BMW・6シリーズ

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BMW 6シリーズドイツ自動車メーカー・BMWが製造・販売している自動車である。クーペまたはカブリオレのボディ形式を持つ。

前身は大型クーペBMW・3.0CSである。

初代(1976年-1989年)E24[編集]

BMW・6シリーズ(初代)
E24
633CSi(前期型)
BMW 633CSi E24.JPG
M6(最終型)
1986 BMW M6.jpg
販売期間 1976年 - 1989年
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドア クーペ
エンジン M30B28型 直6 SOHC 2.8L
M30B30型 直6 SOHC 3.0L
M30B32型 直6 SOHC 3.2L
M30B34型 直6 SOHC 3.4L
M88/3型 直6 DOHC 3.5L
駆動方式 FR
変速機 3速AT/4速AT/4速MT/5速MT
全長 4,755mm
全幅 1,725mm
全高 1,365mm
ホイールベース 2,625mm
車両重量 1,675kg
先代 BMW・2.5/2800/3.0CS(E9系)
後継 BMW・8シリーズ(E31系)
-自動車のスペック表-

先代CSクーペは1970年代に入ってもベルトーネデザイン、カルマン生産の流麗なボディや、ツーリングカー選手権の制覇など第一級のパフォーマンスは健在であったが、安全性や快適性などの旧態化が顕著になり(ベース車のBMW・1500は1961年に登場)、1976年にフルモデルチェンジを行い630CS/633CSiとなった。BMW・1500セダン(ノイエ・クラッセ)をベースとした先代同様、先行してモデルチェンジした520/525セダン(E12系)のプラットフォームをベースとしている。また、ボディのコーチワークは引き続きカルマンが行っていた。それゆえ、車格の上では上級とされる733iセダンよりも高価であった。『世界一美しいクーペ』と評され、今なお愛好家が多い。

1978年にはハイパフォーマンスモデルの635CSiを追加する。専用の3.5リッターエンジンを搭載し、トランスミッションには5速マニュアルを採用。外装ではフロントスポイラーやリアスポイラー、サイドストライプなどを標準としていた。

1979年には小変更を行い、キャブレター仕様の630CSがラインナップ落ちし、代わりにインジェクター仕様の628CSiが追加された。このエンジンは528iセダンから流用したものである。

1982年には、初の大規模なマイナーチェンジを行う。これはベースモデルの5シリーズがフルモデルチェンジを行ったためで、サスペンションなどを一新している。また、635CSiについてはエンジンが一新されている。内装では5シリーズに準じたドライバーに定期点検を促すSI(サービスインターバル)メーターや、瞬間燃費計が追加されている。5シリーズのモデルチェンジと同様、外装には大きな変化が見られなかった。

1983年には、スポーツモデルのM635CSiを追加。BMW・M1から移植されたDOHCエンジンは286hpを発生させ、280km/hまで振られたスピードメーターがその性能を誇示していた。このモデルは先代3.0CSL系の後継モデルとされ、1980年代の欧州ツーリングカー選手権を盛り上げた1台となった。

1987年に最後のマイナーチェンジを行い、ニュー735iセダン(E32系)で採用された第3世代DME(デジタル・モーター・エレクトロニクス)制御のビッグシックスエンジンを採用。これに伴い、主に米国/日本向けだった触媒付仕様の出力が大幅に向上した(185hpから211hpに)。さらに、衝撃吸収バンパーの装着(米国仕様車では発売当初から装備)、エアロの標準装備により外観が大きく変化した。このいわゆる「後期型」の635はE24好きからは賛否両論である。それゆえ1987年以前(中期型)はアイアンバンパーと呼ばれ、6シリーズの本来の美しさを持つ最後のモデルとして好む人も多い。

