「基幹放送局提供事業者」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
→‎沿革: +cite、update
編集の要約なし
5行目: 5行目:
[[放送法]]第2条第24号に「[[電波法]]の規定により[[基幹放送局]]の免許を受けた者であつて、当該基幹放送局の[[無線設備]]及びその他の電気通信設備のうち[[総務省|総務]][[省令]]で定めるものの総体を認定基幹放送事業者の基幹放送の業務の用に供するもの」と定義している。
[[放送法]]第2条第24号に「[[電波法]]の規定により[[基幹放送局]]の免許を受けた者であつて、当該基幹放送局の[[無線設備]]及びその他の電気通信設備のうち[[総務省|総務]][[省令]]で定めるものの総体を認定基幹放送事業者の基幹放送の業務の用に供するもの」と定義している。


<small>促音の表記は原文ママ</small>
<small>促音の表記は原文ママ</small>


これらは2011年(平成23年)6月30日に施行された放送法の全面改正<ref>平成22年法律第65号による放送法改正の施行および平成23年総務省令第62号による改正</ref>の際に定義されたものである。
これらは2011年(平成23年)6月30日に施行された放送法の全面改正<ref>平成22年法律第65号による放送法改正の施行</ref>の際に定義されたものである。


==概要==
==概要==
従前の[[受託放送事業者]]に相当するものであり、'''基幹放送局を保有するが[[放送事業者]]ではない'''ものの放送法第5章第3節による規制を受ける。また、委託放送業務が規定されていなかった[[移動受信用地上基幹放送]]以外の[[地上波]]による基幹放送である[[地上基幹放送]]においても基幹放送局提供事業者が認定基幹放送事業者から受託して実施できることとなった。(自ら[[地上基幹放送局]]を保有して地上基幹放送を行うには、地上基幹放送局の免許を取得して[[特定地上基幹放送事業者]]にならねばならない。)
従前の[[受託放送事業者]]に相当するものであり、'''基幹放送局を保有するが[[放送事業者]]ではない'''ものの放送法第5章第3節による規制を受ける。また、委託放送業務が規定されていなかった[[移動受信用地上基幹放送]]以外の[[地上波]]による基幹放送である[[地上基幹放送]]においても基幹放送局提供事業者が[[認定基幹放送事業者]]から受託して実施できることとなった。(自ら[[地上基幹放送局]]を保有して地上基幹放送を行うには、地上基幹放送局の免許を取得して[[特定地上基幹放送事業者]]にならねばならない。)
<!--委託放送業務は全面改正前の放送法第2条第3号の5に規定されていた。-->
<!--委託放送業務は全面改正前の放送法第2条第3号の5に規定されていた。-->


27行目: 27行目:


