尾上兼英
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尾上 兼英(おのえ かねひで、1927年(昭和2年)4月 - 2017年(平成29年)5月11日[1])は、日本の中国文学者、近代文学を専攻。
岡山県津山[1]の渡辺家に生まれ、尾上柴舟の養嗣子となる。1952年東京大学文学部中国文学科卒。1957年大学院(旧制)修了、東大文学部助手、1961年北海道大学文学部助教授、1968年東大文学部助教授併任、1971年東京大学東洋文化研究所教授、1984年同所長。東大評議員を務め1988年に定年退官、名誉教授、神奈川大学教授在職中は、学生の短期語学留学を引率した[2][3]。1999年退職。
肺炎のため2005年5月11日に死去、90歳[1]。同年秋、瑞宝中綬章を受勲[4]。
著書
[編集]共著
監修
[編集]漢字の成り立ちを小学生向けに監修した『旺文社小学漢字新辞典 改訂版』では、「櫻」の解説[7]を次のように述べた。
「なりたち/形声」「旧字体は櫻。いみをしめす木と、音をしめす嬰(エイ→オウ。小さい)を合わせた字。小さい実(さくらんぼ)のなる木のいみ。—[6]
- 旺文社 編『中学漢字に強くなる辞典』旺文社、1978
- 『旺文社小学漢字新辞典 改訂版』旺文社、1985
- 1997年改版。
- 『小学漢字新辞典』旺文社、1987
- 川嶋優 編『小学生のための漢字をおぼえる辞典』旺文社、1990
- 2001年改版。2011年改版、五味太郎 絵。
- 旺文社 編『旺文社小学漢字新辞典』旺文社、1991
- 2001年、2002年、2010年改版。
翻訳
[編集]論文
[編集]- 「屈原」『中国の名著 : 倉石博士還暦記念』東京大学文学部中国文学研究室 編、勁草書房、1961[8]
- 「魯迅(1881-1936)」『中国の思想家 : 宇野哲人博士米寿記念論集』下巻、東京大学文学部中国哲学研究室 編、東京 : 勁草書房、1963[9]
- 「魯迅の目にうつった一日本人: 本多静六(作家をとおして〈特集〉アジアの中の日本-文学的側面)」『日本文学』日本文学協会、1962[10]
- 「明代白話小説ノート : 短編小説・「三言」(1)」『東洋文化研究所紀要』東京大学東洋文化研究所、1967-11[11]
- 「庶民文化の誕生」『中世 第3 内陸アジア世界の展開 第1』〈岩波講座世界歴史 第9〉岩波書店、1970[12]
- 「東南アジア華人社会における演芸」『東洋文化研究所紀要』東京大学東洋文化研究所、1978-03[13]
- 「東南アジア華人社会の伝統芸能 : 農暦七・八・九月の祭祀と地方劇」『東洋文化研究所紀要』東京大学東洋文化研究所、1980-03[14]
- 「東南アジア華人社会の伝統芸能 : 農暦七・八・九月の祭祀と地方劇」『東洋文化研究所紀要』東京大学東洋文化研究所、1981-02[15]
- 「明代白話小説ノート : 短篇小説・『三言』(2-1)」『東洋文化研究所紀要』東京大学東洋文化研究所、1981-11[16]
- 「(2-1) 清代の会館演劇について」『アジアの社会と文化』東京大学東洋文化研究所 編、東京大学出版会、1982[17]
- 「田仲一成著『中国祭祀演劇研究』」『中哲文学会報』東大中哲文学会、1983-06[18]
- 「東南アジア華人社会の伝統芸能 : 農暦7・8・9月の祭祀と地方劇〔含 資料〕」『東洋文化研究所紀要』東京大学東洋文化研究所、1988-03[19]
- 「中国語学短期留学の報告-引率教員の目から-」『NEWS LETTER』神奈川大学外国語研究センター、1991-03[2]
- 「中国語学短期留学の報告-引率教員の目から-」『NEWS LETTER』神奈川大学外国語研究センター、1991-03[3]
- 「序」『中国民衆史への視座 : 神奈川大学中国語学科創設十周年記念論集』神奈川大学中国語学科 編、東方書店〈新シノロジー ; 歴史篇〉、1998[20]
- 「私と中国研究 : 中国・魯迅との出会い」(〈特集1〉日・中関係100年を問う~二十一世紀を見据えて : 中国語学科創設十周年(1997年)記念シンポジウム)『人文研究 : 神奈川大学人文学会誌』神奈川大学、2003-06-01[21]
参考文献
[編集]- 「尾上兼英教授 略歴等」『人文研究』通号 135号、1999-02[22]
脚注