1989年、生産終了。

事実上の後継モデル8シリーズを経てE63/E64系6シリーズへ。

日本仕様車は昭和50年代の厳重化された排ガス規制により、ほぼ全年式にわたり米国仕様車をベースとしていた。ただし、マニュアルトランスミッションが全グレードで選択できた米国と違い、日本仕様車はM6を除き全車オートマチックを装備していた点が大きく異なる。当時の輸入代理店であったバルコム・オート・トレイディング(1981年BMW JAPAN設立に伴い解散)より1977年に初めて輸入され、最上級版633CSiAが長らく販売されていた。1985年には633と入れ替わりに635CSiAを販売し、1988年にはM6が追加された。

約1,000万円と非常に高価で(MZ21系トヨタ・ソアラの最上級モデル2台分)、また、欧州仕様と比べパワーダウンが激しかった(計測方法の違いにもよるが635CSiでは218hpから185hpに落ちている)ため、割安でハイパワーな並行輸入車も多く輸入された。

グレード 販売期間 エンジン 排気量 最高出力 備考
633CSiA -1984年 直列6気筒SOHC 3,210cc 180hp 日本仕様は3段ATのみの設定である。1984年にはバリエーションにサイドストライプ、リアスポイラー、Mマークを装着したM633CSiAが追加されている。ただし、これはBMW JAPANが勝手に名付けたモデル末期の特別仕様車にすぎない。上記の装備以外はアルミホイルも含め633CSiと全く同じである。ちなみに販売価格は633CSiとM633CSiと同価格(969万円)で販売されていた。
635CSiA 1985年-1989年 直列6気筒SOHC 3,430cc 185hp(1988年のマイナーチェンジ以降、211hpとなる) 4速オートマチックを装備(1986年以降プログラムセレクタ付に進化)。上級版にバッファローレザー内装の635CSiAエクスクルーシブが存在する。エクスクルーシブ仕様は240/45VR415サイズのミシュランTRXタイヤが標準装備となる。
M635CSi 1984年-1989年 直列6気筒DOHC 3,453cc 286hp M1のDOHCユニットがベースのエンジンを搭載。5段MTを装備。
M6 1986年-1989年 直列6気筒DOHC 3,453cc 265hp アメリカと日本での排気ガス規制に準じるために触媒つきのエンジンに換装されたモデル。ヨーロッパでは引き続きM635CSiの名称を使用。
L6 1988年-1989年 アメリカ専売モデル。635CSiをベースにL7(E23系)と同様の豪華なオールレザー内装を持つ。

2代目(2003年-2010年)E63/E64[編集]

BMW・6シリーズ(2代目)
E63/E64
BMW E63 front 20071125.jpg
BMW E63 rear 20080417.jpg
販売期間 2003年10月 -2010年
乗車定員 4人
ボディタイプ 2ドア クーペ/カブリオレ
エンジン N62型 V8 DOHCエンジン 4.8L
N52型 直6 DOHC 3.0L
S85型 V10 DOHC 5.0L
駆動方式 FR
変速機 6速AT/6速セミAT/7速セミAT
全長 4,830mm
全幅 1,855mm
全高 1,375mm(クーペ、M6カブリオレ)
1,360mm(カブリオレ)
1,370mm(M6)
ホイールベース 2,780mm
先代 BMW・8シリーズ(E31系)
-自動車のスペック表-

E63/E64は、ドイツの自動車メーカーBMWが生産するラグジュアリークーペ/カブリオレモデル、6シリーズの2代目に付けられたコードネームである。E63はクーペ、E64はカブリオレのモデルコードである。

事実上の前身モデル、8シリーズ(E31)の生産終了からおよそ5年。モデル名「6」を引き継ぐことになるE24系6シリーズから数えれば実に14年ぶりとなったラグジュアリー・クーペ。

歴代モデルのイメージを踏襲しつつも、低くワイドな出で立ちを演出するグラマラスなフェンダーライン、全体としても曲線を基調とした流麗なスタイルへと大胆な変身を遂げた。

カブリオレは4座を基本とし、ソフトトップを閉じたときにはクーペモデルのスタイリングとの統一感を重視するなど、他のライバル車とは一線を画す。

ボディーカラー、内装コーディネートを細部に渡りカスタムオーダーを受け付けるBMW-インディヴィジュアルが用意される。

モデル一覧[編集]