==沿革==
==沿革==
2010年(平成22年)
*4月23日 - 移動受信用地上放送の受託放送事業者は、特定基地局の開設計画の策定を要するもの<ref>平成21年法律第22号による電波法改正の施行</ref>とされた。
*9月9日 - 株式会社マルチメディア放送による[[全国放送]]の特定基地局の開設計画が認定<ref>[http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1167908/www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu07_01000004.html 207.5MHz以上222MHz以下の周波数を使用する特定基地局の開設計画の認定] 総務省 報道資料 平成22年9月9日([[国立国会図書館]]のアーカイブ:2010年10月12日収集)</ref>された。
2011年(平成23年)
2011年(平成23年)
*2月16日 - 株式会社[[ジャパン・モバイルキャスティング]]<ref>1月11日に株式会社マルチメディア放送の会社分割により設立</ref>(以下「Jモバ」と略)が株式会社マルチメディア放送<ref>4月1日に商号を株式会社mmbiに変更</ref>から特定基地局開設計画を承継<ref>[http://web.archive.org/web/20120521032603/http://www.j-mobilecasting.com/news/2011/02/18/51/ 認定開設者の地位の承継について] Jモバ お知らせ 2011年2月18日([[Internet Archive]]のアーカイブ:2012年5月21日収集)</ref>した。
*6月30日 - 従前の[[特別衛星放送]]、移動受信用地上放送の受託放送事業者の計3社は、平成22年法律第65号による放送法改正附則第8条第6号により基幹放送局提供事業者とみなされた。特別衛星放送の受託放送事業者は、[[電気通信事業法]]の適用を受けていたが、これが除外された。
*6月30日 - 従前の[[特別衛星放送]]、移動受信用地上放送の受託放送事業者の計3社は、平成22年法律第65号による放送法改正附則第8条第6号により基幹放送局提供事業者とみなされた。特別衛星放送の受託放送事業者は、[[電気通信事業法]]の適用を受けていたが、これが除外された。
** 特別衛星放送→衛星基幹放送
** 特別衛星放送→衛星基幹放送
33行目: 37行目:
*** [[スカパーJSAT]](CS)
*** [[スカパーJSAT]](CS)
** 移動受信用地上放送→移動受信用地上基幹放送
** 移動受信用地上放送→移動受信用地上基幹放送
*** Jモバ
*** [[ジャパン・モバイルキャスティング]](事業開始前、以下「Jモバ」と略)
*7月20日 - 株式会社[[茨城放送]]とその関連会社である株式会社IBSが申請していた茨城放送の[[中波放送]]の[[地上基幹放送局]]の免許人の地位のIBSへの承継が許可され、IBSが基幹放送局提供事業者、茨城放送は認定基幹放送事業者なった<ref>{{Cite web|title=株式会社茨城放送所属中波放送局の株式会社IBSへの免許承継及び株式会社茨城放送の地上基幹放送の業務の承継|url=http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu09_01000028.html|date=2011-07-20|publisher=総務省|accessdate=2016-06-02}}</ref>。 既存地上放送局では初の事例であったが、2016年(平成28年)6月1日の両社合併により、免許人の地位は茨城放送に戻り、基幹放送局提供事業者・認定基幹放送事業者制度の適用は解消された<ref>{{Cite web|title=株式会社茨城放送の中波放送局等の免許承継|url=http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu09_02000141.html|date=2016-06-01|publisher=総務省|accessdate=2016-06-01}}</ref>
*7月20日 - 株式会社[[茨城放送]]の関連会社である株式会社IBSへの茨城放送の[[中波放送]]の[[地上基幹放送局]]の[[免許人]]の地位承継され、IBSが基幹放送局提供事業者、茨城放送は認定基幹放送事業者なった<ref>[http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2454738/www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu09_01000028.html 株式会社茨城放送所属中波放送局の株式会社IBSへの免許承継及び株式会社茨城放送の地上基幹放送の業務の承継] 総務省 報道資料 平成23年7月20日(国立国会図書館のアーカイブ:2011年7月21日収集)</ref>。 地上基幹放送については初の事例であ
2012年(平成24年)
2012年(平成24年)
*4月1日 - Jモバの東京局([[東京スカイツリー]])など12局が[[マルチメディア放送]]開始。
*4月1日 - Jモバの東京局([[東京スカイツリー]])など12局が[[マルチメディア放送]]開始。
2014年(平成26年)
2014年(平成26年)
*7月15日 - 株式会社VIP(以下、「[[VIP]]」と略)6広域圏と北海道の特定基地局開設計画が認定され
*7月15日 - 株式会社VIP(以下、「[[エフエム東京#持分法適用関連会社|VIP]]」と略)による6広域圏と北海道の特定基地局開設計画が認定<ref>[http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8729512/www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02ryutsu09_03000162.html 99MHzを超え108MHz以下の周波数を使用する特定基地局の開設計画の認定- V-Lowマルチメディア放送に係る特定基地局の開設計画の認定 -] 同上 平成26年7月15日(同上:2014年8月5日収集)</ref>され
2015年(平成27年)
2015年(平成27年)
*4月1日 - Jモバが全国一斉に[[テレビジョン放送]]開始。
*4月1日 - Jモバが全国一斉に[[テレビジョン放送]]開始。
*11月27日 - Jモバは2016年6月末に事業終了すると発表。
2016年(平成28年)
2016年(平成28年)
*3月1日 - VIPが[[関東・甲信越広域圏]]、[[近畿広域圏]]、[[九州・沖縄広域圏]]でマルチメディア放送開始。
*3月1日 - VIPが[[広域放送|関東・甲信越広域圏]]、[[近畿広域圏]]、[[広域放送|九州・沖縄広域圏]]でマルチメディア放送開始。
*6月1日 - IBSが茨城放送に吸収合併され免許人の地位は茨城放送が承継<ref>{{Cite web|title=株式会社茨城放送の中波放送局等の免許承継|url=http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu09_02000141.html|date=2016-06-01|publisher=総務省|accessdate=2016-06-01}}</ref>。 地上基幹放送から基幹放送局提供事業者がなくなる。
*6月30日 - Jモバが事業終了<ref>[http://web.archive.org/web/20151130050407/http://www.j-mobilecasting.com/news/2015/11/27/1657 「NOTTV」サービス及び「モバキャス」サービスの終了について] Jモバ お知らせ 2015年11月27日(Internet Archiveのアーカイブ:2015年11月30日収集)</ref>。
*7月1日
** VIPが[[広域放送|東海・北陸広域圏]]でマルチメディア放送開始。
** Jモバが[[親会社]]の[[mmbi]]に吸収合併。認定基幹放送事業者であったmmbiも親会社の[[NTTドコモ]]に吸収合併。<ref>[https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/04/28_04.html 連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ] NTTドコモ 報道発表資料 2016年4月28日</ref>


