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'''鶴見 済'''(つるみ わたる、[[1964年]] - )は、日本の[[フリーランス|フリー]][[著作家|ライター]]。[[東京都]]出身。[[東京大学大学院人文社会系研究科・文学部|東京大学文学部]][[社会学]]科卒業。
'''鶴見 済'''(つるみ わたる、[[1964年]] - )は、日本の[[フリーランス|フリー]][[著作家|ライター]]。[[東京都]]出身。[[東京大学大学院人文社会系研究科・文学部|東京大学文学部]][[社会学]]科卒業。代表作は『[[完全自殺マニュアル]]』


== 人物 ==
== 人物 ==

2020年6月30日 (火) 13:38時点における版

鶴見 済
(つるみ わたる)
誕生 (1964-05-09) 1964年5月9日(60歳)
日本の旗 東京都
言語 日本語
最終学歴 東京大学文学部社会学科
活動期間 1993年 -
デビュー作完全自殺マニュアル
(1993年)
公式サイト http://tsurumitext.seesaa.net/
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鶴見 済(つるみ わたる、1964年 - )は、日本のフリーライター東京都出身。東京大学文学部社会学科卒業。代表作は『完全自殺マニュアル』。

人物

大学時代に社会学者見田宗介に出会い、その思想に影響を受けたり、ゼミにも参加した歴史学者木村尚三郎の低成長時代論から影響を受ける。大学卒業後、大手電機メーカー、出版社勤務を経てフリーライターとなる。1993年完全自殺マニュアル』(太田出版)がベストセラーとなったことで一躍有名となった。出版当時27歳。

鶴見は一貫して、現代日本社会における「生きづらさ」「どうすれば楽に生きられるのか」という問題にこだわってきた。

デビュー作の『完全自殺マニュアル』では、いざとなれば死ぬこともできるのだから、「頑張って生きる」「強く生きる」という生き方から降り、苦しい日常生活をより楽に生きていくことを提唱した[1]

1996年には、「自殺もせずになんとか楽に生きていくための実用書」と前置きされた『人格改造マニュアル』を出版し、クスリや精神療法、瞑想などにより内面をコントロールすることで日常を乗り切るという選択肢を提示。長年にわたる自らの精神科通院体験も元になっているという。またドラッグに関しては、「Just Say NoからJust Say Knowへ」という世界的な流れを受けて、タブーにするのではなく知識の提供に努めた。

1998年に出版された『檻のなかのダンス』では、自らのレイヴ体験から「リズムに合わせて踊る=ダンス」というシンプルな動作により身体を解放し、規律・訓練的な監獄社会から自由になることを主張。レイヴ・ムーブメントを社会学的に位置づけるという役割を担った。同年2月の自らの覚せい剤取締法違反[2]による勾留体験も、監獄的な社会と重ね合わせて紹介した。

2000年に出版された対談集『レイヴ力』では、作家の清野栄一らとともに、日本に定着したレイヴ・ムーブメントを様々な角度から解き明かした。またダンスに加えて自然とつながることで、生きている実感を取り戻そうと語っている。

2012年の『脱資本主義宣言』では、楽に生きられない原因として経済の仕組みに注目。経済成長至上主義、過剰消費、グローバル化などを批判し、衣食住にまつわることを自ら行うことで、生きることへの興味を取り戻そうとする。さらに自然界とのつながりや自然界の仕組みを、経済の仕組みに代わるモデルとして強調している。

2017年には『0円で生きる』を出版。お金を使わずにできる贈与、共有、相互扶助などの具体的な方法の数々を、自身が実践したうえで紹介した。その目的は、お金への依存度を下げ、お金のない人やお金を稼ぐのが苦手な人でも生きやすい社会にすることだという。「小さくても豊かな経済の作り方」という副題のとおりのマニュアルではあるが、贈与や貨幣経済の歴史などの解説も多い。

Twitterブログでは、経済の仕組みや日本独自の生きづらさへの批判など、社会全般に関する発言を行なっている。

自身も共同の畑で野菜を育て、不要品を無料で放出するイベントにも参加している。

著書

単著

  • 完全自殺マニュアル太田出版 1993年
  • 『無気力製造工場』 太田出版 1994年
  • 『人格改造マニュアル』 太田出版 1996年
  • 『檻のなかのダンス』 太田出版 1998年
  • 『脱資本主義宣言』 新潮社 2012年
  • 『0円で生きる』 新潮社 2017年

共編著

  • 『ぼくたちの「完全自殺マニュアル」』(編)太田出版 1994年
  • 木村重樹編、清野栄一共著)『レイヴ力 = rave of life』(レイヴりょく) 筑摩書房 2000年

脚注

  1. ^ 著者・鶴見済が語った『完全自殺マニュアル』の背景、社会、そして生と死
  2. ^ 「覚醒剤で「人格改造」はダメ 所持の著者に1年6月求刑」/『読売新聞』1998年4月28日・朝刊

外部リンク