Wikipedia:井戸端/subj/とあるSNSにおける某記事についてのやり取りについて

とあるSNSにおける某記事についてのやり取りについて[編集]

はじめに[編集]

とあるSNSにおいて、

といった一連のやり取りが見受けられました。ほとんどはこちらの記事についての話と考えられますが、当該人物についてはWikipediaの記事自体が社会的に注目を浴びている[1]という事情もありますので、念のため補足申し上げます。--Assemblykinematics会話2021年9月23日 (木) 04:18 (UTC)[返信]

官僚という表現についての疑問[編集]

まず立項者と記事の加筆を行った編集者は別です。そして大幅加筆を行った自分の真意としては、「官僚」というイメージの誤解を解きたかったという意図があります。機電系の技術分野にいる者としては、世間でそのような認識で語られるのは納得できないものがありました。英語版の導入部第一文に

... is a Japanese engineer who served as Director of the AIST[2] and President of the International Measurement Confederation[3] and Human Frontier Science Program[3] among other positions. -- 英語版の 02:43, 17 September 2021 時点の版...

とあるように、基本的にこの方はエンジニア(技術者、研究者)であり、肩書きとしては国際計測連合英語版(IMEKO)会長を務めたことが大きな一角を占めます。

「官僚」という意味は多様なので、公務員や官吏という意味であれば官僚に該当しますが、少なくとも狭い意味でのキャリア官僚には該当しません。計量研究所の後進は産業技術総合研究所なので国家一種合格や博士号を持っていないと入所できないようなイメージがありますが、この方が就職された時は中央度量衡検定所が中央計量検定所に変わった直後で、検定所から研究所へ組織の内実が変わっていく過渡期のはじめでした[2][3]。中央度量衡検定所は旧制専門学校や大卒の方は研究業務に携わっていものの、旧制中学卒業でも入れる所で(入所後に教育を受けたり東京理科大学の前進である東京物理学校に通うことも可能)[3]、当該人物ご本人も戦後の求人難で検定所に就職したと記しています。

工業技術院の院長時代は行政職にあたるようですので、それを指して「官僚」という言い方はできないことはないのかもしれません。ですが投稿IIにおける「高々一官僚に過ぎない」という言い方は、東北帝大八木・宇田アンテナを開発して東工大などの学長を歴任された八木秀次先生を、戦中の技術院総裁を務めた経歴から「一官僚に過ぎない」と言うようなものと考えられ、もどかしさを感じてしまう次第です。

また、2019年4月末には当該人物記事のノートで

...氏の職業の仕事内容についての、世間の勘違いで、てっきり文系職だと勘違いしている人が多そうなので、とりあえず忠告しておきます。...の叙勲が「通産行政事務功労」とあるためか世間には、...氏をてっきり文官で事務次官のような職業の人と誤解している人もいますが、しかし、叙勲で「行政」「事務」とある理由は、おそらく国家標準器にもとづく計量法JCSSなどのトレーサビリティ (計測器)的な校正制度が日本では「行政」に分類されて「計量行政」などといわれることによるためです。測定の国家標準器そのものを開発・製造している科学者・技術者も「計量行政」の制度を構築する一員になります。--すじにくシチュー会話) 2019年4月27日 (土) 05:21 (UTC) — 2019年4月27日05:22:31(UTC)までの連続3版の編集より引用(一部伏字・省略)。

という指摘もなされています。工業技術院院長時代にNEDOの設立や、当初迷走していた国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム英語版の創立でも貢献しておられるため、これらが評価された可能性もあるのですが、勲章の理由は計量研究所の特殊性を考慮する必要があるでしょう。--Assemblykinematics会話2021年9月23日 (木) 04:18 (UTC)[返信]

国際学会での日本のプレゼンス[編集]

また、投稿とは別に、無理やり特筆性を強調しているように見えるという批判や、要職はただ順番で務めただけではないかというご意見もあったかと思います。要職については計量研究所に所属していた流れによるものもありますが、計測自動制御学会のIMEKO委員会委員長や国際計測連合英語版(IMEKO)の会長、国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム機構英語版関連については当該人物の方の貢献が際立ちます。

同時期に設立された分野が近い国際的な学術連合として、国際自動制御連盟英語版(IFAC)と機械と機構の分野のIFToMM英語版という国際団体があります。前者のIFACは2021年現在までに2名の会長を送り出し[4]、数年に一度の世界大会も早くに日本で開催されており[5]、第2回が2023年に開催予定ですが[6]、IFToMM会長は2012年に日本人の先生が会長に就任され[7]、2023年にようやく日本で世界大会が開催されるという状況です[8]。なお、この状況はこの分野の研究者の怠慢ではなく、私見ではASME(アメリカ機械学会)やIEEE(米国電気電子学会)に人が流れているせいと考えられ、IFACも2023年に大会開催予定ながら認知度が低いと問題になっています[6]

