「ハング・パーラメント」の版間の差分

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== 概要 ==
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[[ドイツ]]や[[アイルランド]]など[[比例代表制]]を採用する国の議会や、強力な[[地域政党]]が存在する国の議会では、この状態は一般的であるので、選挙結果の説明として「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。また[[アメリカ合衆国]]などは[[大統領制]]であり議院内閣制ではないため、[[二大政党制]]であっても「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。
[[ドイツ]]や[[アイルランド]]など[[比例代表制]]を採用する国の議会や、強力な[[地域政党]]が存在する国の議会では、この状態は一般的であるので、選挙結果の説明として「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。また[[アメリカ合衆国]]などは[[大統領制]]であり[[議院内閣制]]ではないため、[[二大政党制]]であっても「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。


しかし[[イギリス]]や[[カナダ]]などの、[[小選挙区制]]で比較多数得票方式を採用する国では[[二大政党制]]が行われており、通常は第1党が過半数の議席を獲得して議員内閣制に基づいて[[与党]]となるため、[[連立政権]]やハング・パーラメントは一般的な状態ではない。
しかし[[イギリス]]や[[カナダ]]などの、[[小選挙区制]]で比較多数得票方式を採用する国では[[二大政党制]]による議院内閣制が行われており、通常は過半数の議席を獲得した第1党が単独で[[与党]]となるため、[[連立政権]]やハング・パーラメントは一般的な状態ではない。


ハング・パーラメント状態では、与党が議会で法案を安定的に通過させる事が困難なため、政治的に不安定な状態となる。ハング・パーラメント状態の解消には、小数政党との連立政権または、議会の[[解散]]と再選挙などが行われる。
ハング・パーラメント状態では、与党が議会で法案を安定的に通過させる事が困難なため、政治的に不安定な状態となる。ハング・パーラメント状態の解消には、小数政党との連立政権または、議会の[[解散]]と再選挙などが行われる。

2010年5月16日 (日) 14:26時点における版

ハング・パーラメント:hung parliament、宙ぶらりんの議会)または少数派議会(英:minority parliament)は、議院内閣制政治体制において、立法府でどの政党も議席の単独過半数を獲得していない状態である。

概要

ドイツアイルランドなど比例代表制を採用する国の議会や、強力な地域政党が存在する国の議会では、この状態は一般的であるので、選挙結果の説明として「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。またアメリカ合衆国などは大統領制であり議院内閣制ではないため、二大政党制であっても「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。

しかしイギリスカナダなどの、小選挙区制で比較多数得票方式を採用する国では二大政党制による議院内閣制が行われており、通常は過半数の議席を獲得した第1党が単独で与党となるため、連立政権やハング・パーラメントは一般的な状態ではない。

ハング・パーラメント状態では、与党が議会で法案を安定的に通過させる事が困難なため、政治的に不安定な状態となる。ハング・パーラメント状態の解消には、小数政党との連立政権または、議会の解散と再選挙などが行われる。

ハング・パーラメント状態や連立政権では、少数政党がキャスティングボートを握り、発言力を増す場合が多い。このことは、二大政党制を支持する立場から望ましくないとする意見と、二大政党制では反映されにくい国民の多様な意見を反映できると評価する意見が存在する。

歴史

イギリス

イギリスでは1800年代頃より二大政党制が続いているが、第二次世界大戦後ではハング・パーラメント状態は2回発生した。1回目は1974年労働党の小数与党政権が発足したが不安定な政権運営が続き、8ヶ月後の解散・総選挙で労働党の単独過半数政権となった。2回目は2010年で、保守党自由民主党による戦後初の連立政権が発足した。


関連項目

参照

外部リンク

イギリス