「BMW・700」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
38行目: 38行目:
エンジンは同社のR67型モーターサイクルのものをベースとした空冷・水平対向2気筒で、697ccで32馬力を発し、当時としては高水準な最高速度125km/hをマークした。 40馬力エンジンの高性能版も選択出来た。
エンジンは同社のR67型モーターサイクルのものをベースとした空冷・水平対向2気筒で、697ccで32馬力を発し、当時としては高水準な最高速度125km/hをマークした。 40馬力エンジンの高性能版も選択出来た。


1962年3月にはホイールベースが各モデルで16-32cm延長され、「'''BMW・LS'''」と改名された。1965年までの総生産台数は188,211台で、これは歴代BMW車では新記録であった。この時点では700より上級の[[BMW・1500/1800/2000]]が主力車種に育っており、BMWは700の後継車を出さず、上級小型車以上に専念することとなった。
1962年3月にはホイールベースが各モデルで16-32cm延長され、「'''BMW・LS'''」と改名された。1965年までの総生産台数は188,211台で、これは歴代BMW車では新記録であった。この時点では700より上級の[[BMW・1500/1600/1800/2000]]が主力車種に育っており、BMWは700の後継車を出さず、上級小型車以上に専念することとなった。


レーシングモデルとしては70馬力にチューンされた「700RS」があり、新人時代の[[:en:Hans Stuck|ハンス・シュトゥック]]や[[ジャッキー・イクス]]がこのマシンで活躍した。
レーシングモデルとしては70馬力にチューンされた「700RS」があり、新人時代の[[:en:Hans Stuck|ハンス・シュトゥック]]や[[ジャッキー・イクス]]がこのマシンで活躍した。

2009年8月9日 (日) 03:29時点における版

BMW・700
セダン
クーペ
カブリオレ
ボディ
乗車定員 4/5人
ボディタイプ 2ドアセダン/クーペ/カブリオレ
駆動方式 RR
パワートレイン
エンジン 水平対向2気筒4サイクル・ガソリンOHV697cc
変速機 4MT
前:独立・デュボネ式・コイル
後:独立・トレーリングアーム・コイル
前:独立・デュボネ式・コイル
後:独立・トレーリングアーム・コイル
車両寸法
ホイールベース 2120mm
全長 3540mm
全幅 1480mm
全高 1270-1360mm
車両重量 600kg
その他
最高速度 125km/h
デザイナー ジョバンニ・ミケロッティ
テンプレートを表示
700RS

BMW・700ドイツの自動車メーカー・BMWが1959年8月から1965年9月まで生産したリアエンジンの小型大衆車である。1950年代末に深刻な経営危機にあったBMW社の挽回に寄与した車として名高い。

概要

ベースとなったのはサイクルカー・BMW・イセッタの発展型であるBMW・600であったが、700は「通常の」自動車の形をしたスチール製モノコックボディを持っていた。シンプルな美しさを持つこのボディはジョバンニ・ミケロッティの作品で、同時期のトライアンフ・ヘラルドと並ぶ彼の小型大衆車デザインの傑作とされている。2ドアセダンに加え、大型のBMW・501/502と同じく、カロッツェリアバウア製の2ドアのクーペとカブリオレも用意された。

エンジンは同社のR67型モーターサイクルのものをベースとした空冷・水平対向2気筒で、697ccで32馬力を発し、当時としては高水準な最高速度125km/hをマークした。 40馬力エンジンの高性能版も選択出来た。

1962年3月にはホイールベースが各モデルで16-32cm延長され、「BMW・LS」と改名された。1965年までの総生産台数は188,211台で、これは歴代BMW車では新記録であった。この時点では700より上級のBMW・1500/1600/1800/2000が主力車種に育っており、BMWは700の後継車を出さず、上級小型車以上に専念することとなった。

レーシングモデルとしては70馬力にチューンされた「700RS」があり、新人時代のハンス・シュトゥックジャッキー・イクスがこのマシンで活躍した。

日本への輸入

当時の日本へも輸入元のバルコム・トレーディング・カンパニーによって輸入された。当時の日本車の設計にも影響を与えており、例えば1961年発売の日野・コンテッサ900(1300と違って日野の自社デザイン)のフロント部分のデザインは700のそれと酷似していた。

参考文献