テオ・ヤンセン (彫刻家)
テオ・ヤンセン Theo Jansen | |
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2007年のヤンセン | |
生誕 | 1948年3月17日(76歳) |
国籍 | オランダ |
著名な実績 | 造形芸術 |
代表作 | ストランドビースト |
運動・動向 | キネティック・アート |
公式サイト |
www |
テオ・ヤンセン(オランダ語: Theo Jansen 1948年3月17日 - )はオランダの彫刻家(キネティック・アーティスト)。
経歴
[編集]1948年3月17日、オランダのデン・ハーグ、スヘフェニンゲンで生まれる。1968年からデルフト工科大学で物理学を学び、1974年に学位なしで卒業した[1]。1975年に画家に転向する。1990年、風力で動作するストランドビースト[注釈 1]の制作を開始。アートと科学が融合した多くの芸術作品を生み出している[2][3]。2009年にはアジア初の作品展示「テオ・ヤンセン展」が日比谷パティオで開催され、以降、日本では日本科学未来館[4]など各地で作品展が開催されている。
ストランドビースト
[編集]ストランドビーストは、プラスチックチューブで構成され、風力によって生物のような歩行をする造形作品。一脚を構成する各チューブの長さの比率は、「ホーリーナンバー」と呼ばれる13の数字で示される。プラスチックチューブの各部品を細胞(セル)と呼び、ストランドビーストを構成する基本単位としている。作品の変遷を生物の進化に模している[5]。
作品の変遷
[編集]ストランドビーストの一覧
期 | 時代 | 年代 | ストランドビースト |
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前グルトン期 | グルトン期以前 | 1986-1989 |
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グルトン期 | テープの時代 | 1990-1991 | アニマリス・ヴァルガリス |
コルダ期 | ひもの時代 | 1991-1993 |
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カリダム期 | 熱の時代 | 1993-1994 |
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タピディーム期 | 熱が和らいだ時代 | 1994-1997 |
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リグナタム期 | 木材の時代 | 1997-2001 |
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ヴァポラム期 | 蒸気の時代 | 2001-2006 |
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セレブナム期 | 脳の時代 | 2006-2008 |
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スイシディーム期 | 自己破壊の時代 | 2009-2011 |
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アスペルソリウム期 | 尾を振る時代 | 2012-2013 |
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アウルム期 | 微風の時代 | 2013-2015 |
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ブルハム期 | キャタピラの時代 | 2016-2019 |
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フランタム期 | 空を飛ぶ時代 | 2020-2021 |
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フィルム期 | 紐でつながる時代 | 2021- |
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リニアメンタム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヴェルミキュラス・アルトラメンタム | クアドラプス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヴァルガリス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
デルバ | カレンス・ヴァルガリス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スペキュレーター | アリーナ・マレウス | カレンス・ヴェントーサ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サブローサ・キューティス | サブローサ・アドレセンス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ニューマ | フィリウム | リジデ・アンコーラ | プロパガーレ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
グリロサルパ | スピラリス | ヘルバ | リジデ・プロペランス | ジェネティクス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジェネティクス・オンジューラ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リノセロス・タブライ | リノセロス・ヴァルガリス | リノセロス・トランスポルト | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リノセロス・リグナタス | スピッサ・カルタ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ルゴサス・オンジューラ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヴァポリス | ルゴサス・ペリストハルティス | カレンス・ヴァポリス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヴェルミキュラス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ペルシピエーレ・プリムス | ペルシピエーレ・セカンダス | ペルシピエーレ・エクセルサス | ペルシピエーレ・レクタス | オルディス | サーコデンティス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
モデュラリウス | ロンガス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
グベルナーレ | シアメシス | ユメラス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アデュラリ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロティヌス | プラウデンス・ヴェーラ | オルディス・カルチアメント | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サスペンディッセ | アポディアキュラ | プロボスキス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
デュアバス・コーディス | オルディス・トゥルゼンティア | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ルゴサス・セグンダス | オムニア・セグンダ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ブルハス・プリムス | ブルハス・セグンダス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ブルハス・フィルム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ウミナミ | ムルス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ミミクラエ | シリウス・セグンダス | シリウス・プリムス | カリプス・プリムス | カリプス・セカンダス | カリプス・テルティウス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アデル | アデル・マテル | ムルティ・トリポデス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
マテル・エクステンザ | レックス | スクイーラ | スピナリス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1990年以前、コンピューター上を動く人工生命の実験をする。1990年から1997年まで、チューブを粘着テープで接合したビーストの制作に始まり、風力を活動のエネルギーとする作品を制作。1997年から2001年、木材を素材とした巨大なビーストを制作。2001年から2006年、活動のエネルギーであった風力が、ペットボトルに風を貯めた圧縮空気に変わる。2006年から2014年まで、プラスチックチューブと弁を組み合わせた部品のストランドビーストを制作[6]。2015年に塩ビ管、タイラップ、ロープ、2016年には塩ビ管、帆布を組み合わせて制作。2017年にプラスチックチューブ、2018年にはPVCチューブ、プラスチック、キャンバスを使用。2019年は塩ビ管、タイラップ、テープ、ロープを使用してビーストを制作した[7]。
繁殖
[編集]ストランドビーストは無料で公開されている設計図や原理を見られることで人間が「ウイルス」に感染し、複製されたり新たなビーストが作られたりすることによって増殖する。これは、ミームと同じような仕組みではないかとヤンセンは言う[8]。
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ホーリーナンバー
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ストランドビーストの動き
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ストランドビーストの歩行
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ オランダ語で、砂浜を意味する”Strand”と生命体を意味する”Beest”の2語を繋げた造語。「ビーチアニマル」とも言われる。
出典
[編集]- ^ Frazier, Ian (2011年8月29日). “The March of the Strandbeests” (英語). The New Yorker 2021年2月9日閲覧。
- ^ 大人の科学マガジン編集部 2011, p. 28.
- ^ “PROFILE”. Theo Jansen Japan. Media Force. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “企画展『「テオ・ヤンセン展~生命の創造~」物理と芸術が生み出した新しい可能性』”. 日本科学未来館. 2019年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月9日閲覧。
- ^ 大人の科学マガジン編集部 2011, p. 12.
- ^ 大人の科学マガジン編集部 2011, pp. 18–27.
- ^ “Genealogy” (英語). STRANDBEEST. 2020年6月7日閲覧。
- ^ Maiko Imaoka, Yousuke Morimoto (2020年8月15日). “人類がいなくなったあとも、人工生命が生き延びるために──テオ・ヤンセンと池上高志が語る人工生命の自我”. WIRED.jp. 2024年7月3日閲覧。
参考文献
[編集]- 大人の科学マガジン編集部 編『大人の科学マガジン』 Vol.30(テオ・ヤンセンのミニビースト)(第1刷)、学研教育出版、2011年1月24日。ISBN 978-4-05-606168-0。
- 「art news 風を食べて生きてます テオ・ヤンセンのビーチアニマル」『芸術新潮』第62巻第2号、2011年2月、100-103頁、国立国会図書館書誌ID:10980797。
外部リンク
[編集]- strandbeest.com - 公式ウェブサイト
- Theo Jansen (theojansenoffical) - Facebook
- Theo Jansen, Strandbeest (@theojansen_official) - Instagram
- Theo Jansen - YouTubeチャンネル
- Theo Jansen - IMDb
- テオ・ヤンセン日本公式サイト