飯塚朗

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飯塚 朗いいづか あきら
人物情報
生誕 (1907-09-02) 1907年9月2日
日本の旗 日本神奈川県横浜市
死没 1989年2月23日(1989-02-23)(81歳)
出身校 東京帝国大学
学問
研究分野 文学(中国文学)
研究機関 中華民国新民会調査部、華北映画公司北海道大学関西大学
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飯塚 朗(いいづか あきら、1907年9月2日 - 1989年2月23日)は、日本の中国文学者、作家北海道大学名誉教授。

生涯[編集]

1907年、神奈川県横浜生まれ[1]第一高等学校を卒業し、東京帝国大学文学部支那哲学文学科に進んだ。在学中、同人誌『東大派』を刊行し、中国文学研究会竹内好武田泰淳松枝茂夫らを知る。1937年、高見順武田麟太郎らの『日暦』同人となる。1936年、東京帝国大学を卒業。

1938年北京に渡り、中華民国新民会調査部に勤務。1943年からは華北映画公司に勤務。しかし、憲兵隊に逮捕され勾留されることとなり、帰国した。1944年に応召、中国戦線に出た。1945年の太平洋戦争敗戦後、蘇州で捕虜生活を送った。1946年に復員し、1947年からは東宝演劇部嘱託となった。1951年、北海道大学文学部助教授に就任。後に教授昇進。1971年に北海道大学を定年退官し、名誉教授となった。その後も関西大学教授として教鞭をとり、1978年に定年退職した。

家族・親族[編集]

著作[編集]

著書[編集]

  • 『北の旋律 第1部』 現文社、1967
  • 『北の旋律抄』 ぷやら新書、1968
  • 『中国故事』 角川選書、1974/角川ソフィア文庫、2014
  • 『黄琉璃の破片 中国文学への一軌跡』 咿唖之会、1981
  • 『故事遍歴 中国成語集』 時事通信社、1982
  • 『私版・紅楼夢沖積舎、1982
  • 『中国四千年の女たち』 時事通信社、1983
  • 『胡同の雪』 響文社、1985
  • 『たった一人の突堤』 沖積舎、1985
  • 『中国歴代人物綺談』 時事通信社、1986

翻訳[編集]

  • 蘇曼殊『断鴻零雁記 他二篇』改造文庫 1938
  • 謝冰心『繁星 詩集』 伊藤書店 1939
  • 張恨水『啼笑因縁』生活社 1943
  • 馮夢竜編『情史 中国千夜一夜物語』新流社 1946
  • 巴金『家』 鎌倉文庫 1948 (『世界文学選』岩波文庫 1976)
  • 巴金『滅亡』 雲井書店 1951
  • 駱賓基『北望園の春 他五篇 小説』小野忍共訳、岩波新書 1955
  • 『中国古典文学全集 第20巻 剪灯新話・剪灯余話・閲微草堂筆記・子不語ほか』今村与志雄共訳 平凡社 1958
  • 老舎『世界名作全集 第33巻 駱駝のシャンヅ』平凡社(角川文庫1960再販)
  • 曲波『林海雪原-樹海と雪の原野に』『中国現代文学選集 第10-11』平凡社 1962
  • 瞿佑剪灯新話平凡社東洋文庫 1965
  • 劉鶚中国古典文学大系 51 老残遊記・続集』岡崎俊夫共訳 平凡社 1969
  • 『断鴻零雁記 蘇曼殊-人と作品』平凡社東洋文庫 1972
  • 『中国怪奇全集1 神仙の巻』編訳 角川書店 1974
  • 阿英『晩清小説史』中野美代子共訳 平凡社東洋文庫 1979
  • 曹雪芹高鶚紅楼夢』(世界文学全集11・12・13)集英社 1980

脚注[編集]

  1. ^ 飯塚 朗 コトバンク 2023年3月22日閲覧。

参考[編集]

  • 『たった一人の突堤』 附載年譜
  • 『日本近代文学大事典』 講談社、1984
  • 『人物物故大年表』 日外アソシエーツ