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2021年10月26日 (火) 13:16時点における版

2006年の保釣行動委員会の尖沙咀での活動の様子､同10月22日の保釣運動。「保釣運動を応援しよう（請支持保釣運動）」「日本は謝罪と補償をせよ！（日本必須道歉賠償！）」の横断幕が掲げられている。

保釣行動委員会（ほちょうこうどういいんかい、繁体字中国語: 保釣行動委員會）とは、1996年に設立され、日本による尖閣諸島（中国での呼称は釣魚島）支配に反対し、尖閣諸島における中国の「主権」を主な目標とする^[1]香港の民間団体である。 2012年の尖閣諸島の「主権」を宣言するための魚釣島上陸は、中国国内での反日デモを引き起こし、日中関係にも影響を与えた。魚釣島以外では、主に慰安婦・731部隊・南京大虐殺・香港陥落などの日中戦争の歴史問題にも関わっている。

歴史

1996年、イギリス領香港を訪問した外務大臣だった池田行彦が「尖閣諸島は日本の固有の領土」と主張し、一部の香港人の怒りを買った。日中戦争で中国に与えた被害に対して、日本が謝罪と賠償を拒み続けているとして、香港人が中心となって「保釣行動委員会」という団体を結成した。この団体は、香港人の陳毓祥が中国初の民間保釣団体が釣魚島に行って溺死したのとほぼ同時期に結成された^[1]。

保釣行動委員会が設立された後、そのメンバーは最大で100人を超えたこともあったが、2003年には30人にまで減少した。香港保釣行動委員会は多くの分野に関わっているが、釣魚島以外では、主に慰安婦・731部隊・南京大虐殺・香港陥落などの日中戦争の歴史問題に関わっており、徐々に日本の軍国主義に反対する組織になってきている。また、定期的に学校を訪問し、若い人たちに歴史を知ってもらうための講義を行っている。また、日本の軍国主義を糾弾するために、国際社会の支援を求めている^[1]。

7月7日の盧溝橋事件や9月18日の満州事変、12月13日の南京大虐殺が当たる日などにはこの団体などによるデモがセントラルの歩道橋（中国語版）の真向かいにある在香港日本国総領事館が入居する交易廣場付近で毎年行われている。

2003年5月19日、馮錦華（中国語版）、張立昆（中国語版）、李南（中国語版）、牛力丕（中国語版）、周文博（中国語版）の5人は、インターネット上で「保釣行動のため島に乗り込む志願者の募集が正式に始した」という発表を行い、保釣運動のため海に出る志願者を募った。募集サイトには、「この保釣運動に呼ばれた志願者は、この活動後に自ら解散し、全ての釣り志願者の情報は、チェックします」とも明記されている。 2003年6月22日朝、中国大陸と香港の保釣人士15人を乗せた漁船「浙玉漁1980号漁船」が、浙江省玉環県黄門港から釣魚島に向けて出航した。 6月23日、日本の海上保安庁8隻と航空機数機に囲まれた漁船は、釣魚島に到達することができず、24日には玉環県に戻ることを余儀なくされた^[2]。香港保釣行動委員会の3人のメンバーは、羅就（中国語版）と曾海丰（中国語版）がボートに乗り込み、鄭志坤（中国語版）は岸に残って後方支援に当たった^[1]。

2012年尖閣諸島関係で日中関係が悪化

2012年8月15日、保釣行動委員会の14名（中国本土1名、マカオ1名、鳳凰衛視記者2名を含む）は、漁船凱豐2号（中国語版）に乗って香港を出発し、釣魚島の主権を宣言した。釣魚台への接近中、漁船は日本側に妨害され続け、その間、日本の海上保安庁は水砲を発射し、漁船の船首、船体、航海計器を損傷した。最終的に7人のメンバーは釣魚島への乗船に成功し、五星紅旗と青天白日満地紅旗を振り、中華人民共和国の国歌を歌い、旗を立てようとしたが、日本の海上保安官や島の警察官に止められた。日本側は、釣魚島のメンバー14人全員を拘束し、石垣島と沖縄県那覇市に護送した。今回の事件は、2004年に中国本土の守備隊が、1996年に香港の守備隊が釣魚島に乗り込んだのに続いて、中国人が釣魚島に乗り込んだ2度目の事件であった^[3]。この事件は日中の外交問題にも発展したが、最終的には人も船も全員無事に帰還した^[4]^[5]。