IMEKOは記事に書いてあるようにこの方の尽力で日本人の参加が増えたらしく、2021年現在は二人目の日本人会長であり[9]、1999年の大阪での世界大会に続いて2021年に横浜での世界大会で開催されています[10]。そして、IMEKO関係の貢献が計測自動制御学会の功績賞を受賞[11]した要因の一つになっているはずです。なお、Web上では受賞理由を記した情報が見つからなかっため、同会の学会誌『計測と制御』を調査して出典付きで受賞理由を記したかったのですが近隣の図書館になく、忙しくて行けないうちにコロナ禍になってしまい、受賞理由との紐づけはペンディングになっている状況です。--Assemblykinematics会話2021年9月23日 (木) 04:18 (UTC)[返信]

記事、記述を書くことについて[編集]

なお、特筆性不明で記事を削除という動きがあり、記事自体を削除した方が良かったのではないか、業績を記すことによって更なるバッシングを受けるのを予測できたのではないか? というご指摘もあると思いますが、基本的に技術者、研究者ということが伝われば「官僚」に起因するバッシングがある程度解消すると考えていました。また、編集合戦になって記事が保護されたことにより、この方が手をまわしたのではないかという陰謀論によるバッシングが当時あり、記事が削除されることによってバッシングが収まるとは思えませんでした。

また、件の出来事のことを記述した方が良いと考える人の中には、単純にネガティブな情報を書き込みたいという人だけでなく、Wikipediaのルールに沿った上での記述になりますが、

  1. 世間に広く知られてしまっており、検索するとすぐに分かってしまうことなので、Wikipedaで記述しないことに実質的な効果はない。それならば最小限の記述をした方がバッシングが収まり、本人にとってもプラスになるのではないか?
  2. 件の出来事では誤解に基づくバッシングが多い。誤解されていることを記述したり、誤解を打ち消すような正確な情報を添えて記すことは、記事本人にとってプラスになるのではないか?

といった考え方をする人がいることにも留意して欲しいと思います。当該記事のノート過去ログ2のある節でで2020年9月14日に問題提起された方は、1.の考え方だったような気がします。また、一時2019年の出来事を書くことについて合意形成されたため、2019年5月27日9:03の編集でそのことについて記述しましたが、その際に自分は1. 2. の考えがあったので、記述に同意した次第です。

なお、記事が削除されないように業績を強調しているという指摘がありますが、前述のように記事が削除されることによる陰謀論も懸念されましたし、記事書きとしてせっかくそれなりの記事が書けたので無駄にしたくないという気持ちも否定できません。また、記事人物の研究業績について魅せられてしまい、それをオープンにしたかったというのも気持ちもあったのだと思います。

たまたま自分はフーリエ級数を応用した似た研究事例を2つ知っており[12][13]、当該記事人物の研究の一つには舌を巻いた次第です。特に論文賞を受賞した上に製品化され、標準規格にもなり、後々まで派生研究が続いていく……技術者、研究者の成果としての理想の一形態だと感じた次第です。また、いくつかの分野で国際規格に携わった人と自分は比較的接点があり、自分が書いた人物記事でも規格に携わった研究者の方の記事がありました。当該記事を編集する中で、計量の分野ではこのように規格や標準制定が担われていたのかといった感動もありました。この辺は理工系の方でも意義を分かっていただける方は少ないと思います。

あと、某メーカーに天下ったように受け止められていますが、このメーカーは測定器・計測器のメーカーであり、質量を計測するはかりなどを昔から手掛けており、企業技術者も学会活動も行っています。歯車で著名な中田孝先生は東京工業大学を定年になった後に東京精密測器(東京精密とは異なります)に就職され社長まで務められていらっしゃており、国立大学定年後に専門性を活かせる企業に就職することがあり、一般に批判される天下りとは違うということも分かるような記事を心掛けた次第です。--Assemblykinematics会話2021年9月23日 (木) 04:18 (UTC)[返信]

おわりに[編集]

念のため補足しておきますと、上で述べた「世間に広く知られてしまっており、検索するとすぐに分かってしまうことなので、Wikipedaで記述しないことに実質的な効果はない。」という点については、本記事だけの特殊な状況だと思います。他の事件や事故を起こした人物であれば検索すると必ずその情報に行き着いてしまうという状況はまれですが、当該人物の方の技術者・研究者時代の情報を探そうとしても、学術文献のデータベースはともかく、一般のウェブ検索では検索語句を工夫しないとなかなか情報が見つからない状況でした。