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “【おくやみ】 尾上兼英氏 東大名誉教授”. www.tokyo-np.co.jp. 東京新聞 (2017年5月15日). 2017年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月14日閲覧。 “(前略)11日、肺炎のため死去、90歳。岡山県津山市出身。通夜は14日午後6時から、告別式は15日午前11時から東京都文京区向丘1の9の28、一音寺で。(後略)”。
- ^ a b 第08巻、01-01頁、CRID : 1050282677547316992。
- ^ a b 第8巻、1-1頁、CRID : 1572824502656821632。
- ^ “平成17年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 5 (2005年11月3日). 2006年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月21日閲覧。。
- ^ 「桜」『旺文社小学漢字新辞典』尾上兼英 監修(改訂版)、旺文社、1985年、504頁。。
- ^ a b 宮城県図書館. “「さくら」の漢字は旧字体では「櫻」と書く。なぜ木偏に貝二つ,女で「櫻」となったのか,成り立ちを知りたい。”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館. 2023年5月14日閲覧。。
- ^ 尾上兼英 監修『旺文社小学漢字新辞典 改訂版』[5][6]
- ^ 全国書誌番号:61010460、doi:10.11501/2936877、359頁-(コマ番号0187.jp2-) 、国立国会図書館/図書館・個人送信限定。
- ^ 819-832頁、doi:10.11501/2970838、国立国会図書館内/図書館・個人送信。
- ^ 第11巻第2号、113-116頁、ISSN 0386-9903、CRID : 1390001205774055680、doi:10.20620/nihonbungaku.11.2_113。
- ^ 第44巻、1-68頁、ISSN 0563-8089、CRID : 1390853649554574848、doi:10.15083/00027349。
- ^ 全国書誌番号:73015977、doi:10.11501/12182930、国立国会図書館オンライン、館内で閲覧または遠隔複写サービス対象。公共図書館蔵書。
- ^ 第75巻、1-39頁、ISSN 0563-8089、CRID : 1390009224624441472、doi:10.15083/00027300。
- ^ 第82巻、1-44頁、ISSN 0563-8089、CRID : 1390572174577829760、doi:10.15083/00027289。
- ^ 第83巻、1-52頁、ISSN 0563-8089、CRID : 1390572174577828864、doi:10.15083/00027287。
- ^ 第86巻、367-402頁、ISSN 0563-8089、CRID : 1390009224624416384、doi:10.15083/00027283。
- ^ NCID BN01186679。全国書誌番号:82043521、国立国会図書館オンライン 公共図書館蔵書
- ^ 第8号、151-158頁、ISSN 0289-0801、全国書誌番号:00026958、doi:10.11501/2210752、国立国会図書館デジタルコレクション、国立国会図書館/図書館送信参加館・個人送信限定。
- ^ 第106巻、1-34頁、ISSN 0563-8089、CRID : 1390572174577805696、doi:10.15083/00027198。
- ^ 1-2頁、全国書誌番号:99000540、国立国会図書館オンライン。ISBN 4-497-98543-1、公共図書館蔵書。
- ^ 第149巻、29-36頁、CRID : 1050001202568219904。
- ^ 神奈川大学人文学会 編「尾上兼英教授 略歴等」『人文研究』通号135号〈尾上兼英・小島晋治・松本昭教授退職記念号〉、横浜:神奈川大学人文学会、1999-02。ISSN 0287-7074。掲載誌別題『Studies in humanities』、巻頭1頁。