諸島 自由連合国家 MH
MHL
584
MH 68 MH
パラオの旗 パラオ 自由連合国家 PW
PLW
585
PW 70 PW
アメリカ軍米州[4] 米国軍事郵便コード AA
アメリカ軍 – 欧州[5] 米国軍事郵便コード AE
アメリカ軍 – 太平洋[6] 米国軍事郵便コード AP
北マリアナ諸島 廃止された郵便コード[7] CM
パナマ運河地帯 廃止された郵便コード PZ
PCZ
594
CZ
ネブラスカ州 廃止された郵便コード[8] NB
フィリピン諸島 廃止された郵便コード PH
PHL
608
[9]
PI
太平洋諸島信託統治領 廃止された郵便コード PC
PCI
582
TT

歴史[編集]

早くも1874年10月には、アメリカの郵便局は州や海外領土の広く知られた略語を認識していた。しかしながら、これはその人気のためにそれらの略語を受け入れたに過ぎず、実際には混同を避けるために名称を略さず書くことが好まれた[10]

アメリカの州及び海外領土の慣習的な略語は、2文字のアメリカの郵便略号の導入に先だって、郵便の住所に広く用いられた。この略語は、今もなお(法律文書の引用形式のような)他の目的で一般に使用されているほか、郵便公社により(勧められてはいないが)認識されている[11]

現在の2文字に略された州及び海外領土のコードは、1963年に郵便局がZIPコードを導入したことに端を発する。その目的は州の略語それ自体を標準化することよりも、むしろ住所に書くZIPコードに空きを作ることだった[10]

1963年以降、略号が変更された州はただ一つだけだった。当初、ネブラスカ州には"NB"が充てられていたが、1969年11月に、郵便局はそれを"NE"に変更した。これはカナダニューブランズウィック州との間で混同を避けるための措置だった[10]

2文字の郵便略語システムは、複数の州の名称が同じ文字で始まる(たとえば、Mで始まる名称をもつ州は8つあり、Nで始まる名称をもつ州も4つの"New"と2つの"North"と残りの2つで計8つある)という事実によって複雑になっている。重複を避けるため、直観的な略語とはいえないものもある。

1987年より前に、アメリカ合衆国商務長官が2文字コードを政府文書に使用することを承認したとき[12]合衆国政府印刷局 (GPO) はその略語一式を提案したが、略されない州もいくつかあった。今日では、GPOはアメリカ合衆国郵便公社標準をサポートしている[13]

慣習的略称の現在の用法[編集]

アメリカで発行される多くの新聞の用語法ガイドであるAP通信のスタイルブックは、(例えば、"Santa Ana、Calif."などの)都市名に加えて、ほとんどの州名の略称の使用について助言している。AP通信は、アラスカ州、ハワイ州、そして5文字かそれ以下で表される全ての州について、略さずに表記することを勧めている。また、旧GPOの推奨とは違って、コロンビア特別区 (D.C.) を除く、すべての州ではない領土について、略さずに表記するよう勧めている。The BluebookThe ALWD Citation Manualのような法律文書の引用形式マニュアルでは、典型的にこれらの“慣習的略語”が使用される。

州及び海外領土のコード[編集]

ISO 3166[編集]

ANSI標準INCITS 38:2009[編集]

米国国家規格協会 (ANSI) は、各州及び離島のためにアルファベット及び数字によるコードをANSI標準 INCITS 38:2009として定めた。ANSI標準 INCITS 38:2009は、連邦情報処理標準 (FIPS) のFIPS 5-2、FIPS 6-4、FIPS 10-4を置き換えるものである。ANSIのアルファベット州コードは、"UM"というANSIコードを持つが、USPSコードを持たない合衆国領有小離島、及び"UM"というUSPSコード ("AA", "AE", "AP") を持つが、ANSIコードを持たない軍事郵便の配達地域を除いて、USPSの州コードと一致する。

郵便コード[編集]

ワシントン州オレゴン州カリフォルニア州ハワイ州アラスカ州アイダホ州バーモント州ニューハンプシャー州マサチューセッツ州ロードアイランド州コネチカット州ニュージャージー州デラウェア州メリーランド州D.C.モンタナ州ノースダコタ州サウスダコタ州ネバダ州ユタ州アリゾナ州ワイオミング州コロラド州ニューメキシコ州ネブラスカ州カンザス州オクラホマ州テキサス州ミネソタ州アイオワ州ミズーリ州アーカンソー州ルイジアナ州ミシガン州ウィスコンシン州イリノイ州インディアナ州オハイオ州ウェストバージニア州ケンタッキー州テネシー州ミシシッピ州アラバマ州ジョージア州フロリダ州サウスカロライナ州ノースカロライナ州バージニア州メリーランド州メリーランド州コロンビア特別区デラウェア州ニューヨーク州ペンシルベニア州ニュージャージー州コネチカット州ロードアイランド州マサチューセッツ州ニューハンプシャー州バーモント州メイン州

