「超対称性」の版間の差分

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である。ここで、P は並進の生成子(すなわち[[運動量]])で、[[ポアンカレ群#ポアンカレ代数|ポアンカレ代数]]を満たす。σ は[[パウリ行列]]である。
である。ここで、P は並進の生成子(すなわち[[運動量]])で、[[ポアンカレ群#ポアンカレ代数|ポアンカレ代数]]を満たす。σ は[[パウリ行列]]である。


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<math>\mathcal{N}=2</math> 以上の場合は、一般に[[中心電荷]]<math>Z^{IJ}</math>が存在し、
:<math>\{Q_\alpha^I,\bar{Q}_{\dot{\beta}J}\}=2(\sigma^\mu)_{\alpha\dot{\beta}}P_\mu \delta^I_J</math>
:<math>\{Q_\alpha^I,\bar{Q}_{\dot{\beta}J}\}=2(\sigma^\mu)_{\alpha\dot{\beta}}P_\mu \delta^I_J</math>
:<math>\{Q_\alpha^I,Q_\beta^J\}
:<math>\{Q_\alpha^I,Q_\beta^J\}

2014年9月30日 (火) 15:41時点における版

超対称性(ちょうたいしょうせい,supersymmetry,SUSY)はボソンフェルミオンの入れ替えに対応する対称性である。この対称性を取り入れた理論は超対称性理論などのように呼ばれる。また、超対称性粒子の一部はダークマターの候補の一つである。2013年1月現在、超対称性粒子は未発見である。

概要

現在素粒子物理学では、場の量子論を基礎とする標準模型が理論的にも実験的にも確かめられている。 一般に場の量子論の計算では、様々な箇所に発散が現れるという問題があるが、この問題は朝永振一郎らの繰り込み理論である程度解決可能されている。 この繰り込み理論と関連して、標準模型においては、ヒッグス機構による電弱対称性自発的破れの大きさを観測事実と合わせるために、理論のパラメーターを非常に精密に調整する必要がある。 この問題は、プランクスケール(1019GeV)と電弱対称性が破れるスケール(102GeV)の間に大きな隔たりがあることに起因しており、階層性問題と呼ばれている。 この問題に対する解決策の一つとして導入されたのが超対称性である。

超対称性の存在は、現在までに知られている標準模型の粒子たちに超対称性パートナーが存在することを予言する。例えば、電子に対してスカラー電子と呼ばれるスピン0で電荷-1を持つ粒子の存在が予言されるが、そのような粒子は観測されていない。 このため、我々が住んでいる世界の真空では、超対称性が自発的に破れていると考える必要がある。この超対称性の破れ(en:Supersymmetry breaking)を起こす機構はいくつか提唱されているが未だ実験的確証は得られていない。後述する超対称性粒子は未だ発見されておらず、世界中の加速器で発見するための実験が進んでいる。

超対称代数

超対称代数とは超対称変換の生成子の満たす代数である。

最も簡単な SUSY の場合は

である。ここで、P は並進の生成子(すなわち運動量)で、ポアンカレ代数を満たす。σ はパウリ行列である。

以上の場合は、一般に中心電荷が存在し、

となる。

超対称性粒子

超対称性粒子を参照して下さい。

通常の粒子と超対称性粒子の関係は、超対称性パートナーと呼ばれる。フェルミオンとボソンは、互いに超対称性パートナーの関係にある。

フェルミオン 対応する超対称性粒子
クォーク スカラークォーク(スクォーク
レプトン[1] スカラーレプトン(スレプトン
電子 スカラー電子(スエレクトロン)
ミュー粒子 スカラーミュー粒子(スミューオン)
タウ粒子 スカラータウ粒子(スタウ)
ニュートリノ スカラーニュートリノ[2](スニュートリノ)
ボソン 対応する超対称性粒子
ゲージ粒子 ゲージーノ(en:Gaugino)
Wボソン ウィーノ
Zボソン ジィーノ
光子 フォティーノ
グルーオン グルイーノ
グラビトン グラビティーノ
ヒッグス粒子 ヒッグシーノ
  • チャージーノ ― ウィーノと荷電ヒッグシーノの混合状態(質量固有状態)の粒子
  • ニュートラリーノ ― ジィーノ、フォティーノと中性ヒッグシーノの混合状態(質量固有状態)の粒子

脚注

  1. ^ 電子、ミュー粒子、タウ粒子、3種類のニュートリノの総称
  2. ^ 3種類のニュートリノのそれぞれに対応する超対称性粒子

外部リンク