「ステップ (パソコンショップ)」の版間の差分

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{{基礎情報 会社
|社名= 株式会社ステップ
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|種類=[[株式会社]]
|市場情報=[[倒産]]
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|郵便番号=272-0133
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'''株式会社ステップ'''はかつて存在した[[パソコンショップ]]。パソコン以外にも、ビデオデッキ等の家電製品も扱っていた。[[千葉県]][[市川市]]を本拠地とし、東京の[[秋葉原]]や大阪の[[日本橋 (大阪府) |日本橋]]にも出店していた。「'''5つのNO!'''」を掲げ低価格戦略で事業を拡大させたが、[[1996年]]9月に倒産した。
'''株式会社ステップ'''はかつて存在した[[パソコンショップ]]。パソコン以外にも、ビデオデッキ等の家電製品も扱っていた。[[千葉県]][[市川市]]を本拠地とし、東京の[[秋葉原]]や大阪の[[日本橋 (大阪府) |日本橋]]にも出店していた。「'''5つのNO!'''」を掲げ低価格戦略で事業を拡大させたが、[[1996年]]9月に倒産した。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[1979年]]に寺田由雄が千葉県市川市[[行徳]]で創業。[[倉庫]]のような店舗に在庫が積まれ、小さな商品は客がレジに直接持って行き、大きな商品は型番を伝えるという販売スタイルであった。店舗販売のほか雑誌広告による通信販売も行っていた。
ステップは[[1979年]]に寺田由雄が千葉県市川市[[行徳]]で創業し、翌年に法人化。[[倉庫]]のような店舗に在庫が積まれ、小さな商品は客がレジに直接持って行き、大きな商品は型番を伝えるという販売スタイルであった。店舗販売のほか雑誌広告による通信販売も行っていた。


後述の「5つのNO!」を掲げ、運営コストを徹底的に削減することで低価格を実現、大量販売で成長する。その後秋葉原や日本橋にも進出したが、パソコンの低価格競争や他店との競争激化で収益が低下する
後述の「5つのNO!」を掲げ、運営コストを徹底的に削減することで低価格を実現、大量販売で成長する。その後秋葉原や日本橋にも進出し、ピーク時の1994年2月期には265億円を売り上げものの、薄利多売行き過ぎて、この時ですら4300万円の欠損を計上していた。さらに、パソコン価格の下落と他店との価格競争により収益が悪化し、翌1997年2月期には170億円と売上が大幅に減少した


打開策として秋葉原に「ステップPC工房」を開店。ジュエリー用のショーケースにPCパーツが陳列され、落ち着いた雰囲気の中で自作パーツの購入や好きな組み合わせでのパソコンオーダーができる店舗であったが、返すは至らなかった。
これらの打開策として秋葉原に「ステップPC工房」を開店。ジュエリー用のショーケースにPCパーツが陳列され、落ち着いた雰囲気の中で自作パーツの購入や好きな組み合わせでのパソコンオーダーができる店舗であった。さらに、特徴であった「5つのNO!」を廃止し、サービス向上と合理化を進めたが、1996年2月期で165億円とさらに売上が減少、最終的に資金繰りに行詰まり、1996年9月20日[[千葉地方裁判所|千葉地裁]]に和議を申請し倒産し。負債は70億円<ref>[http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/960925/step.htm ステップ、千葉地裁に和議を申請] PC Watch</ref>

最終的に資金繰りに行き詰まり、1996年9月に[[千葉地方裁判所|千葉地裁]]に和議を申請し倒産した。負債は70億円<ref>[http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/960925/step.htm ステップ、千葉地裁に和議を申請] PC Watch</ref>。


== 5つのNO! ==
== 5つのNO! ==
説明展示交換解約・無料サービスの5つを行わないと意味で、[[コスト]]を削るための手段であった。店内にもこの[[キャッチコピー|キャッチフレーズ]]が掲出されていた。
「5つのNO!」とは、商品を「説明しない」「運ばない」「展示しない」「交換しない」「解約しない」の5つのことで、[[コスト]]を削るための手段であった。店内にもこの[[キャッチコピー|キャッチフレーズ]]が掲出されていた。


