ザキア・フダダディ
個人情報 | |||||||||||||||||||||
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本名 | ذکیه خدادادی | ||||||||||||||||||||
国籍 | アフガニスタン | ||||||||||||||||||||
生誕 | 1998年9月29日(26歳)[1][2] ヘラート州(アフガニスタン) | ||||||||||||||||||||
出身校 | Eshraq Higher Educational University[2] | ||||||||||||||||||||
スポーツ | |||||||||||||||||||||
国 | アフガニスタン | ||||||||||||||||||||
競技 | パラテコンドー | ||||||||||||||||||||
種目 | K44 49kg級 K44 47kg級 | ||||||||||||||||||||
成績・タイトル | |||||||||||||||||||||
パラリンピック | 2020年東京: K44 49kg級 – 1回戦及び敗者復活戦1回戦敗退[3] 2024年パリ: K44 47kg級 – 3位 | ||||||||||||||||||||
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ザキア・フダダディ(パシュトー語: ذکیه خدادادی、パシュトー語ラテン翻字: Zakia Khudadadi、1998年9月29日[1]– )は、アフガニスタンのパラテコンドー競技者。2016年にアフリカ国際パラテコンドー選手権で優勝。2021年にはアフガニスタンにおける史上2人目の女性パラリンピック代表に選出された[4]。 2024年パリパラリンピックでは2016年の難民選手団結成以降としては初のメダルとなる、銅メダルを獲得した[5]。
生い立ち
[編集]ザキア・フダダディはアフガニスタン西部のヘラート州にて誕生。右腕に先天の障害を持つ[6]。
ザキア・フダダディがパラテコンドーを始めたのは、2008年と2012年にロフラ・ニクパイがオリンピックのテコンドー競技で銅メダルを獲得したことがきっかけであった[7]。ロフラ・ニクパイはアフガニスタンに史上初のオリンピックメダルをもたらし、ザキア・フダダディはその活躍に触発された[7]。
2001年のカブール陥落によりタリバン政権が崩壊すると、アフガニスタンの女性たちには、男性と同様のスポーツイベントに参加することが奨励されるようになった。だがザキア・フダダディの出身地であるヘラート州ではタリバンの残党が存在していたため、地元のクラブチームから大会へ出場する機会が妨げられており、トレーニングのほとんどを自宅の裏庭で行っていた[7]。
2016年、18歳の時にアフリカ国際パラテコンドー選手権で優勝[2]。
2020年東京パラリンピック
[編集]2021年5月、ザキア・フダダディは2020年東京パラリンピックのテコンドー競技アジア予選にて、K44 49Kg級で銅メダルを獲得[8][9]。ザキア・フダダディは国際パラリンピック委員会からワイルドカード枠での出場権獲得を通知された[4][10]。2004年アテネパラリンピックのマレーナ・カリムに続く、アフガニスタン史上2人目の女性パラリンピック代表選出であった[4]。この決定について、ザキア・フダダディは「ワイルドカード枠で大会に出場できるという通知を受けたとき、とても興奮した」[4]「驚きがあったが、不安もある。大会まで2か月しかなく、しかも使える施設がほとんどないため、十分な準備ができるか心配だ」[4]と述べた。ザキア・フダダディは大会に備えて、公園や裏庭などでトレーニングを続けた[11]。
だが2021年8月に入ると、反政府武装勢力タリバンの攻勢により、状況が急変した[12][13]。8月15日にカーブルが陥落すると、翌16日に国際パラリンピック委員会は、東京パラリンピックにアフガニスタン代表選手が出場できなくなったと発表した[14][15]。アフガニスタン・パラリンピック委員会のアリアン・サディキ代表は「落胆している」「すべての状況があまりに急速に大混乱に陥り、パラリンピック大会を棄権せざるを得なくなった」と述べた[16]。TBSテレビの中東特派員須賀川拓はザキア・フダダディについて、「泣いてた。ただただ、泣いてた」「彼女は絶望的。見てられない」と報じた[17]。
ザキア・フダダディはカーブル陥落の数日前、アフガニスタン西部ヘラート州の自宅を出発してカーブルに向かい[18]、カーブルから飛行機で移動して8月17日に東京に到着する予定であった[15]。だがカーブルに到着後、東京行きの便が出発するまでの間に、タリバンによってカーブルが占拠された[18][19][20]。カーブル陥落後、空港は国外脱出しようとする人々が押し寄せたことで混乱状態に陥った[11]。ザキア・フダダディはカーブルの親戚の家に避難し[21][22]、「今は屋外に出られる状況ではない」と述べた[23]。8月18日、ザキア・フダダディは助けを求める動画[24]をロイター通信に送り[25]、自身の想いを述べた。
オーストラリア、イギリス、フランスの支援を得て、8月23日にホサイン・ラスーリと共にカーブル国際空港よりアフガニスタンから脱出した[26]。
8月28日東京に到着、9月2日の競技に出場を果たしたが、本戦、敗者復活戦共に初戦で敗退した[3]。
出典
[編集]- ^ a b “ザキア・フダダディ - KHUDADADI Zakia”. olympics.com/tokyo-2020/paralympic-games/ja. 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会. 2021年8月29日閲覧。
- ^ a b c “Zakia Khudadadi” (英語). International Paralympic Committee. 2021年8月29日閲覧。
- ^ a b “パラリンピック=国際支援でアフガン脱出の女子選手、テコンドーに出場”. ロイター通信 (2021年9月4日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ a b c d e “Afghans head to Tokyo with message of hope and peace” (英語). International Paralympic Committee. (2021年8月10日) 2021年8月29日閲覧。
