コンテンツにスキップ

三川基好

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

三川 基好(みかわ きよし、1950年8月13日 - 2007年10月9日)は、日本の英語学者、翻訳家早稲田大学文学部教授。専攻は英語史辞書史。

日本言語学会早稲田大学英文学会早稲田大学英語学会日本推理作家協会各会員。

生涯

[編集]

東京都出身。後年、岩手県盛岡市在住。早稲田大学文学部英文学科卒、早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。

就実女子大学文学部講師、早稲田大学文学部助教授を経て、教授。2000年、ジョナサン・グリーン『辞書の世界史』で日本翻訳出版文化賞受賞。

中学・高校の同級生の田口俊樹の紹介で翻訳家に。英米文学ミステリー小説の翻訳を数多く手がけた。ジム・トンプスン作品の翻訳でしられ、また、ワセダミステリクラブ会長(顧問)もつとめた。

2007年10月9日、食道癌のため死去[1]。57歳没。

翻訳

[編集]
  • 『ハリーの探偵日記』(アラン・ペドラザス、ハヤカワ・ミステリ) 1997
  • 『誰の罪でもなく - 私立探偵ジョー・シックススミス』(レジナルド・ヒル、ハヤカワ・ミステリ) 1997
  • 『脅える暗殺者』(ジョー・ゴアズ扶桑社ミステリー) 1997
  • 『誰もがそれを狙ってる』(マイクル・ストーン、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1998
  • ポーをめぐる殺人』(ウィリアム・ヒョーツバーグ、扶桑社ミステリー) 1998
  • 『辞書の世界史』(ジョナサン・グリーン、朝日新聞社) 1999
  • 『逃げるが勝ち』(フィリップ・リード、ハヤカワ・ミステリ) 1999
  • 『輝ける日々へ』(テレンス・ファハティ、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1999
  • 『キル・ミー・アゲイン』(テレンス・ファハティ、早川書房、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2000
  • 『ウェットワーク』(フィリップ・ナットマン、文春文庫) 2000
  • 『ハドリアヌスの長城』(ロバート・ドレイパー、文春文庫) 2000
  • 『中世の家族 パストン家書簡で読む乱世イギリスの暮らし』(フランシス&ジョゼフ・ギース、朝日新聞社) 2001、のち改題『中世ヨーロッパの家族』(講談社学術文庫
  • ウォールストリート投資銀行残酷日記 サルになれなかった僕たち』(ジョン・ロルフ, ピーター・トゥルーブ、主婦の友社) 2001、のち改題『サルになれなかった僕たち』 2007
  • 『夜明けの挽歌』(レナード・チャン、アーティストハウス) 2002
  • 『悦楽者たちの館』(ジョン・ウォーレン、扶桑社ミステリー) 2003
  • 『アンダーキル』 (レナード・チャン、アーティストハウス、Book plus) 2003
  • 『黒衣のダリア』(マックス・アラン・コリンズ、文春文庫) 2003
  • 『ペイパーバック・ライター』(ウィリアム・ロード、アーティストハウスパブリシャーズ) 2003
  • ゼロ時間へ』(アガサ・クリスティーハヤカワ文庫クリスティー文庫) 2004
  • 『英語の冒険』(メルヴィン・ブラッグ、アーティストハウスパブリッシャーズ) 2004、のち講談社学術文庫
  • 『死体が語る真実 9・11からバラバラ殺人まで衝撃の現場報告』(エミリー・クレイグ、文春文庫) 2005
  • 『9.11 生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言』(ジム・ドワイヤー, ケヴィン・フリン、文藝春秋) 2005
  • 『カジノを罠にかけろ』(ジェイムズ・スウェイン、文春文庫) 2005
  • 『ファニーマネー』(ジェイムズ・スウェイン、文春文庫) 2006
  • 『ダーティ・サリー』(マイケル・サイモン、文春文庫) 2006
  • 『ピンクパンサー』(マックス・アラン・コリンズ、文春文庫) 2006
  • 『コーデックス』(レヴ・グロスマン、ソニー・マガジンズ) 2006
  • 『キラー・イン・ザ・レイン』(レイモンド・チャンドラー小鷹信光他共訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、チャンドラー短篇全集1) 2007
  • 『狂犬は眠らない』(ジェイムズ・グレイディ、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2007
  • 『トライ・ザ・ガール』(レイモンド・チャンドラー、木村二郎他共訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、チャンドラー短篇全集2) 2007
  • 『曲芸師のハンドブック』(クレイグ・クレヴェンジャー、ヴィレッジブックス) 2008

G・M・フォード

[編集]
  • 『手負いの森』(G・M・フォード、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1997
  • 『憤怒』(G・M・フォード、新潮文庫) 2003
  • 『黒い河』(G・M・フォード、新潮文庫) 2004
  • 『白骨』(G・M・フォード、新潮文庫) 2005
  • 『毒魔』(G・M・フォード、新潮文庫) 2007

ジョン・ダニング

[編集]
  • 『名もなき墓標』(ジョン・ダニング、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1999
  • 『ジンジャー・ノースの影』(ジョン・ダニング、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2000
  • 『深夜特別放送』上・下(ジョン・ダニング、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2001

ジム・トンプスン

[編集]
  • 『残酷な夜』(ジム・トンプスン、扶桑社) 2000、のち扶桑社ミステリー
  • 『ポップ1280』(ジム・トンプスン、扶桑社) 2000、のち扶桑社ミステリー
  • 『アフター・ダーク』(ジム・トンプスン、扶桑社) 2001
  • 『死ぬほどいい女』(ジム・トンプスン、扶桑社) 2002
  • 『深夜のベルボーイ』(ジム・トンプスン、扶桑社) 2003
  • 『取るに足りない殺人』(ジム・トンプスン、扶桑社) 2003
  • 『おれの中の殺し屋』(ジム・トンプスン、扶桑社ミステリー) 2005
  • 『失われた男』(ジム・トンプスン、扶桑社ミステリー) 2006
  • 『荒涼の町』(ジム・トンプスン、扶桑社ミステリー) 2007
  • 『この世界、そして花火』(ジム・トンプスン、扶桑社ミステリー) 2009

エリオット・パティスン

[編集]
  • 『頭蓋骨のマントラ』上・下(エリオット・パティスン、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2001
  • 『シルクロードの鬼神』上・下(エリオット・パティスン、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2002
  • 『霊峰の血』上・下(エリオット・パティスン、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2004

チャールズ・M・シュルツ

[編集]
  • 『スヌーピーはふつうの犬じゃない』(チャールズ・M・シュルツ集英社) 1998
  • チャーリー・ブラウン たんなるマヌケじゃない チャーリー・ブラウン大百科』(チャールズ・M・シュルツ、集英社) 1999
  • 『バレンタインデーよ、バブーちゃん!』(チャールズ・M・シュルツ、集英社) 1999
  • 『スヌーピーの50年 世界中が愛したコミック『ピーナッツ』』(チャールズ・M・シュルツ、朝日新聞社) 2001、のち朝日文庫
  • 『スヌーピーが先生! 英語で話そう。』(チャールズ・M・シュルツ(コミック)、ジェームス・M・バーダマン、編著、朝日新聞社) 2004

脚注

[編集]
  1. ^ 三川基好氏死去 早稲田大教授 47news 2007年10月11日

外部リンク

[編集]