この代わりに店頭で毎週更新する価格表を配布しており、客はこの価格表を見ながら注文する営業形態であった。秋葉原進出後は他店もステップの価格を参考にするようになり、一時は秋葉原での価格形成に影響を及ぼしていた。
この代わりに店頭で毎週更新する価格表を配布しており、客はこの価格表を見ながら注文する営業形態であった。秋葉原進出後は他店もステップの価格を参考にするようになり、一時は秋葉原での価格形成に影響を及ぼしていた。
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== 参考文献 ==
* [[東京商工リサーチ]] TSR情報 1996年9月26日号 7面


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2011年8月29日 (月) 09:51時点における版

株式会社ステップ
種類 株式会社
市場情報 倒産
本社所在地 日本の旗 日本
272-0133
千葉県市川市行徳駅前4-7-10
設立 1980年(創業:1979年
業種 小売業
事業内容 家電製品小売
代表者 寺田由雄
資本金 20億9000万円
売上高 165億円(1996年2月期)
従業員数 90名
決算期 2月
特記事項:1996年9月20日和議申請
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株式会社ステップはかつて存在したパソコンショップ。パソコン以外にも、ビデオデッキ等の家電製品も扱っていた。千葉県市川市を本拠地とし、東京の秋葉原や大阪の日本橋にも出店していた。「5つのNO!」を掲げ低価格戦略で事業を拡大させたが、1996年9月に倒産した。

概要

ステップは1979年に寺田由雄が千葉県市川市行徳で創業し、翌年に法人化。倉庫のような店舗に在庫が積まれ、小さな商品は客がレジに直接持って行き、大きな商品は型番を伝えるという販売スタイルであった。店舗販売のほか雑誌広告による通信販売も行っていた。

後述の「5つのNO!」を掲げ、運営コストを徹底的に削減することで低価格を実現、大量販売で成長する。その後秋葉原や日本橋にも進出し、ピーク時の1994年2月期には265億円を売り上げたものの、薄利多売が行き過ぎて、この時ですら4300万円の欠損を計上していた。さらに、パソコン価格の下落と他店との価格競争により収益が悪化し、翌1997年2月期には170億円と売上が大幅に減少した。

これらの打開策として秋葉原に「ステップPC工房」を開店。ジュエリー用のショーケースにPCパーツが陳列され、落ち着いた雰囲気の中で自作パーツの購入や好きな組み合わせでのパソコンオーダーができる店舗であった。さらに、特徴であった「5つのNO!」を廃止し、サービス向上と合理化を進めたが、1996年2月期で165億円とさらに売上が減少、最終的に資金繰りに行き詰まり、1996年9月20日に千葉地裁に和議を申請し倒産した。負債は70億円[1]

5つのNO!

「5つのNO!」とは、商品を「説明しない」「運ばない」「展示しない」「交換しない」「解約しない」の5つのことで、コストを削るための手段であった。店内にもこのキャッチフレーズが掲出されていた。

この代わりに店頭で毎週更新する価格表を配布しており、客はこの価格表を見ながら注文する営業形態であった。秋葉原進出後は他店もステップの価格を参考にするようになり、一時は秋葉原での価格形成に影響を及ぼしていた。

この営業形態は製品をよく知ったプロやマニア向けには好適であったが、パソコンの普及に伴い初心者が増えるようになると逆に市場を逃す原因ともなった。

存在した店舗

  • 本店 - 行徳にあり、別にサポートセンターも構えていた。
  • 秋葉原店 - ステップPC工房を含め2店舗。
  • 幕張店 - 海浜幕張駅前のプレナ幕張に所在していた。(倒産以前に閉店)
  • 日本橋店 - 大阪地区唯一の店舗。(倒産以前に閉店)

宣伝・広告

  • おもに雑誌広告がメインだったが、幕張店開店前後にbayfmでラジオコマーシャルを放送したことがあり、また、同局の井上陽水の特別番組の冠スポンサーを担当したことがあった。

脚注

参考文献

関連項目

  • ソフマップ - 同業大手。5つのNO!に対抗し、一時「5つのYES!」を掲げていた。