==脚注==
==脚注==

2016年7月30日 (土) 05:41時点における版

基幹放送局提供事業者(きかんほうそうきょくていきょうじぎょうしゃ)は、放送用設備を認定基幹放送事業者基幹放送のために使用させる事業者である。

定義

放送法第2条第24号に「電波法の規定により基幹放送局の免許を受けた者であつて、当該基幹放送局の無線設備及びその他の電気通信設備のうち総務省令で定めるものの総体を認定基幹放送事業者の基幹放送の業務の用に供するもの」と定義している。

促音の表記は原文ママ

これらは2011年(平成23年)6月30日に施行された放送法の全面改正[1]の際に定義されたものである。

概要

従前の受託放送事業者に相当するものであり、基幹放送局を保有するが放送事業者ではないものの放送法第5章第3節による規制を受ける。また、委託放送業務が規定されていなかった移動受信用地上基幹放送以外の地上波による基幹放送である地上基幹放送においても基幹放送局提供事業者が認定基幹放送事業者から受託して実施できることとなった。(自ら地上基幹放送局を保有して地上基幹放送を行うには、地上基幹放送局の免許を取得して特定地上基幹放送事業者にならねばならない。)

基幹放送局提供事業者が保有しなければならない放送設備は、定義にある総務省令すなわち放送法施行規則第3条の各号に

  1. 基幹放送局設備を地上基幹放送の業務又は移動受信用地上基幹放送の業務の用に供する場合 番組送出設備(中継回線設備を含む。)の全部又は一部(基幹放送局提供事業者が電波法の規定により受けた基幹放送局の免許に係る基幹放送の業務に用いられる電気通信設備である場合に限る。)
  2. 基幹放送局設備を衛星基幹放送の業務の用に供する場合 地球局設備(基幹放送局提供事業者が電波法 の規定により受けた基幹放送局の免許に係る基幹放送の業務に用いられる電気通信設備である場合に限る。)

と規定している。

基幹放送は影響力の大きいメディアであり、少数の者に複数の基幹放送局提供事業者が支配されることが無いようマスメディア集中排除原則により出資は規制される。 また、外国人により支配されることのないように外資規制もされる。

