聖バーフ大聖堂 (ヘント)
聖バーフ大聖堂 | |
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Sint-Baafskathedraal | |
北緯51度03分11秒 東経3度43分36秒 / 北緯51.05306度 東経3.72667度座標: 北緯51度03分11秒 東経3度43分36秒 / 北緯51.05306度 東経3.72667度 | |
国 | ベルギー |
教派 | ローマ・カトリック教会 |
ウェブサイト |
www |
歴史 | |
過去名 | 聖ヤン教会 |
創設日 | 942年 |
建築物概要 | |
尖塔数 | 1 |
尖塔の高さ | 89m |
聖バーフ大聖堂(せいバーフだいせいどう、オランダ語: Sint-Baafskathedraal)は、ベルギー王国フランデレン地域の東フランデレン州の都市ヘント(ゲント、フランス語: ガン)にある、ローマ・カトリック教会の教会(司教座聖堂)。
名称について
[編集]ヘント市民が聖人として崇敬するヘントのバーフに由来している[1]。日本語表記では、バーフの英語読みである「バボ」表記が用いられる場合もある。
概要
[編集]1540年以降、聖バーフ教会となり、1559年以来はローマ・カトリック教会の司教座聖堂である。『神秘の子羊』(ヘントの祭壇画)が寄進され、紆余曲折を経て、再び本聖堂で公開されている。
歴史
[編集]元々は洗礼者ヨハネに献堂され、「聖(シント)ヤン教会」の名称だった[1]。ヘントの城壁内で最も古い教会であるが、教区民の寄進によって建設が行われたため、完成までに長期間を要している[2]。
毛織物職人のヨース・フェイトは、聖ヤン教会の管財人を務めており、1410年から1420年にかけて行われた[3]南側の礼拝堂建設に際して寄進を行った[4]。このときフーベルト・ファン・エイクに祭壇を飾る絵を注文し、これが後に『神秘の子羊』(ヘントの祭壇画)となった[4]。祭壇画は1432年に完成した。
1500年2月24日、ブルゴーニュ公フィリップの長男としてカール(のち神聖ローマ皇帝兼スペイン王)が誕生し、3月7日にその洗礼式を本教会で執り行った[5]。1538年頃、ヘントの市民たちが叛乱を企てるが、フランス王フランソワ1世から支援を得ることに失敗し、1540年2月24日に君主であるカールに無血開城する[6]。カールは首謀者らを即処刑し、ヘントの様々な特権が剥奪された[7]。この時、カールはスペイン兵を駐屯させるため聖バーフ修道院を取り壊して要塞としたため、同修道院から聖堂参事会を聖ヤン教会に移す許可を与えた[8]。以後、聖バーフ教会として知られる。
カールの長男であるスペイン王フェリペ2世がネーデルラントを継承し、1559年5月12日、司教区を再編させ、聖バーフ教会をヘント教区の司教座聖堂とした[8]。
『神秘の子羊』は、18世紀以降、散逸及び損傷したが、1919年のヴェルサイユ条約によりドイツからベルギーに返還された[9]。しかし、1934年に盗難事件により、1枚のパネルが現在まで行方不明となっている[9]。第二次世界大戦中は、フランスに疎開させたが、ヴィシー政権からナチス・ドイツの手に渡り[注釈 1]、戦後、ヘントに返還された[10]。1986年まで、フェイト礼拝堂に飾られていたが、盗難防止等のため旧洗礼堂に移設された[11]。フェイト礼拝堂は狭く、絵全体を見ることが困難だった[12]。祭壇画は2012年から2017年にかけて、最新の科学技術を用いて修復された後、再び聖バーフ大聖堂に戻されている[13]。
美術品
[編集]- 神秘の子羊(フーベルト及びヤン・ファン・エイク兄弟) - 1432年完成
- 聖バーフの修道院入門(ピーテル・パウル・ルーベンス) - 17世紀
- 真理の説教壇(ローラン・デルヴォー) - 1740年代
ギャラリー
[編集]外観
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1819年、デ・ノートル画
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2012年撮影
内部
[編集]美術品
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神秘の子羊(外面)
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神秘の子羊(内面)
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聖バーフの修道院入門
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真理の説教壇
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キリストの降架(テオドール・ロンバウツ画)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ナチス・ドイツによる略奪により、当時ドイツ領だったオーストリアのアルトアウスゼーの岩塩坑に集積された。詳細はen:Nazi storage sites for art during World War IIを参照。
出典
[編集]- ^ a b 堀越 1996 p.20
- ^ Shmidt 2015 p.11
- ^ Shmidt 2015 p.15
- ^ a b 堀越 1996 p.21
- ^ 江村 2013 p.15
- ^ 江村 2013 p.198-208
- ^ 江村 2013 p.208-209
- ^ a b Shmidt 2015 p.12
- ^ a b Shmidt 2015 p.22
- ^ Shmidt 2015 p.22-23
- ^ Shmidt 2015 p.23
- ^ 堀越 1996 p.12
- ^ Shmidt 2015 p.24
参考文献
[編集]- 江村洋『カール五世 中世ヨーロッパ最後の栄光』東京書籍、1992年7月。ISBN 978-4487753796。
- 江村洋『カール五世 ハプスブルク栄光の日々』河出書房新社〈河出文庫〉、2013年11月。ISBN 978-4309412566。(上記書籍の文庫化)
- 堀越孝一『ブルゴーニュ家』講談社〈講談社現代新書〉、1996年7月。ISBN 978-4-06-149314-8。
- Peter Shmidt『「神秘の子羊」、ゲント』Ludion、2015年。ISBN 978-94-91819377。
関連項目
[編集]- ヘントの祭壇画(神秘の子羊)