香港水上警察に拿捕

2014年10月12日、雨傘運動に呼応して、保釣行動委員会のメンバーである羅堪就（中国語版）と古思堯は、香港特別行政区政府の海洋局の監視下で凱豐2号（中国語版）を強制的に航行させたが、ラマ島近海に到達したところで、海洋警察の船に妨害された。船に乗り込んだ後、警察は海兵隊からラマ島の水上警察基地に戻って捜査するよう要請されたと主張した。彼らはその場で逮捕され、業務妨害の容疑で水上警察基地に連行された^[6]。

慰安婦像

2017年7月7日、保釣行動委員会はセントラルの歩道橋の真向かいにある交易廣場に慰安婦像を設置し、当時内閣総理大臣の安倍晋三に対して、慰安婦問題や右翼政策に抗議し、日本政府に謝罪と賠償を求める活動を行った^[7]。その後も香港そごうがある銅鑼灣にも設置している^[8]。その後、委員会は2021年7月末に撤去した^[9]。

「慰安婦像#香港（撤去）」も参照

靖国神社での南京大虐殺への抗議活動

2018年12月12日、保釣行動委員会のメンバーである郭紹傑（中国語版）と嚴敏華（中国語版）は、日本の東京にある靖国神社の外で南京大虐殺について抗議を行い、東条英機と書かれた大道具の神札を燃やし、「南京大虐殺を忘れるな、日本の責任を追及しろ」のスローガンを掲げた。嚴敏華は民間の記者として事件を記録・報道し、2人はその場で日本の警察に逮捕された^[10]^[11]。

現状

保釣行動委員会の高齢化が進みメンバーが少なくなる状況となっている^[12]。また、この団体は強烈な中華ナショナリズムを持ち、中国共産党の中国統治にも反対するいわゆる泛民主派団体であるため、中国本土に上陸拒否されるメンバーも多い^[13]^[14]。しかし、2012年ごろから、若者の間に香港人のアイデンティティの高まりに伴い、中華ナショナリズムを帯びた保釣運動が香港の若者の支持を得られにくくなっており、2012年以降は保釣行動委員会は学校からの招待が大幅に減っただけでなく、学生の関心も大幅に減ったという^[15]。

代表人物

主席：羅堪就（中国語版）
前主席：柯華（中国語版）
前主席：何俊仁（中国語版）
前主席：陳妙德（中国語版）
副主席：區伯權（中国語版）
曾健成（中国語版）
郭紹傑（中国語版）
嚴敏華（中国語版）

参考文献

[脚注の使い方]

外部リンク

保釣行動委員會（中国語）
保釣行動委員會 (@diaoyuislands) - X（旧Twitter）

[kh-1] “国际先驱导报专访香港保钓行动委员会主席柯华，南方网，2003-10-30”. 2015年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月18日閲覧。

[bqw-2] “钓鱼岛与我的42年，北青网，2012-08-26”. 2014年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月18日閲覧。

[3] 港人16年再登釣島アーカイブ 2012年8月21日 - ウェイバックマシン明報，2012年8月16日

[4] 外交部再次敦促日本立即“无条件”放人放船アーカイブ 2020年12月1日 - ウェイバックマシン新華網 2012年8月16日

[5] 台湾保钓协会秘书长独家讲述8-15保钓行动幕后アーカイブ 2020年5月19日 - ウェイバックマシン凤凰网，2012年8月17日

[news3-6] “響應佔中港保釣人士出海遭截”. 中央社. オリジナルの2020年8月4日時点におけるアーカイブ。 2014年12月22日閲覧。

[7] “香港にも慰安婦像、日本総領事館近くに2体　韓国の活動家ら中国本土で作成→深夜に陸路で？”. zakzak. 産経新聞社 (2017年7月8日). 2021年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月14日閲覧。

[8] “香港にまた慰安婦像尖閣領有権を主張する団体、計4体に”. 産経ニュース. (2017年9月4日). オリジナルの2021年7月14日時点におけるアーカイブ。 2021年7月14日閲覧。