アメリカ合衆国郵便公社 (USPS) は、アルファベットの大文字による略号一式を設けることで、光学文字認識や他の自動化装置を用いて郵便物を処理することに役立てた[14]。このほかにも、街路指定子(street, avenue, roadなど)のような住所の他の部分のために、USPSによる公式な略称が存在する。

これらの郵便略語は、Calif.、Fla.あるいはTex.のような慣習的な略語とは区別される。AP通信スタイルブックには、状況に合わせて郵便の住所のほかに慣習的な州の略語が使われるべきであることが記述されている[15]。しかしながら、シカゴ・マニュアル・オブ・スタイルでは現在、大文字2文字の略号の使用が推奨され、慣習的な形式は選択肢の一つとされている[16]

50ある各州の郵便略号は、ISO 3166-2の行政区画コードと同一である。

これらのコードは、13あるカナダ各州および領土の郵便略語英語版とは重複しない。ネブラスカ州に充てられていたコードは、ニューブランズウィック州のものと混同するのを避けるため、1969年にNBからNEへと変更された[10]。カナダは同様に、マニトバ州にMBを充てて、米国の様々な州とコードが重複するのを防いでいる。

沿岸警備隊の船舶名接頭辞[編集]

アメリカ沿岸警備隊 (USCG) は、船舶番号に2文字から成る接頭辞の一式を使用している[17]。39の州とコロンビア特別区については、USPSとUSCGで同じ略称を使っている。USCGの接頭辞には、5つの離島のために設けられたものもあるが、これらは(マリアナ諸島を除いては)すべてUSPSの用いている略称と同一である。USPSとUSCGの使う略称が異なる12の事例について、以下の表で示すほか、上記の表では赤字で示してある。

USPSとUSCGとのコードの相違点
カリフォルニア州 コロラド州 デラウェア州 ハワイ州 カンザス州 ミシガン州 ミシシッピ州 マサチューセッツ州 ネブラスカ州 ワシントン州 ウィスコンシン州 マリアナ諸島
USPS CA CO DE HI KS MI MS MA NE WA WI MP
USCG CF CL DL HA KA MC MI MS NB WN WS CM

脚注[編集]

  1. ^ "Ioa."あるいは(より典型的に)"IOA"が1870年代以降、アイオワ州内の郵便局の消印にみられる。
  2. ^ search on WN
  3. ^ a b パルミラ環礁は、アメリカ合衆国の非自治的編入領域であるが、以前はハワイ準州の一部だった。
  4. ^ アメリカ軍 – 米州の範囲は、カリブ海を含み、アメリカ合衆国、カナダグリーンランドを除く。
  5. ^ アメリカ軍 – 欧州の範囲は、大西洋地中海、カナダ、グリーンランド、アフリカ西南アジアを含む。
  6. ^ アメリカ軍 – 太平洋の範囲は、インド洋オセアニア、西南アジアを除くアジアを含む。
  7. ^ 以前USPSで使われていたコード、"CM"は北マリアナ諸島に充てられていたが、現在は使われなくなった。1988年に、ISO 3166-1に準拠する形で、"MP"に変更された。
  8. ^ 以前USPSで使われていたコード、"NB"はネブラスカ州に充てられていたが、現在は使われない。カナダニューブランズウィック州との混同を避けるため、1969年11月に"NE"に変更された。
  9. ^ “Philippine diplomats will now use PH or PHL instead of RP”. GMA News. (2010年10月28日). http://www.gmanetwork.com/news/story/204589/news/nation/philippine-diplomats-will-now-use-ph-or-phl-instead-of-rp 2016年2月18日閲覧。 
  10. ^ a b c d USPS Postal History: State Abbreviations Accessed November 7, 2011.
  11. ^ USPS Postal News, "It's Okay to Say 'I Don't Know,' So Long As You Find Out!" January 9, 2009
  12. ^ Federal Information Processing Standards Publication 5-2, May 28, 1987 [1] Accessed April 21, 2009.
  13. ^ U.S. Government Printing Office Style Manual, 30th Edition [2] Accessed April 21, 2009.
  14. ^ United States Postal Service Publication 28 - Postal Addressing Standards. Accessed February 4, 2007.
  15. ^ State Abbreviations
  16. ^ Major Rule Changes in The Chicago Manual of Style, Fifteenth Edition Accessed May 23, 2009
  17. ^ 33 C.F.R. 173, App. A

関連項目[編集]

その他の国における地名の略称・略号の例

外部リンク[編集]