アンドレア・ドーリア級駆逐艦

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アンドレア・ドーリア級駆逐艦
Nave Caio Duilio.jpg
艦級概観
艦種 ミサイル駆逐艦
建造期間 2002年 - 2009年
就役期間 2007年 - 就役中
前級 デ・ラ・ペンネ級
次級 最新
性能諸元
排水量 基準:5,800 t
満載:6,700 t
全長 153 m
全幅 20.3 m
吃水 5.40 m
機関 CODOG方式
SEMT ピルスティク12 PA6 STCディーゼル (5,850 bhp) 2基
LM2500ガスタービン (27,500 shp) 2基
可変ピッチ・プロペラ 2軸
バウスラスター
速力 最大29ノット
航続距離 7,000海里 (18kt巡航時)
3,500海里 (24kt巡航時)
乗員 189人
武装 62口径76mm単装速射砲 3基
80口径25mm単装機銃 2基
シルヴァーA50 VLS (48セル)
アスター15 短SAM
アスター30 SAM
1基
テセオSSM 4連装発射機 2基
324mm連装魚雷発射管
(MU90短魚雷)
2基
艦載機 NFH90 or AW101 1機
FCS PAAMS武器システム
NA-25XP 主砲用 2基
C4I 海軍戦術情報システムリンク 11 / 16
CMS戦術情報処理装置
レーダー MM/SPY-790 多機能型 1基
S-1850M 対空捜索用 1基
MM/SPS-791 対水上捜索用 1基
MM/SPN-720 ヘリ管制用 1基
MM/SPN-753 航法用 1基
ソナー UMS-4110CL 1基
電子戦
対抗手段
JANEWS電波探知妨害装置
SCLAR-H 20連装デコイ発射機 2基
SLAT対魚雷システム

アンドレア・ドーリア級駆逐艦イタリア語: Cacciatorpediniere Lanciamissili classe Andrea Doria)は、イタリア海軍ミサイル駆逐艦の艦級。フランスイギリス共同で計画を進めたホライズン計画イタリアにおける採用艦である[1][2]

来歴[編集]

1980年代後半、イタリアを含むNATO加盟8カ国の海軍は、NFR-90構想のもとで、フリゲートの国際共同開発計画に着手した。しかし計画の過程で各国の要求事項の差異が顕在化し、1989年、イギリス、フランス、イタリアが相次いで計画から離脱した。残る5ヶ国は計画の続行を試みたものの、1990年1月18日、計画のキャンセルが決定された[3]

一方、NFR-90計画から離脱したのちも、イギリスとフランスはそれぞれ独自に次期防空艦の開発を進めていた。1990年に両者は合流し、英仏将来フリゲート(A3F: Anglo-French Future Frigate)計画が開始された。そして1992年、イタリアも加わってスタートしたのがホライズン計画である。独自の艦対空ミサイルを採用した対空武器システムとしてのPAAMSを共同開発し、これを共通設計の船体に搭載することとしていたが、細部の武装については各国が独自のものを搭載する計画であった。船体設計の意見の相違から、1999年にはイギリスが脱退したものの、PAAMSの開発には残留した。その後、フランスとイタリアのみで計画は続行され、完成したホライズン型防空フリゲートのイタリア側の建造艦が本級であり[4]、2000年11月26日、2隻が発注された[2]

設計[編集]

船型は長船首楼型を採用しており、ダメージコントロールのため、4個の大区画、24個の小区画に区分されている。またレーダー反射断面積(RCS)や赤外線輻射、水中放射雑音など各種シグネチャーの低減策が講じられたステルス艦となっている。なお居住区は230名分が確保されており、15パーセントまでは女性乗員とすることができるほか、外科・歯科にも対応できる病室を備えている[2]

当初、ホライズン計画艦は、先進的なCODLAG方式の採用を検討していた。この計画では、ガスタービンエンジン 2基とディーゼルエンジン 4基で交流発電機を稼動させ、この電力によって電動機が駆動することになっていた。しかし1990年代中ごろには、他の方式も模索されるようになっており、イギリスが離脱した後、結局、ホライズン計画艦には、もっとも技術的リスクの少ないCODOG方式が採用されることとなった。なお、イギリスは逆に、CODLAG方式よりさらに先進的な統合電気推進(IEP)を採用している[4]。本級では、巡航機としてSEMT ピルスティク12 PA6 STCディーゼルエンジン(単機出力5,850 bhp)、高速機としてフィアット-ゼネラル・エレクトリック LM2500ガスタービン(27,500 shp)を組み合わせて搭載している。なお精密な操艦に備えて、出力550キロワットのバウスラスター1基も設置された[1]。なお、減揺装置としてフィンスタビライザー2組を備えている[2]

