森本宏

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森本 宏(もりもと ひろし)は、日本検察官法務官僚内閣官房副長官秘書官東京地方検察庁特捜部長、東京地方検察庁次席検事等を経て、最高検察庁刑事部長。

来歴・人物[編集]

岐阜県下呂市出身。岐阜県立益田高等学校名古屋大学法学部卒業。弁護士志望だったが高校の先輩にあたる熊﨑勝彦最高検察庁公安部長の勧めで1992年検察官任官。国会答弁等を行う通称「赤レンガ組」の法務官僚としての評価と、現場派の検事としての評価の両方が高い異色の検察官とされる[1][2][3]。仕事の「パンチ力」と髪型から「パンチ森本」と渾名される[4]

内閣官房副長官秘書官法務省刑事局参事官文化庁文化審議会著作権分科会法制問題小委員会委員等を歴任する一方、東京地検特捜部に5回在籍して、福島県知事汚職事件村上ファンド事件等の捜査を担当。村上世彰の取り調べにもあたった。1998年静岡地方検察庁検事。1999年東京地方検察庁検事兼法務省刑事局付。2001年東京地方検察庁検事、法務省大臣官房秘書課付。2005年東京地方検察庁検事、法務省大臣官房付、法務省大臣官房秘書課付。同年東京地方検察庁検事。2008年東京地方検察庁検事、法務省刑事局付兼法務省刑事局参事官。2009年7月から法務省大臣官房参事官兼法務省刑事局総務課企画調査室長、2011年4月から東京地検検事。その後東京地検特捜副部長として猪瀬直樹東京都知事が関与した徳洲会事件選挙違反事件等を担当[4][5][6]

2013年東京高等検察庁検事兼東京地検検事。2015年1月東京高等検察庁検事、法務省刑事局刑事課長に就任[7]。2015年10月東京高等検察庁検事、法務省刑事局総務課[8]。2017年1月東京地検総務部長[9]。2017年9月東京地検特捜部長に就任。就任会見で「捜査手法は変化しているが、新しい時代に対応できるよう取り組んでいく」と述べた抱負通り[10]、2018年に新たに導入された司法取引を活用するなどし[11]、特捜部長時代にはリニア中央新幹線談合事件スーパーコンピューター助成金詐欺事件文部科学省汚職事件カルロス・ゴーン事件IR汚職事件など多くの事件を指揮した[11]。2020年7月津地方検察庁検事正。2021年7月東京地方検察庁次席検事。2023年7月最高検察庁刑事部[12]

妻は検察官の森本加奈内閣府独立公文書管理監。

脚注[編集]

先代
吉田安志
東京地方検察庁特捜部長
2017年 - 2020年
次代
新河隆志
先代
山元裕史
東京地方検察庁次席検事
2021年 - 2023年
次代
新河隆志