タイプ 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10
E63 クーペ 645Ci 650i
630i
M6ベースグレード
E64 カブリオレ 645Ciカブリオレ 650iカブリオレ
M6カブリオレ


  • 650i(2005年10月- ):1180万円
バルブトロニック採用。N62型V型8気筒DOHCエンジン、総排気量:4,798cc。
最高出力:367ps(270kW)/6,300rpm、最大トルク:50.0kgm(490Nm)/3,400rpm、燃費(10/15モード):7.4-7.6km。
トランスミッションはマニュアルモード付6速ATとシーケンシャル式6速セミATのSMGを選択可能。
ステアリングは左/右ともに選択可能。
2005年10月の年次改訂にあわせ、排気量を拡大するなど実質的には645Ciのマイナーチェンジ版。
  • 630i(2004年10月- ):930万円
バルブトロニック採用。N52型直列6気筒DOHCエンジン、総排気量:2,996cc。
最高出力:272ps(200kW)/6,650rpm、最大トルク:32.1kgm(315Nm)/2,750rpm、燃費(10/15モード):9.9km。
2005年10月にこれまでカブリオレのみであったセキュリティシステムを付加するなど年次改訂が行われる。
トランスミッションはマニュアルモード付6速ATのみ。
ステアリングは右のみ。
位置付けこそ下位であるものの伝家の宝刀、ストレート6を搭載するこのシリーズ唯一のグレード。
  • 650iカブリオレ(2005年10月-2011年2月):1177万円
基本スペックは650iに準ずる。
  • 645Ci(2003年10月-2005年9月)
バルブトロニック採用、V型8気筒DOHCエンジン、4,398cc、245kw(333ps)
トランスミッションはマニュアルモード付6速ATとシーケンシャル式6速セミATのSMGを選択可能。
ステアリングは左/右ともに選択可能。
  • 645Ciカブリオレ(2004年2月-2005年9月)
基本スペックはクーペモデルに準ずる。

M6[編集]

E63型M6

クーペモデルをベースとしMの名を冠する6シリーズ最高峰。ベースモデルにはない専用のインテリアを選択でき、イクイップメントもよりラグジュアリーに、さらには専用エンジンとトランスミッション、数々のハイテク装備で武装した6シリーズのフラグシップとなるモデル。高回転域でのパワーをいかんなく発揮するために、あえてバルブトロニックは採用されない。

  • ベースグレード(2005年9月-2011年2月):1585万円
S85型V型10気筒DOHCエンジン、総排気量:4,999cc。
最高出力:507ps(373kW)/7,750rpm、最大トルク:53.0kgm(520Nm)/6,100rpm。
トランスミッションはパドルシフト付シーケンシャル7速セミATであるSMG-Drivelogicを採用
ステアリングは左/右ともに選択可能。
E60系M5の2ドアクーペ版ともとらえることができる。
  • カブリオレ(2006年9月-2011年2月):1650万円
基本スペックはベースグレードに準ずる。

3代目(2011年-)F12/F13/F06[編集]

BMW・6シリーズ(3代目)
F12/F13/F06
カブリオレ(F12)
BMW 650i convertible -- 2011 DC.jpg
グランクーペ(F06)
2012-03-07 Motorshow Geneva 4430.JPG
販売期間 2011年 -
乗車定員 4人/5人(グランクーペ)
ボディタイプ カブリオレ/2ドア クーペ/4ドア クーペ
エンジン N63B44A型 4.4L V8
N55B30A型 3.0L 直6
駆動方式 FR駆動
変速機 8速AT/6速MT
サスペンション 前輪: ダブル・ウィッシュボーン式
後輪: インテグラル・アーム式
全長 4,895mm
全幅 1,895mm
全高 1,365mm
ホイールベース 2,855mm
車両重量 1,930kg - 2,050kg
-自動車のスペック表-