特定基地局の開設計画

電波法第27条の12では特定基地局を「陸上に開設する移動しない無線局であつて、次の各号のいずれかに掲げる事項を確保するために、同一の者により相当数開設されることが必要であるもののうち、電波の公平かつ能率的な利用を確保するためその円滑な開設を図ることが必要であると認められるもの」と規定し、同条第2号には「移動受信用地上基幹放送に係る放送対象地域放送法第91条第2項第2号に規定する放送対象地域をいう。)における当該移動受信用地上基幹放送の受信」がある。 つまり、移動受信用地上基幹放送の基幹放送局提供事業者は地上基幹放送局の開設にあたり、携帯電話PHS事業の電気通信事業者と同様に特定基地局の開設計画を策定し、実施しなければならない。

沿革

2010年(平成22年)

  • 4月23日 - 移動受信用地上放送の受託放送事業者は、特定基地局の開設計画の策定を要するもの[2]とされた。
  • 9月9日 - 株式会社マルチメディア放送による全国放送の特定基地局の開設計画が認定[3]された。

2011年(平成23年)

  • 2月16日 - 株式会社ジャパン・モバイルキャスティング[4](以下「Jモバ」と略)が株式会社マルチメディア放送[5]から特定基地局開設計画を承継[6]した。
  • 6月30日 - 従前の特別衛星放送、移動受信用地上放送の受託放送事業者の計3社は、平成22年法律第65号による放送法改正附則第8条第6号により基幹放送局提供事業者とみなされた。特別衛星放送の受託放送事業者は、電気通信事業法の適用を受けていたが、これが除外された。
  • 7月20日 - 株式会社茨城放送の関連会社である株式会社IBSへの茨城放送の中波放送地上基幹放送局免許人の地位が承継され、IBSが基幹放送局提供事業者、茨城放送は認定基幹放送事業者となった[7]。 地上基幹放送については初の事例である。

2012年(平成24年)

2014年(平成26年)

  • 7月15日 - 株式会社VIP(以下、「VIP」と略)による6広域圏と北海道の特定基地局開設計画が認定[8]された。

2015年(平成27年)

2016年(平成28年)

脚注

  1. ^ 平成22年法律第65号による放送法改正の施行
  2. ^ 平成21年法律第22号による電波法改正の施行
  3. ^ 207.5MHz以上222MHz以下の周波数を使用する特定基地局の開設計画の認定 総務省 報道資料 平成22年9月9日(国立国会図書館のアーカイブ:2010年10月12日収集)
  4. ^ 1月11日に株式会社マルチメディア放送の会社分割により設立
  5. ^ 4月1日に商号を株式会社mmbiに変更
  6. ^ 認定開設者の地位の承継について Jモバ お知らせ 2011年2月18日(Internet Archiveのアーカイブ:2012年5月21日収集)
  7. ^ 株式会社茨城放送所属中波放送局の株式会社IBSへの免許承継及び株式会社茨城放送の地上基幹放送の業務の承継 総務省 報道資料 平成23年7月20日(国立国会図書館のアーカイブ:2011年7月21日収集)
  8. ^ 99MHzを超え108MHz以下の周波数を使用する特定基地局の開設計画の認定- V-Lowマルチメディア放送に係る特定基地局の開設計画の認定 - 同上 平成26年7月15日(同上:2014年8月5日収集)
  9. ^ 株式会社茨城放送の中波放送局等の免許承継”. 総務省 (2016年6月1日). 2016年6月1日閲覧。
  10. ^ 「NOTTV」サービス及び「モバキャス」サービスの終了について Jモバ お知らせ 2015年11月27日(Internet Archiveのアーカイブ:2015年11月30日収集)
  11. ^ 連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ NTTドコモ 報道発表資料 2016年4月28日

外部リンク

関連項目