なお、直接被害を受けた場合は別でしょうが、自分は職業柄不祥事を起こしてしまった人にそれ程否定的な感情を抱かないため、本件でも当該人物に否定的な感情は基本的にありません。主として10代後半の学生を相手にしていますので、問題行動があってもその事情を汲み取り更生につなげることが求められ、そのせいか年齢と問わず「許せない」と断罪して済ますという単純な考えにはなりません。また、自分は学生時代に自動車学校に通いながら普通自動車免許取得を断念しており、自動車は誰もが扱えるものではなく、公共交通機関都市計画パーソナルモビリティ開発とともに再考が必要という考えを持っており、それもあって当該人物への否定的感情につながらないという事情もあります。

最後に当該人物が名誉員である精密工学会、およびフェローである計測自動制御学会の会員ではないことを付記しておきます。長くなってしまい恐れ入りますが、李下に冠を正さずという観点から自分の編集に非があることは確かですが、特に投稿I投稿IIの方におかれましては、日本に蔓延する陰謀論を助長しかねない発言は控えていただければと思った次第です。--Assemblykinematics会話2021年9月23日 (木) 04:18 (UTC)[返信]

参考文献[編集]

脚注

  1. ^ 「ウィキペディアで加筆と削除の応酬」『朝日新聞』2020年9月25日。
  2. ^ 研究所紹介」『光学ニュース』第76号、1964年、25-26頁。
  3. ^ a b オーラルヒストリー 計量制度に係わって69年」『計量史研究』第34巻第1号、2012年7月、21-頁。
  4. ^ President”. IFAC. 2021年9月23日(UTC)閲覧。
  5. ^ 国際自動制御連盟 (IFAC) 理事会に出席して」『学術の動向』第4巻第1号、80-82頁。
  6. ^ a b IFACならびにIFAC Japan NMOの活動」『計測と制御』第57巻第2号、2018年、112-113頁。
  7. ^ 日本IFToMMニュース No.39”. 日本IFToMM会議. 2021年9月23日(UTC)閲覧。
  8. ^ IFToMM World Congressのご案内:”. 日本IFToMM会議. 2021年9月23日(UTC)閲覧。
  9. ^ Past IMEKO Presidents” . IMEKO. 2021年9月23日(UTC)閲覧。
  10. ^ 国際計測連合第23回世界大会の開催に向けて」『計測と制御』第60巻第7号、2021年、526-528頁。
  11. ^ 功績賞受賞者”. 計測自動制御学会. (2021年1月6日). 2021年9月23日(UTC)閲覧。
  12. ^ 基準を必要としない形状測定法の研究 フーリエ展開による平面形体の円周上での測定」『精密工学会誌』第63巻第1号、1997年、129-133頁。
  13. ^ フーリエ級数を用いたパラレルメカニズムのキャリブレーション : 第1報,キャリブレーション法および測定運動の選定法の提案」『日本機械学会論文集 C編』第68巻第673号、2002年、2762-2769頁。

コメント[編集]

当該記事のノートに書こうかとも思いましたが、あちらに書くのもいろいろ問題があると考え、井戸端の方に投稿させていただきました。また、浅学菲才な上にあまり知識がない状態から調査した内容もあるため、各種組織の情勢には一部少し不正確な内容があるかもしれません。不備があれば修正すべき点をご指摘いただけると幸いです。--Assemblykinematics会話2021年9月23日 (木) 04:18 (UTC)[返信]

  • Assemblykinematicsさんとしては、ご自身は記事の品質向上を目的として加筆されたにも関わらず、SNSではそうは受け取られていないということが問題だということをおっしゃりたいのだと思います。Assemblykinematicsさんがもともと当該分野に関心があり、記事の品質向上に尽力されたということは疑いようがないと思いますし、それ自体は素晴らしいことだと思います。なにか問題があったということは特段ないでしょう(晒し目的、あるいは称賛のために業績を誇張したというような別の意図があったわけではないということもわかります)。一方で、ウィキペディアにとって、SNSは所詮外部ツールなので、ウィキペディアはウィキペディア、SNSはSNSと分けて考える必要があります。Tweetについて「日本に蔓延する陰謀論を助長しかねない発言」など何かしらの意見がありましたら、ウィキペディアで言うよりもTwitterでアカウントを作られて直接申し上げるのが本来的なあり方かと思います。--伊佐坂安物会話/履歴2021年9月23日 (木) 11:09 (UTC)[返信]