電源としては、イソッタ・フラスキーニ英語版 VL-1716 T2 MEディーゼル発電機4基を搭載した[2]

装備[編集]

C4ISR[編集]

中核的なセンサーとなるのがMM/SPY-790(EMPAR)多機能レーダーである。これはパッシブ・フェーズドアレイ(PESA)アンテナを備えており、Cバンドで動作する。また早期警戒レーダーとしてLバンドS1850M、対水上捜索用としてXバンドのMM/SPS-791(RAN-30X/I)も併載される。ソナーとしては、UMS-4110CLをバウ・ドームに収容して搭載する[1][2]

DCNSアレニア社の共同開発による戦術情報処理装置(CMS)を備えている。また戦術データ・リンクとしてリンク 111416に対応するほか、衛星通信システムも備えている[1][2]

武器システム[編集]

上記の経緯より、本級の中核的な武器システムとして搭載されるのがPAAMSであり、本級の搭載システムはフランス・イタリア海軍の運用要求に則ったもので、PAAMS(E)の形式名で種別されている。その火力として用いられるのがアスター艦対空ミサイル(SAM)であり、長射程型のアスター30と中射程用のアスター15がある。これらは、48セルのシルヴァーA50 VLSに収容される[1]。標準的には、アスター15が16発、アスター30が32発搭載される[2]

艦砲としては、62口径76mm単装速射砲(76mmスーパー・ラピッド砲)を採用した。フランス艦と同様に艦橋直前両舷に1基ずつ設置したほか、本級では、上部構造物後端の右舷側にも33番砲を設置した。これにあわせて、XバンドのNA-25XP砲射撃指揮装置も、前檣上部のほか33番砲の直前にも装備されている。また近接目標への備えとして80口径25mm機銃(エリコン-オート・マトラKBA)も搭載される[1][2]

対艦兵器としては、国産のテセオMk.2艦対艦ミサイルの4連装発射機2基を装備する。対潜兵器としてはMU90短魚雷のため、イタリア海軍で標準的なB.515/3 324mm連装魚雷発射管2基を備えているが、ステルス性確保のため、普段はシャッター内に格納されている。また対魚雷用のSLATも装備されたが、これは曳航式のアルト魚雷警報装置とコントラアルト・デコイ発射装置から構成されている[2]

船尾甲板はヘリコプター甲板とされており、NFH90またはAW101哨戒ヘリコプターの運用に対応する。ヘリコプター甲板にはTC-ASIST着艦拘束・機体移送装置を備えている[2]

同型艦[編集]

イタリア海軍では、アウダーチェ級駆逐艦および既に退役したアンドレア・ドーリア級巡洋艦の後身用として、当初は6隻、後には4隻の建造を予定していた。しかし1993年12月、湾岸危機を受けた禁輸措置の煽りでアルティリエーレ級(改ルポ級、ソルダティ級とも)4隻がイタリア海軍に編入されることになったことから、そのための予算を捻出するため、建造数は2隻に削減された[2]

艦番号 艦名 起工 進水 就役
D553 アンドレア・ドーリア
Andrea Doria
2002年
7月19日
2005年
10月15日
2007年
12月22日
D554 カイオ・ドゥイリオ
Caio Duilio
2003年
9月
2007年
10月23日
2009年
4月3日

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e f Stephen Saunders, ed (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group. p. 394. ISBN 978-0710628886. 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. pp. 329-330. ISBN 978-1591149545. 
  3. ^ グローバルセキュリティー (2013年1月25日). “NATO Frigate Replacement for the 1990s [NFR-90]” (英語). 2016年7月17日閲覧。
  4. ^ a b 吉原栄一「ホライズン型 <仏伊> (2010年前後に登場する新型水上戦闘艦)」『世界の艦船』第619号、海人社、2003年12月、 88-91頁、 NAID 80016218404

関連項目[編集]

外部リンク[編集]