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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ガ(蛾)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
英名
moth

多数(本文参照)

(蛾)とは、節足動物門昆虫綱チョウ目(鱗翅目、ガ目とも)に分類される昆虫のうち、チョウ(具体的にはアゲハチョウ上科セセリチョウ上科シャクガモドキ上科)を除いた分類群の総称。

日本にはチョウ目の昆虫が6000種程度知られているが、「チョウ」と呼ばれるものは250種類にすぎず、他はすべて「ガ」である。世界全体で見ると、ガの種類数はチョウの20 - 30倍ともいわれている。しかし両者に明確な区別・線引きはない(チョウ目参照)。

特徴

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スズメガ科の一種のベニスズメの成体(フランス、カルヴァドスにて)
典型的なイモムシのスズメガ科のシモフリスズメの幼虫

視覚

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目の表面には200nmの六角形の突起が300nm間隔で並んでおり、光の反射を防止する効果がある。この構造は「モスアイ(Moth Eye)構造」と呼ばれている[1]。これは夜の行動に有利な構造であり、バイオミメティクスにより反射防止構造として利用されている[2]

行動

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夜に行動する種類が多いが、サツマニシキ英語版(マダラガ科)などのように派手な体色を持ち昼間に行動するものもいる。

光に近寄る正の走光性がある。

変態

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成長段階は、 - 幼虫 - - 成虫という完全変態をおこなう。幼虫は外見や行動によってイモムシケムシシャクトリムシミノムシなどと呼ばれる。

蛹になる前に糸を吐いたりして(マユ)を作る種類が多く、カイコガなどはその糸が人間に利用される。 ただしスズメガ科の多くの種類など、繭を作らずに土中でさなぎになるものもいる。

成虫の形態特徴

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成虫の4枚の鱗粉や毛でおおわれる。ただしオオスカシバ(スズメガ科・羽化後に鱗粉を落としてしまう)などの例外がいる。

成虫の触角は先端がふくらまず、糸状や羽毛状の種類が多い。 メスの羽が退化している蛾も存在する(アカモンドクガ英語版フユシャク亜科英語版)。

食性

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幼虫は植物食のものが多いが、様々な食性を持つものがある。例えば主にヒグラシなどセミの仲間に寄生するセミヤドリガ、コナラやクヌギに穿孔し樹液に集まる虫を捕食するボクトウガ、普段は植物食だが機会的にイモムシなどを捕食するオオタバコガ、ミツバチの巣を専食するハチノスツヅリガチョコレートなども含む乾燥子実類を食うノシメマダラメイガ、乾燥羽毛・獣毛を食うイガなどがいる。変わった食性の物としては陸貝を専食する Hyposmocoma molluscivoraが知られている。

成虫の口はストロー状に細長く伸びており口吻と呼ばれる。樹液果汁など水分を吸うのに適している。ただしカイコガやミノガなどの成虫は口が退化していて、幼虫時代に蓄えた栄養分だけで活動する。また、コバネガなどでは咀嚼可能な口器を持ち、花粉などを食べる。

特徴的な蛾

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人間との関係

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害虫

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農業や衣類などで害虫となる。

食用

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カイコガは、繭から衣類がつくられる。また食用ともなる。

オーストラリアの先住民のアボリジニは、ボゴン・モス英語版をスープにしたり火で焼いて食べていた[4]

アフリカでは、モパネワームが食用とされる。

動物・植物との関係

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多くの動物から餌とされる。コウモリなどが捕食するが、ヒトリガ科の蛾は音を発して、超音波で蛾の位置を割り出すエコーロケーションを妨害する[5]

蛾媒花送粉者である[6]

脚注

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  1. ^ 光を反射しない蛾の目 - 東北大学大学院環境科学研究科ネイチャーテクノロジーデータベース
  2. ^ “蛾の目”を参考にしたフェイスシールド、シャープが発売 液晶パネルの技術活用、映り込み大幅減 - ITmedia
  3. ^ 中国南部の大桂山で世界最大のガ類、ヨナグニサンが発見:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年10月13日閲覧。
  4. ^ オーストラリアでガが大量発生、対策は「ガのスープ」?”. www.afpbb.com (2007年10月11日). 2024年10月13日閲覧。
  5. ^ Some Moths Escape Bats By Jamming Sonar”. NPR (17 July 2009). 10 August 2017時点のオリジナルよりアーカイブ2024年10月13日閲覧。
  6. ^ 三宅, 崇「蛾による送粉系における化学生態学」1997年、doi:10.18960/seitai.47.3_275 

関連項目

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