コンテンツにスキップ

コマンダンテ級哨戒艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コマンダンテ級哨戒艦
基本情報
艦種 哨戒艦
命名基準 イタリア海軍の駆逐艦艦長
前級 カシオペア級
要目
満載排水量 1,520トン
全長 88.4メートル (290 ft)
最大幅 12.2メートル (40 ft)
吃水 4.6メートル (15 ft)
主機 GTトリエステ・バルチラW18-V26 XIV
ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 13.2 MW (17,700 hp)
電源 イソッタ・フラスキーニ1712 T2 ME発電機(900kW)×3基
速力 25ノット (46 km/h)
航続距離 3,500海里 (14kt巡航時)
乗員 80名
兵装76mm単装速射砲×1基
エリコンKBA 25mm機関砲×2基
搭載機 AB-212 / NFH90×1機
C4ISTAR NA-25ダルドF 武器システム
レーダー ・RAN-30X/I 対空・対水上捜索用
・RTN-25X 砲射撃指揮用
・SPS-753 航法用
電子戦
対抗手段
・SLQ-747電波探知妨害装置
SCLAR-Hデコイ発射機×2基
テンプレートを表示

コマンダンテ級哨戒艦イタリア語: Classe Comandanti: Commandante class Patrol Ships)は、イタリア海軍哨戒艦(OPV)の艦級。計画名からNUMC: Nuove Unità Minori Combattenti、新型小型戦闘艦)とも称される[1][2]

来歴

[編集]

イタリア海軍では、1987年から1992年にかけてカシオペア級哨戒艦4隻を建造・就役させた。当初計画ではさらに4隻の建造が検討されていたが、これらは1991年にキャンセルされ、新設計の艦として建造されることとなった。これによって建造されたのが本級である[2]。1998年12月、1隻あたり1億400万ドルの予算で4隻が発注された[1]

設計

[編集]
後方からの艦影

ステルス性を考慮して設計されたステルス艦であり、特に「コマンダンテ・フォスカリ」は上部構造物にガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を採用した。船体後部には、カシオペア級と同様に入れ子式のハンガーが設置されており、小型/中型ヘリコプターを1機収容できる。兵装は砲熕兵器に限定されており、前甲板に主砲としてオート・メラーラ社製コンパット76mm単装速射砲が1基、前部上構の両舷側にエリコンKBA 25mm機関砲が1基ずつ設置されている。なお76mm単装速射砲および方位盤については、退役したスパルヴィエロ級ミサイル艇のものが流用されている[2]が、「コマンダンテ・フォスカリ」は、誘導砲弾による新型の近接防空システムであるSTRALESの運用試験のため、主砲を射撃指揮レーダーが内蔵された新型のスーパー・ラピッド砲に換装している[1]

配備

[編集]

いずれも第1哨戒戦隊司令部(COMSQUAPAT1)に配備されており、領海排他的経済水域の警備を主任務としている。

またのちに、運輸省向けの準同型艦として、NUPA: Nuove Unità di Pattugliamento d'Altura)計画のもと、シリオ級イタリア語: Classe Sirio)も建造された。主機関はより低出力のものに変更され、主砲を省き、ステルス化設計も廃されている[3]。ただし乗員は海軍軍人であり、また指揮系統上も第2哨戒戦隊司令部(COMSQUAPAT2)に属している。

同型艦
計画 # 艦名 起工 就役
NUMC P490 コマンダンテ・シガーラ・フルゴーシ
Comandante Cigala Fulgosi
1999年6月 2004年1月
P491 コマンダンテ・ボルシーニ
Comandante Borsini
1999年7月
P492 コマンダンテ・ベティッカ
Comandante Bettica
2000年3月
P493 コマンダンテ・フォスカリ
Comandante Foscari
2000年9月
NUPA P409 シリオ
Sirio
2002年5月 2003年5月
P410 オリオーネ
Orione
2002年7月 2003年8月

参考文献

[編集]
  1. ^ a b c Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 334. ISBN 978-1591149545 
  2. ^ a b c 「その他の諸国が推進する新型水上艦 (特集 水上戦闘艦の新動向)」『世界の艦船』第557号、海人社、1999年9月、96-103頁、NAID 40002155599 
  3. ^ SPG Media Limited (2012年). “Commandante Class Patrol Ships - Naval Technology” (英語). 2013年3月6日閲覧。

関連項目

[編集]