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岡部史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

岡部 史(おかべ ふみ、1951年[1] - )は、日本の翻訳家食文化研究者、児童文学作家歌人塔短歌会所属。

略歴

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山形県小国町出身[2]

米沢興譲館高等学校を受験、入学するが、父の転勤により東京に移り、一年の二学期より都立雪谷高校へ編入学[2]1974年日本女子大学文学部史学科卒業。

横浜市役所に10年間勤務後[2]、夫の渡米に伴いアメリカノースカロライナ大学で学ぶ[3]

1983年、塔短歌会入会。

帰国後は児童文学の翻訳に携わり、児童文学を中心に好きな本を翻訳。1989年に初の訳書『はだしのバレリーナ』(ポプラ社)を刊行。

1993年、翻訳作品『魔女図鑑』(マルカム・バード著)が、剣淵町絵本の館が主催する第3回剣淵絵本の里大賞を受賞[4]。『魔女図鑑』は英国のマルカム・バードが作・絵を手掛け、ちょっと意地悪でおしゃれな魔女の暮らしや趣味、ファッションを面白おかしくつづったもので、1992年に出版され、累計20万部を発行した。岡部が翻訳する作品には女の子の主人公が多く「米国で暮らし、日本の女性は活躍する場が限られていると感じた。女の子があこがれるような話を紹介し、物語を通して女性を応援したかった」と振り返っている。

1999年、「星の界・砂の界」で第45回角川短歌賞候補[5]。2000年「高原を吹く風」で第46回角川短歌賞候補[5]

2009年3月、河野裕子の歌をきっかけに受診したところ、子宮体癌と判明[6]。2016年2月、闘病歌日記『ニつぶ重いやまひだれ』を発表した[7]。これは短歌とエッセイを組み合わせた形式の歌日記である。

リンパ節の除去も必要だったことから術後にリンパ浮腫を発症し、手術を受ける。これらの経緯は朝日新聞「患者を生きる」に6回にわたり連載される。「短歌のはげまし」という副題にみられるように、生活・写実を主とする短文である短歌は闘病時の思いを端的に表現でき、病者の心のよりどころになることを述べている[6]

著書

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単著

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  • 『マユのお姫様修行』(ポプラ社) 1990
  • 『17文字はときめきパズル』(ポプラ社) 1990
  • 『古きよきアメリカンスイーツ』(平凡社新書) 2004
  • 『お菓子のうた』(ブイツーソリューション) 2012
  • 『ニつぶ重いやまひだれ』(青磁社) 2015
  • 『郷土菓子のうた - 甘味の地域文化誌』(ブイツーソリューション) 2017
  • 『砂糖をめぐる旅 白い狂気を追って』(ブイツーソリューション) 2022

歌集

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  • 『コットンドリーム』(雁書房) 1988
  • 『宇宙卵』(筑波書房) 1991
  • 『韃靼の羊』(砂子屋書房) 2002
  • 『海の琥珀』(短歌研究社) 2022

その他著書多数

翻訳

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  • 『はだしのバレリーナ』(ドウールーリ原作、ポプラ社) 1989
  • 『魔女図鑑』(マルカム・バート原作、金の星社) 1992
  • 『どうぶつがいっぱい』(レスター原作、カワイ出版) 1995
  • 『ポコリンのふしぎなドア』(ジェニングス原作、カワイ出版) 1997
  • 『くつのおうち』(マクリーン原作、カワイ出版) 1995
  • 『まふぇっとさんのおみせ』(マクリーン原作、カワイ出版) 1995
  • 『かぼちゃのおうち』(マクリーン原作、カワイ出版) 1996
  • 『むらのゆうびんきょく』(マクリーン原作、カワイ出版) 1996
  • 『なしのきのうえん』(マクリーン原作、カワイ出版) 1996
  • 『きょうりゅうくんだあいすき』(ステイックランド原作、カワイ出版) 2001
  • オペラ座の怪人』(ガストン・ルルー原作、K・マクマラン著、金の星社)2005、のちフォア文庫 2010

出典

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  1. ^ 「歌壇名簿」『短歌研究』2014年12月号(2015短歌年鑑)、短歌研究社、2014年
  2. ^ a b c 分野多彩、尽きぬ意欲 人気絵本「魔女図鑑」翻訳、岡部史さん(小国出身)”. やまがたニュースオンライン. 2022年5月19日閲覧。
  3. ^ オペラ座の怪人”. 紀伊國屋書店. 2024年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月24日閲覧。
  4. ^ 剣淵絵本の里大賞受賞者一覧”. 2016年2月27日閲覧。
  5. ^ a b 海の琥珀―岡部史歌集”. 紀伊國屋書店. 2024年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月24日閲覧。
  6. ^ a b 石川雅彦 (2016年2月15日). “がん 短歌のはげまし”. 朝日新聞 (朝日新聞社). http://digital.asahi.com/articles/SDI201602149050.html 
  7. ^ 石川雅彦 (2016年2月12日). “(患者を生きる:2988)がん 短歌のはげまし:4 いつか、だれか救う歌に”. 朝日新聞 (朝日新聞社). http://www.asahi.com/articles/DA3S12206056.html 

参考文献

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  • 『塔事典』(塔短歌会) 2014

関連項目

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外部リンク

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