今井恵子

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今井 恵子(いまい けいこ、1952年1月1日 - )は日本の歌人

経歴[編集]

東京生。1975年、早稲田大学国語国文学専攻科修了。早稲田大学教育学部在学中の1973年「まひる野」に入会、窪田章一郎武川忠一の指導を受ける。1977年、角川短歌賞次席(筆名・木村恵子)。1982年「音」創刊に参加(2002年退会)。2003年に高橋みずほ吉野裕之と短歌ユニット[BLEND]を結成し冊子[BLEND]を刊行(2006年解散)。2006年「まひる野」再入会、2014年より編集委員および選歌委員。この間にフェリス女学院大学非常勤講師(1996~2021年)、日本歌人クラブ中央幹事(2017~2022年)などのほか、早稲田大学非常勤講師、短歌教室の講師などを務める。現代歌人協会、日本歌人クラブ、日本文藝家協会、埼玉県歌人会、埼玉文芸家集団、現代女性文化研究所などの会員。2022年より出身校である成蹊中学校・高等学校の同窓生と同人誌「天霧」に参加。

作風は、初期のころから言葉への関心がたかく、知的で自己のありようをみつめながら歌を生み出している。生きるとはどういうことか誠実な問いかけが感じられる歌が多い[1]。また「人生派」であり、人事に関心が向いている[2]などと評されている。近年は、「自然」への関心がたかい。

著作[編集]

歌集[編集]

  • 第一歌集『分散和音』(不識書院、1984/現代短歌社 第一歌集文庫、2016)
  • 第二歌集『ヘルガの裸身』(花神社、1992)
  • 第三歌集『白昼』(砂子屋書房、2001)
  • 第四歌集『渇水期』(砂子屋書房、2005)
  • 自撰歌集『今井恵子歌集』(砂子屋書房 現代短歌文庫、2008)
  • 第五歌集『やわらかに曇る冬の日』(北冬舎、2011)
  • 第六歌集『運ぶ眼、運ばれる眼』(現代短歌社、2022)第9回佐藤佐太郎短歌賞受賞

評論・エッセイなど[編集]

  • 歌書『富小路禎子の歌』(雁書館、2002)
  • 編書『樋口一葉和歌集』(ちくま文庫、2005)
  • 「短歌における日本語としての「われ」の問題」(「日本現代詩歌研究」第8号、日本現代詩歌文学館、2008年3月)
  • 「求められる現代の言葉」(「短歌研究」2008年10月)第26回現代短歌評論賞受賞
  • 共著『日本のうた――時代と共に』(翰林書房、2011)
  • 共著『埼玉文芸風土記』(さきたま出版会、2011)
  • 共著『知の海へ 埼玉の文芸138』(さきたま出版会、2013)
  • 共著『彩』(埼玉文芸家集団、2017)
  • 「短歌渉猟――和文脈を追いかけて」(「短歌研究」2017年1月〜2019年6月、連載)
  • 『ふくらむ言葉――現代短歌の鑑賞 155首』(砂子屋書房、2022)

脚注[編集]

  1. ^ 『現代短歌大事典』三省堂2004、今井恵子の項
  2. ^ 「橄欖追放」185: 2007年1月 第3週 今井恵子

外部リンク[編集]