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'''アナーヒター''' ('''Anāhitā''') は、[[ゾロアスター教]]において崇拝される[[女神]]。
'''アナーヒター''''''Anāhitā'''は、[[ゾロアスター教]]において崇拝される[[女神]]。
アナーヒターは[[アヴェスター語]]形で、[[パフラヴィー語]]では'''アナーヒト''' ('''Anāhit''') といい、いずれも'''清浄'''を意味する。
アナーヒターは[[アヴェスター語]]形で、[[パフラヴィー語]]では'''アナーヒト''''''Anāhit'''といい、いずれも'''清浄'''を意味する。


力強い色白の腕を持ち、四角い黄金の耳飾と星をちりばめた金の頭飾で身を飾り、帯を高く締めた美しい乙女の姿をしているという。
力強い色白の腕を持ち、四角い黄金の耳飾と星をちりばめた金の頭飾で身を飾り、帯を高く締めた美しい乙女の姿をしているという。


本来は川や水を司る水神で、'''ハラフワティー・アルドウィー・スーラー''' ('''Harahvatī Arədvī Sūrā''') すなわち'''水を持つ者、湿潤にして力強き者'''と呼ばれていた。このハラフワティーという名から、同じく川の女神である[[インド神話]]の[[サラスヴァティー]]と同起源と考えられている。
本来は川や水を司る水神で、'''ハラフワティー・アルドウィー・スーラー''''''Harahvatī Arədvī Sūrā'''すなわち'''水を持つ者、湿潤にして力強き者'''と呼ばれていた。このハラフワティーという名から、同じく川の女神である[[インド神話]]の[[サラスヴァティー]]と同起源と考えられている。


ゾロアスター教神学では中級神[[ヤザタ]]に分類される。また、全てを潤し命を育む水の特性から、家畜の生殖・作物の豊穣の神ともされ、財産や土地の増大をも司る。その絶大な現世利益から、[[サーサーン朝]]ペルシアの時代には極めて篤く崇拝された。
ゾロアスター教神学では中級神[[ヤザタ]]に分類される。また、全てを潤し命を育む水の特性から、家畜の生殖・作物の豊穣の神ともされ、財産や土地の増大をも司る。その絶大な現世利益から、[[サーサーン朝]]ペルシアの時代には極めて篤く崇拝された。


また、後に[[ギリシャ]]でも崇められるようになり、[[ギリシャ語]]で'''アナイティス''' ('''’Αναϊ^τις''') と呼ばれる。また、[[リュディア]]では[[キュベレ]]や[[アルテミス]]と同一視された。
また、後に[[ギリシャ]]でも崇められるようになり、[[ギリシャ語]]で'''アナイティス''''''’Αναϊ^τις'''と呼ばれる。また、[[リュディア]]では[[キュベレ]]や[[アルテミス]]と同一視された。


==関連項目==
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*[[サラスヴァティー]]
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2009年1月10日 (土) 07:41時点における版

アナーヒターAnāhitā)は、ゾロアスター教において崇拝される女神。 アナーヒターはアヴェスター語形で、パフラヴィー語ではアナーヒトAnāhit)といい、いずれも「清浄」を意味する。

力強い色白の腕を持ち、四角い黄金の耳飾と星をちりばめた金の頭飾で身を飾り、帯を高く締めた美しい乙女の姿をしているという。

本来は川や水を司る水神で、ハラフワティー・アルドウィー・スーラーHarahvatī Arədvī Sūrā)すなわち「水を持つ者、湿潤にして力強き者」と呼ばれていた。このハラフワティーという名から、同じく川の女神であるインド神話サラスヴァティーと同起源と考えられている。

ゾロアスター教神学では中級神ヤザタに分類される。また、全てを潤し命を育む水の特性から、家畜の生殖・作物の豊穣の神ともされ、財産や土地の増大をも司る。その絶大な現世利益から、サーサーン朝ペルシアの時代には極めて篤く崇拝された。

また、後にギリシャでも崇められるようになり、ギリシャ語アナイティス’Αναϊ^τις)と呼ばれる。また、リュディアではキュベレアルテミスと同一視された。

関連項目