現代短歌評論賞
表示
現代短歌評論賞(げんだいたんかひょうろんしょう)は、短歌評論の公募賞。短歌研究社の発行する月刊短歌総合誌「短歌研究」が毎年テーマを決めて公募する未発表評論の中から選ばれる。短歌界唯一の評論のみを対象とする公募賞であり、毎年論客を輩出している。 例年の締め切りは7月1日、受賞作および選考結果は「短歌研究」誌の10月号に掲載され、授賞式は9月下旬に、同じく短歌研究社が主催する「短歌研究賞」「短歌研究新人賞」と一緒に行われる。
第1回は1954年だが第4回までで一旦中止され、1983年に再開して現在に至っている。
歴代受賞作と受賞者
[編集]受賞者の出典は公式HPより[1]。
- 第1回 1954年 「敗北の抒情」 菱川善夫、「異質への情熱」 上田三四二
- 第2回 1957年 (該当者なし)
- 第3回 1958年 「短歌散文化の性格」 秋村功
- 第4回 1961年 (該当者なし)<一旦中止>
- 第1回 1983年 (該当者なし)
- 第2回 1984年 (特別賞) 山下雅人、 日夏也寸志
- 第3回 1985年 「現代短歌における『私』の変容」 山下雅人
- 第4回 1986年 「母性のありか -女流歌人の現在」 喜多昭夫
- 第5回 1987年 「『ライトヴァース』の残した問題」 谷岡亜紀
- 第6回 1988年 「言葉の権力への挑戦」 加藤孝男
- 第7回 1989年 「持続の志 -岡部文夫論」 坂出裕子、 「思想兵・岡井隆の軌跡 -短歌と時代・社会との接点の問題」 大野道夫
- 第8回 1990年 「鳥はどこでなくのか」 島瀬信博
- 第9回 1991年 「大衆化時代の短歌の可能性 -俵・加藤・道浦の新歌集をめぐって」 柴田典昭
- 第10回 1992年 「緩みゆく短歌形式 -同時代を歌う方法の推移」 小塩卓哉
- 第11回 1993年 「太平洋戦争と短歌という『制度』 -「第二芸術論」への私答」」 猪熊健一
- 第12回 1994年 「妊娠・出産をめぐる人間関係の変容 -男性歌人を中心に」 吉川宏志
- 第13回 1995年 「アジアにおける戦争と短歌 -近・現代思想を手がかりに」 田中綾
- 第14回 1996年 (優秀作)岩井謙一、田中晶子
- 第15回 1997年 (優秀作)岩井謙一、河路由佳
- 第16回 1998年 「短歌と病」 岩井謙一
- 第17回 1999年 「『も』『かも』の歌の試行 -歌集『草の庭』をめぐって」 小澤正邦
- 第18回 2000年 「塚本邦雄と三島事件 -身体表現に向かう時代のなかで-」 小林幹也
- 第19回 2001年 「『戦争と虐殺』後の現代短歌」 森本平
- 第20回 2002年 「時間を超える視線」 川本千栄
- 第21回 2003年 「死物におちいる病 -明治期前半の歌人による現実志向の歌の試み」矢部雅之
- 第22回 2004年 「インターネットからの叫び -「文学」の延長線上に」 森井マスミ
- 第23回 2005年 「寺山修司の見ていたもの」 なみの亜子
- 第24回 2006年 「現実感喪失の危機 -離人症的短歌」 高橋啓介
- 第25回 2007年 「日本語の変容と短歌 -オノマトペからの一考察」 藤島秀憲
- 第26回 2008年 「求められる現代の言葉」 今井恵子
- 第27回 2009年 「樹木を詠むという思想」 山田航
- 第28回 2010年 「或るホームレス歌人を探る-響きあう投稿歌」 松井多絵子
- 第29回 2011年 「短歌の口語化がもたらしたもの-歌の『印象』からの考察」 梶原さい子
- 第30回 2012年 「抑圧され、記号化された自然〜機会詩についての考察」 三宅勇介
- 第31回 2013年 「相聞の社会性 -結婚を接点として」 久真八志
- 第32回 2014年 「うたと震災と私」 寺井龍哉
- 第33回 2015年 「歌とテクストの相克」 三上春海
- 第34回 2016年 (該当者なし)
- 第35回 2017年 「黒衣の憂鬱 -編集者・中井英夫論」 雲嶋聆
- 第36回 2018年 「短歌結社の未来と過去にむけて」 松岡秀明
- 第37回 2019年 「なぜイオンモールを詠むのか 岡野大嗣『サイレンと犀』にみる人間性護持の闘い」 土井礼一郎
- 第38回 2020年 「歌人という主体の不可能な起源」 弘平谷隆太郎
- 第39回 2021年 「SNS時代の私性とリアリズム」 小野田光
- 第40回 2022年 「口語短歌による表現技法の進展〜三つの様式化」 桑原憂太郎、 「はじめに言葉ありき。よろずのもの、これに撚りて成る――短歌史における俗語革命の影」 高良真実
- 第41回 2023年 「〈前衛〉と実作 ―― 生成AI時代に、人が短歌をつくること」 中島裕介