サブジ

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サブジ(Sabji, Sabzi, ヒンディー語: सब्ज़ी sabzī[1] ウルドゥー語: sabzī سبزی)は直訳すると「野菜」の単数形。現地の発音では「サブズィー」の方が近い。インド料理パキスタン料理の一種で、野菜だけの蒸し煮炒め煮のことであり、基本的に肉や魚介類や卵が加わったものはサブジではない。一方、乳製品には動物の殺生が伴っていないので、ホウレンソウとカッテージチーズの料理はサブジに分類されることもある。また、大粒のひよこ豆料理はダールではなくサブジに分類されることもある。日本のカレーのように具を何種類も入れるのではなく、具は一つの料理に1~2種類のものが普通である。

ベジタリアンの多いインドと共に、肉食が一般的なパキスタンでもよく食べられている。野菜に香辛料をまぶし、炒め蒸しにして食べる。現地の大衆食堂では、日本のカレーのように単品で注文するのではなく、2~4種類のサブジをダールと共に小皿で注文し、主食と共にあれこれ食べて味の違いを楽しむのが普通である。キーマカレーの付け合わせ等でも食べられているが、キーマは肉料理なのでベジタリアンはサブジは食べてもキーマは注文しないし食べない。ネパールでもサブジと同じようなものがあるが、ネパール語ではそれをタルカリーと言い、これも直訳すると「野菜」。

主に使われるスパイスはクミンシードターメリック(パウダー)、コリアンダー(パウダー)、ガラムマサラレッドペパー(パウダー)、またはパプリカ(パウダー)。

主なサブジ料理(ヒンディー・ウルドゥー語の読み)[編集]

  • オクラのサブジ(ビンディ)
  • カリフラワーのサブジ(ゴビー)
  • じゃがいものサブジ(アル―)
  • じゃがいもとカリフラワーのサブジ(アルーゴビー)
  • じゃがいもとグリーンピースのサブジ(アルーマッタル)
  • じゃがいもとナスのサブジ(アルーバインガン)
  • じゃがいもと玉ねぎのサブジ(アルーピアジ)
  • ナスのサブジ(バインガン)
  • ナスときのこのサブジ(バインガンマッシュルーム)
  • かぼちゃのサブジ(カッドゥー)
  • キャベツのサブジ(バンドゴビー)
  • ズッキーニのサブジ(トゥリー)
  • ピーマンのサブジ(ハリーミルチ)
  • ひよこ豆のサブジ(チャナ)
  • ゴーヤーのサブジ(カレラ)
  • ホウレンソウのサブジ(パラク)
  • ホウレンソウとナスのサブジ(パラクバインガン)
  • ホウレンソウとカッテージチーズのサブジ(パラクパニール)

脚注[編集]

  1. ^ ペルシア語: سبزی‎「ハーブ」の借用