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ジメチルアミノエタノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジメチルアミノエタノール
Skeletal formula of dimethylethanolamine
Ball-and-stick model of the dimethylethanolamine molecule{{{画像alt1}}}
識別情報
略称 DMAE, DMEA
CAS登録番号 108-01-0 チェック
PubChem 7902
ChemSpider 13854944 ×
UNII 2N6K9DRA24 チェック
EC番号 203-542-8
国連/北米番号 2051
KEGG D07777 ×
MeSH Deanol
ChEBI
ChEMBL CHEMBL1135 ×
RTECS番号 KK6125000
バイルシュタイン 1209235
特性
化学式 C4H11NO
モル質量 89.14 g mol−1
外観 無色~淡黄色の液体
匂い 魚臭、アンモニア臭
密度 890 mg mL−1
融点

−59.00 °C

沸点

134.1 °C

log POW −0.25
蒸気圧 816 Pa (at 20 °C)
酸解離定数 pKa 9.23 (at 20 °C)[1]
塩基解離定数 pKb 4.77 (at 20 °C)
屈折率 (nD) 1.4294
危険性
GHSピクトグラム 可燃性 腐食性物質 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H226, H302, H312, H314, H332
Pフレーズ P280, P305+351+338, P310
引火点 39 °C (102 °F; 312 K)
爆発限界 1.4 – 12.2%
半数致死量 LD50
  • 1.214 g/kg (皮膚, ウサギ)
  • 2 g/kg (経口, ラット)
関連する物質
関連するアルカノール
関連物質 ジエチルヒドロキシルアミン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジメチルアミノエタノール (dimethylaminoethanol) は有機化合物で、アミンの一種である。よくDMAEと省略され、別名はデアノール。生体ではコリンの類縁体で、アセチルコリン前駆体である[2]。抗炎症作用と急性の皮膚引き締め作用から化粧品に配合されることもあるが[2]、有効性を調査した研究は多くない[3]

工業材料や添加剤として用いられる。消防法に定める第4類危険物 第2石油類[4]

別名

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別名として N,N-ジメチル-2-アミノエタノール (N,N-dimethyl-2-aminoethanol)、ジメチルエタノールアミン (Dimethylethanolamine、略称DMEA)、N,N-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアミン (N,N-Dimethyl-2-hydroxyethylamine)、β-ジメチルアミノエチルアルコール (beta-dimethylaminoethyl alcohol)、β-ヒドロキシエチルジメチルアミン (beta-hydroxyethyldimethylamine)、デアノール (deanol) とも呼ばれる。

用途

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分布

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自然界ではイワシアンチョビといった魚類に多く含まれている。

生化学

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ジメチルアミノエタノールはコリンの類縁体であり、神経伝達物質であるアセチルコリンの生化学的前駆体である[2]。ジメチルアミノエタノールは肝臓でコリンに変換されることが既に知られているが、正に帯電しているコリン分子は血液脳関門を通過できない。そのため、脳内ではジメチルアミノエタノールのメチル化によってコリンが合成されていると考えられている。

認知機能や気分を向上させるとされる製品に使用されている[5]。研究は多くない。認知や気分に対して、良い方向へ作用する例と悪い方向へ作用する例の両方が報告されている。長期投与の効果はよくわかっていない。

動物実験では寿命が延びたとの報告もあるが、逆にウズラでは平均寿命が縮むとも指摘されている。

化粧品成分として

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多くの抗老化化粧品に配合されているが有効性を調査した研究は多くない[3]。急性の皮膚引き締め作用があり、皮膚引張強度の測定によってそのことが確認されている[3]。半顔で比較した30人でのランダム化比較試験では、塗布後45分で機器で計測しハリを増加させていることが判明した[6]

3%濃度のDMAE含有ジェルは、4か月使用して額や目の周囲のシワの緩和において有効だというランダム化比較試験があり使用中止後2週間時点でも効果は持続しており、深いシワ、首のたるみには改善の傾向のみが見られ、偽薬とで副作用には違いはなく安全であった[2]。別のランダム化比較試験では角質水分量を改善したことを確認した[3]

脚注

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  1. ^ Littel, RJ; Bos, M; Knoop, GJ (1990). “Dissociation constants of some alkanolamines at 293, 303, 318, and 333 K”. Journal of Chemical and Engineering Data 35 (3): 276–77. doi:10.1021/je00061a014. INIST:19352048. https://ris.utwente.nl/ws/files/6481946/Littel90dissociation.pdf. 
  2. ^ a b c d Rachel Grossman (2005). “The role of dimethylaminoethanol in cosmetic dermatology”. American journal of clinical dermatology 6 (1): 39–47. doi:10.2165/00128071-200506010-00005. PMID 15675889. 
  3. ^ a b c d K. A. Tadini, P. M. Campos (2009-12). “In vivo skin effects of a dimethylaminoethanol (DMAE) based formulation”. Die Pharmazie 64 (12): 818–822. PMID 20095140. 
  4. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  5. ^ B. Clares, M. A. Ruiz, M. E. Morales, J. A. Tamayo, V. Gallardo Lara (July-August 2010). “Structural characterization and stability of dimethylaminoethanol and dimethylaminoethanol bitartrate for possible use in cosmetic firming”. Journal of cosmetic science 61 (4): 269–278. PMID 20716435. 
  6. ^ Isabelle Uhoda, Najat Faska, Caroline Robert, Geert Cauwenbergh, Gerald E. Pierard (2002-8). “Split face study on the cutaneous tensile effect of 2-dimethylaminoethanol (deanol) gel”. Skin research and technology 8 (3): 164–167. doi:10.1034/j.1600-0846.2002.10295.x. PMID 12236885. https://hdl.handle.net/2268/9706. 

関連項目

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