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国立メディア芸術総合センターは、[[文化庁]]に設置された有識者の懇談会である「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」が、2009年(平成21年)4月に発表した報告書「メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)」<ref name=houkoku>[http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/kondankaitou/madiageijutsu/pdf/houkokusho_H210428.pdf メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)]、メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会、2009年。</ref>の中で、整備を提案した施設の仮称である。
国立メディア芸術総合センターは、[[文化庁]]に設置された有識者の懇談会である「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」が、2009年(平成21年)4月に発表した報告書「メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)」<ref name=houkoku>[http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/kondankaitou/madiageijutsu/pdf/houkokusho_H210428.pdf メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)]、メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会、2009年。</ref>の中で、整備を提案した施設の仮称である。


これまでの絵画や彫刻のような伝統的なものと一線を画する、コンピュータテクノロジーや[[電子機器]]を利用した作品、[[アニメ]]、[[漫画]]、[[ゲーム]]などの近代商業芸術、これらメディアアート作品を中心とした展示、資料収集、保管、提供、調査研究などの拠点機能を果たすとされる。しかし現段階で具体的に、どのようなコンテンツをどのような選考基準で整備対象とするのかなどの詳細は未定であり今後の検討課題とされている。
これまでの絵画や彫刻のような伝統的なものと一線を画する、コンピュータテクノロジーや[[電子機器]]を利用した作品、[[アニメ]]、[[漫画]]、[[ゲーム]]などの近代商業芸術、これら[[メディアアート]]作品を中心とした展示、資料収集、保管、提供、調査研究などの拠点機能を果たすとされる。しかし現段階で具体的に、どのようなコンテンツをどのような選考基準で整備対象とするのかなどの詳細は未定であり今後の検討課題とされている。


また文化庁は、[http://plaza.bunka.go.jp/site/site.php 文化庁メディア芸術祭]というメディアアートイベントを毎年開催していることから、同趣旨を持つ国立メディア芸術総合センターも、これに準じ拡張されたものになるのではないかと予測される。
また文化庁は、[http://plaza.bunka.go.jp/site/site.php 文化庁メディア芸術祭]というメディアアートイベントを毎年開催していることから、同趣旨を持つ国立メディア芸術総合センターも、これに準じ拡張されたものになるのではないかと予測される。

2009年6月8日 (月) 21:15時点における版

国立メディア芸術総合センター(こくりつ メディアげいじゅつ そうごうセンター)は、メディア芸術の国際的な拠点として整備される予定の日本の施設の仮称。

概要

国立メディア芸術総合センターは、文化庁に設置された有識者の懇談会である「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」が、2009年(平成21年)4月に発表した報告書「メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)」[1]の中で、整備を提案した施設の仮称である。

これまでの絵画や彫刻のような伝統的なものと一線を画する、コンピュータテクノロジーや電子機器を利用した作品、アニメ漫画ゲームなどの近代商業芸術、これらメディアアート作品を中心とした展示、資料収集、保管、提供、調査研究などの拠点機能を果たすとされる。しかし現段階で具体的に、どのようなコンテンツをどのような選考基準で整備対象とするのかなどの詳細は未定であり今後の検討課題とされている。

また文化庁は、文化庁メディア芸術祭というメディアアートイベントを毎年開催していることから、同趣旨を持つ国立メディア芸術総合センターも、これに準じ拡張されたものになるのではないかと予測される。

同センター整備のため、同年5月に参議院では否決されたが最終的に成立した平成21年度補正予算において、総額117億円の予算が付された[2]が、この金額は文化庁の若手クリエイター創作支援事業予算(平成20年度)の975年分の規模に相当する。

基本構想

「メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)」[1]の中で提示された「国立メディア芸術総合センター(仮称)」の整備に関する基本構想は以下の通り。

  • 名称 : 国立メディア芸術総合センター(仮称)
  • 分野 : メディア芸術の全分野を取り扱う。
映画については、フィルムセンターと緊密に連携・協力
  • 機能 : メディア芸術作品の展示
メディア芸術作品その他資料の収集・保管
関連情報の収集・提供、調査研究、人材育成・普及啓発活動の実施
メディア芸術関連施設間の連携・協力体制の構築
  • 設置場所 : 東京都内(東京臨海副都心(お台場)は好適地の一つ)
  • 面積等 : 建物延べ床面積は約10,000m² 、土地面積は約2,500m² 、4〜5階建て
  • 年間目標来場者数 : 約60万人
  • 運営方法 : 独立行政法人国立美術館が外部委託により運営
  • その他 : 入場料等自己収入で、運営に必要な財源を賄うことが適当

メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会

「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」は、2008年(平成20年)7月に、文化庁次長決定によって文化庁に置かれた有識者の懇談会である。第1回会合は同年8月4日に開催され、翌2009年(平成21年)4月21日に開催された第6回会合まで討議とヒアリングが行われ、「メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)」[1]と題した報告書を発表した。

委員

【メディア芸術全般】

浜野保樹 : 東京大学大学院教授
林和男 : ぴあ総合研究所代表取締役社長兼所長

【映画・映像】

安藤紘平 : 早稲田大学教授・映画監督

【アニメ】

古川タク : アート系アニメーション作家

【マンガ】

さいとうちほ : マンガ家

【メディアアート】

中谷日出 : NHK解説委員、BS「デジタルスタジアム」主宰

【コンピュータ・ゲーム】

石原恒和 : 株式会社ポケモン代表取締役社長、ゲームクリエイター

【オブザーバー】

阿部芳久 : CG-ARTS協会(財団法人画像情報教育振興協会) 文化事業部部長
石川知春 : 映像産業振興機構事務局長
岡島尚志 : 東京国立近代美術館フィルムセンター主幹
甲野正道 : 独立行政法人国立美術館法人本部事務局長兼国立西洋美術館副館長

批判

国立メディア芸術総合センターの整備に関しては、設置そのものについて批判がある。

2009年(平成21年)4月28日の衆議院本会議において、代表質問に立った鳩山由紀夫民主党幹事長は、国立メディア芸術総合センターを「アニメの殿堂」と称して、「総理のアニメ好きは存じておりますが、なぜ、百十七億円も投じて巨大国営漫画喫茶をつくり、独立行政法人を焼け太りさせる必要があるんでしょうか。」と問うた。これに対して麻生太郎内閣総理大臣は「今日、日本文化発信の中心的存在であります、アニメ漫画ゲームなどのジャパン・クールと呼ばれるメディア芸術の国際的な拠点を形成することが重要であると考えております。新たに創設いたします国立メディア芸術総合センターは、独立行政法人国立美術館の一組織として設けるものですが、管理運営はすべて外部委託といたすとともに、必要な財源は自己収入で賄うということにいたしております。」と答弁した。

脚注

  1. ^ a b c メディア芸術の国際的な拠点の整備について(報告)、メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会、2009年。
  2. ^ 平成21年度補正予算、財務省。平成21年度文部科学省 補正予算(案)の概要、文部科学省。

関連項目

外部リンク