- ^ “【パラ】難民選手団初メダル アフガニスタン出身テコンドー女子47キロ級ザキア・フダダディ銅”. 日刊スポーツ. (2024年8月30日) 2024年8月30日閲覧。
- ^ “Who is Zakia Khudadadi? Afghanistan's first female Paralympian, 23, can no longer go to Tokyo” (英語). meaww.com. 2021年8月29日閲覧。
- ^ a b c Robinson, Andrew Beaton and Joshua (2021年8月17日). “She Was Set to Make Afghan History at the Paralympics—Until the Taliban Took Over” (英語). Wall Street Journal. ISSN 0099-9660 2021年8月29日閲覧。
- ^ “Taekwondo player Khudadadi set to be Afghanistan's first female Paralympian” (英語). www.insidethegames.biz (2021年8月13日). 2021年8月29日閲覧。
- ^ “Para-taekwondo team win bronze at Olympic qualifiers”. アリアナ・ニュース . (2021年5月23日) 2021年8月29日閲覧。
- ^ Paralympicsのツイート、2021年8月29日閲覧。
- ^ a b 安田聡子「アフガニスタン初の女性パラリンピアン、東京大会に出場できず。「胸が張り裂けそう」と選手団団長」『The Huffington Post』2021年8月17日。2021年8月29日閲覧。
- ^ “Zakia Khudadadi’s hopes of becoming first Afghan female Paralympian dashed” (英語). the Guardian (2021年8月16日). 2021年8月29日閲覧。
- ^ McElwee, Molly (2021年8月16日). “Afghanistan's first female Paralympian denied chance to travel to Tokyo Games” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235 2021年8月29日閲覧。
- ^ “Afghanistan’s first female Paralympian is trapped in Kabul and cannot get to Tokyo” (英語). Washington Post. (2021年8月16日). ISSN 0190-8286 2021年8月29日閲覧。
- ^ a b “アフガン選手、東京パラ不参加 国内情勢が影響”. AFPBB News. (2021年8月17日) 2021年8月29日閲覧。
- ^ 「【東京パラ】 アフガニスタンの2選手、参加できず 政情不安で」『BBC News』2021年8月17日。2021年8月29日閲覧。
- ^ HiroshiSukagawaのツイート、2021年8月29日閲覧。
- ^ a b Beaton, Andrew; Robinson, Joshua (2021年8月18日). “アフガン政変で夢遠のく 初の女子パラ五輪代表”. The Wall Street Journal 2021年8月29日閲覧。
- ^ “‘Heartbreaking’: Afghan Paralympic athletes to miss Tokyo 2020” (英語). Al Jazeera. (2021年8月16日) 17 August 2021閲覧。
- ^ a b “Afghanistan's first female Paralympian, now hiding from the Taliban, hasn't 'lost hope'” (英語). ABC News. (2021年8月17日) 18 August 2021閲覧。
- ^ “Afghan athlete Zakia Khudadadi makes plea for help to compete in Tokyo Paralympic Games” (英語). Sky Sports. 2021年8月29日閲覧。
- ^ Reuters. “Tokyo Paralympics: Female Afghan athlete appeals for help to get to Tokyo” (英語). Sportstar. 2021年8月29日閲覧。
- ^ a b KYODO NEWS (2021年8月18日). “Female Afghan Paralympic competitor pleads for help to reach Tokyo | Sports” (英語). KYODO NEWS. オリジナルの2021年8月26日時点におけるアーカイブ。 2023年5月9日閲覧。
- ^ “Afghan athlete Zakia Khudadadi pleads to go to Paralympics” (英語) (2021年). 2021年8月29日閲覧。
- ^ Djennadi, Aris (2021年8月18日). “L'appel à l'aide d'une athlète afghane privée des Jeux paralympiques” (フランス語) 2021年8月29日閲覧。
- ^ 田村崇仁 (2021年10月1日). “「もう時間がない」「助けて!」…東京パラのアフガン選手が体験した“48時間の脱出劇”〈史上最大の救出作戦〉”. Sports Graphic Number. 文芸春秋社. pp. 1-4. 2023年1月9日閲覧。
外部リンク
[編集]- Zakia Khudadadi — 2020年東京パラリンピック公式サイト