コンテンツにスキップ

吉岡平

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
吉岡 平
誕生 (1960-07-16) 1960年7月16日
日本の旗 日本岡山県笠岡市
死没 (2023-01-13) 2023年1月13日(62歳没)
職業 小説家
言語 日本語
最終学歴 岡山県立笠岡高等学校卒業
早稲田大学第二文学部中退
活動期間 1984年 - 2023年
ジャンル ライトノベル
代表作宇宙一の無責任男』シリーズ
デビュー作 『ハチャメチャ痛快学園活劇 コータローまかりとおる』
テンプレートを表示

吉岡 平(よしおか ひとし、1960年7月16日 - 2023年1月13日)は、日本の小説家岡山県笠岡市出身。

来歴

[編集]

岡山県立笠岡高等学校卒業、早稲田大学第二文学部中退。早稲田大学漫画研究会出身。在学中より編集プロダクションスタジオ・ハードで学生バイト、フリーライター経験。1982年 秋田書店マイアニメ11月号 別冊付録 アニメ資料館『魔境伝説アクロバンチ』等を担当した。それらの縁により1984年劇場版『コータローまかりとおる!』のノベライズ『ハチャメチャ痛快学園活劇 コータローまかりとおる』(講談社X文庫)で作家デビュー。その後、X文庫にて『ターミネーター』『スパルタンX』などの映画ノベライズを執筆。

しばしば作中の台詞ないし地の文で軍事・写真・特撮・アニメなどに関する蘊蓄を披瀝する。ただ、それらの薀蓄は必ずしも正しいものとは限らず、『突入! 痛戦車小隊』の後書きで展開した陸上自衛隊TK-X(新戦車)に関する発言は、ほぼ全てが事実誤認に基くものとされる。

さまざまな分野の作品を発表し、多作家であると同時に執筆が迅速であり、一時は毎月新刊を出すことから「月刊吉岡」と呼ばれていた。

「北海の堕天使」「凍てる波涛」など、少数ながら架空戦記も手がけており、徳間書店の『奇想艦隊』では、架空戦記界の大艦巨砲主義者と称して横山信義戦艦をテーマに対談を行っている。また、横山信義の作品『八八艦隊物語』においては、高速雷撃艇「瀑竜」の名付け親にもなっている[1]

吉岡は史実では活躍の機会を得ずに終わった兵器を偏愛し、特に「俺が好きになってやらなきゃ誰も好きにならない」ようなマイナー兵器・欠陥兵器(ボールトンポール デファイアント が代表例)ほどその傾向が強い。『宇宙一の無責任男』シリーズに登場する艦艇の名前は大日本帝国海軍を始めとする各国海軍の命名法を踏襲しつつ、実際には建造されたことのない艦名を主に使用している。同作で「信濃」という宇宙戦艦を登場させたことに関して、後書きで「建造されなかったようなもんですからねえ」などと語った。代表作となった『宇宙一の無責任男』シリーズはアニメ化もされ、『無責任艦長タイラー』となって朝日新聞出版とエンターブレインから再刊行されている。

『宇宙一の無責任男』シリーズの第2巻「明治一代無責任男」は、主人公のタイラー達がタイムワープの影響で明治時代(日清戦争時)の日本にタイムスリップするストーリーであるが、この作品にはマコト・ヤマモトの直接の先祖として山本権兵衛が、他に東郷平八郎森鴎外谷干城等が登場する。また、森田思軒も登場しており、これについては、後書きで「同郷ということもあって登場させた」という旨のコメントをしている。

また、『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイから取った林明美名義でアイドル評論も手がける。

2023年1月13日に死去[2][3]。62歳没。

2001年時点で日本SF作家クラブ会員だったが[4]、2024年10月時点では物故者名簿に名前がない。

主な作品

[編集]

小説

[編集]

出版社50音順。

(アンソロジー『宇宙からの帰還』収録)

その他

[編集]

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ 八八艦隊物語』第5巻後書きより
  2. ^ 朝倉薫演劇団 主宰 朝倉薫 (2023年2月26日). “お知らせ”. 朝倉薫演劇団公式ホームページ. 2023年2月26日閲覧。 “作家、吉岡平氏が2023年1月13日、ご逝去されました。 ここに哀悼の意を表すると共に、謹んでご冥福をお祈りいたします。”
  3. ^ “作家の吉岡平さん死去 62歳、「無責任艦長タイラー」原作”. 朝日新聞デジタル. (2023年2月26日). https://www.asahi.com/articles/ASR2V641KR2VUCVL00N.html 2023年2月26日閲覧。 
  4. ^ 『SF入門』(早川書房)巻末名簿

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]