F12/F13/F06は、ドイツの自動車メーカーBMWが生産するラグジュアリーカブリオレ/クーペモデル、6シリーズの3代目に付けられたコードネームである。F12はカブリオレ、F13は2ドアクーペ、F06は4ドアクーペ(グランクーペ)のモデルコードである。

2010年9月、パリモーターショー2010でコンセプト6シリーズが発表された[1]。2010年11月18日、新型6シリーズコンバーチブルが発表された。2種類のガソリンエンジンが搭載される。640iは320hp(239kW)/5,800rpmの直6ツインターボエンジンが搭載され、650iには407hp(303kW)/5,500rpmのV8ツインターボエンジンが搭載される。2012年10月。650グランクーペの発売にあわせ、650iクーペ、カブリオレのV8エンジンの性能も最高出力450hp/5,500rpm、最大トルクは66.3kg.m/2,000~4,500rpmとなり、従来型のV8エンジンに比べて約10%向上した。0-100キロまでの加速は4.6秒で、従来モデルから0.3秒改善している。また、アイドリングストップや「ECO PRO」モード付きのドライビングパフォーマンスコントロールなどを採用し、燃費は従来モデルに対して最大で25%改善したリッターあたり9.6km(JC08モード燃費)となった。

日本での販売[編集]

2011年2月24日、新型6シリーズカブリオレが発表された。 2011年2月24日から販売が始まり[2]、まず「640iカブリオレ」「650iカブリオレ」が導入された。 2011年8月5日、「640iクーペ」「650iクーペ」が発表された[3]

2012年6月5日、4ドアの「640iグランクーペ」「650iグランクーペ」が発表された[4]。基本的なエクステリアはそのままに、ホイールベースが2ドア比で+115mm拡大され、快適に過ごせる室内空間を実現している。リアシートは形状を左右独立タイプとしながらも、中央部にもシートベルトおよびシートクッションを装備することで、最大3名の乗車が可能となっている。

日本での現行グレード[編集]

グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 駆動方式 ハンドル位置 ドア数
650iカブリオレ 2011年4月- N63B44A型 V型8気筒DOHC 4,394cc 450ps/66.3kg・m 8速AT FR 左/右 2
640iカブリオレ N55B30A型 直列6気筒DOHC 2,979cc 320ps/45.9kg・m
650iクーペ 2011年10月- N63B44A型 V型8気筒DOHC 4,394cc 450ps/66.3kg・m 左/右
640iクーペ N55B30A型 直列6気筒DOHC 2,979cc 320ps/45.9kg・m
650iグランクーペ 2012年10月- N63B44A型 V型8気筒DOHC 4,394cc 450ps/66.3kg・m 左/右 4
640iグランクーペ 2012年6月- N55B30A型 直列6気筒DOHC 2,979cc 320ps/45.9kg・m

M6[編集]

2012年4月に日本での販売が開始した。エンジンは4.4L V型8気筒までダウンサイジングされており、トランスミッションでは、7速デュアルクラッチで最高出力はM5とほぼ同じ560hpを発生させる。価格は、クーペが1695万円であり、カブリオレは1760万円、グランクーペは1730万円となっている。(2013年3月現在)クーペモデルはルーフがカーボンとなっている。

2016年よりZ4に替わりグループGT3仕様車両のベースとなる。

グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 駆動方式 ハンドル位置
M6クーペ 2012年4月- S63B44B V型8気筒DOHC 4,394cc 560ps/69.3kg・m 7速DCT FR 右/左
M6カブリオレ
M6グランクーペ 2013年3月-

参考文献[編集]

  1. ^ 2012 BMW Concept 6 Series Coupé officially revealed”. Motorthusiast (2010-20-19). 2010-20-19閲覧。
  2. ^ 納車は4月以降を予定としている。
  3. ^ BMW、新型「6シリーズクーペ」の受注開始”. 2011年8月5日閲覧。
  4. ^ BMW、4ドアクーペ「6シリーズ グラン クーペ」国内発表”. 2012年6月6日閲覧。

外部リンク[編集]