[9] “【独自】香港の反日団体が「慰安婦」像3体を撤去…「申請なかったと撤去求められた」”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2021年8月20日). 2021年8月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月20日閲覧。

[10] “郭紹傑嚴敏華案，日今暫未有裁決”. 明報. (2018年12月19日). オリジナルの2019年5月12日時点におけるアーカイブ。 2019年1月19日閲覧。

[11] “郭紹傑嚴敏華日本申請保釋被拒，保釣行動委員會：不能理解十分遺憾”. 香港01. (2019年1月17日). オリジナルの2019年8月18日時点におけるアーカイブ。 2019年1月19日閲覧。

[12] 尖閣上陸の香港反日団体、「メンバーは高齢化、資金もない」

[13] 倉田徹 (Nov 2012). “尖閣・「反日」の史的構造”. 外交 16: 90-95.

[14] “過去には中国旗を焼いていた尖閣上陸、香港活動家の正体”. J-CASTニュース (2012年8月20日). 2020年1月15日閲覧。

[15] 黃舜煬 (2021年6月1日). “保釣50年．決裂｜由「血濃於水」走向「陸港對立」｜01周報” (中国語). 香港01. 2021年8月20日閲覧。

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 保釣行動委員会が設立された後、そのメンバーは最大で100人を超えたこともあったが、2003年には30人にまで減少した。香港保釣行動委員会は多くの分野に関わっているが、釣魚島以外では、主に[[日本の慰安婦問題|慰安婦]]・[[731部隊]]・[[南京大虐殺]]・[[香港陥落]]などの[[日中戦争]]の歴史問題に関わっており、徐々に日本の[[軍国主義]]に反対する組織になってきている。 また、定期的に学校を訪問し、若い人たちに歴史を知ってもらうための講義を行っている。 また、日本の軍国主義を糾弾するために、国際社会の支援を求めている<ref name=kh/>。
-月7日の[[盧溝橋事件]]や12月13日の南京大虐殺が当たる日などにはこの団体などによるデモが{{仮リンク|セントラルの歩道橋|zh|中環行人天橋}}の真向かいにある[[在香港日本国総領事館]]が入居する[[交易廣場]]付近で毎年行われている。
+月7日の[[盧溝橋事件]]や9月18日の[[満州事変]]、12月13日の南京大虐殺が当たる日などにはこの団体などによるデモが{{仮リンク|セントラルの歩道橋|zh|中環行人天橋}}の真向かいにある[[在香港日本国総領事館]]が入居する[[交易廣場]]付近で毎年行われている。
 年5月19日、{{仮リンク|馮錦華|zh|冯锦华}}、{{仮リンク|張立昆|zh|张立昆}}、{{仮リンク|李南|zh|李南 (保钓人士)}}、{{仮リンク|牛力丕|zh|牛力丕}}、{{仮リンク|周文博|zh|周文博}}の5人は、インターネット上で「保釣行動のため島に乗り込む志願者の募集が正式に始した」という発表を行い、[[保釣運動]]のため海に出る志願者を募った。 募集サイトには、「この保釣運動に呼ばれた志願者は、この活動後に自ら解散し、全ての釣り志願者の情報は、チェックします」とも明記されている。 2003年6月22日朝、中国大陸と香港の保釣人士15人を乗せた漁船「浙玉漁1980号漁船」が、[[浙江省]][[玉環県]][[黄門港]]から釣魚島に向けて出航した。 6月23日、日本の海上保安庁8隻と航空機数機に囲まれた漁船は、釣魚島に到達することができず、24日には[[玉環県]]に戻ることを余儀なくされた<ref name=bqw>{{Cite web |url=http://bjyouth.ynet.com/3.1/1208/26/7407013.html |title=钓鱼岛与我的42年，北青网，2012-08-26 |accessdate=2012-09-18 |archive-date=2014-07-26 |archive-url=https://web.archive.org/web/20140726082535/http://bjyouth.ynet.com/3.1/1208/26/7407013.html |dead-url=no }}</ref>。 香港保釣行動委員会の3人のメンバーは、{{仮リンク|羅就|zh|羅堪就}}と{{仮リンク|曾海丰|zh|曾海丰}}がボートに乗り込み、{{仮リンク|鄭志坤|zh|郑志坤}}は岸に残って後方支援に当たった<ref name=kh/>。