DK・メトカーフ

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DK・メトカーフ
DK Metcalf
refer to caption
2020年のメトカーフ
シアトル・シーホークス #14
ポジション ワイドレシーバー
生年月日 (1997-12-14) 1997年12月14日(26歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ミシシッピ州オックスフォード
身長: 6' 4" =約193cm
体重: 229 lb =約103.9kg
経歴
高校 オックスフォード高校
(ミシシッピ州オックスフォード)
大学 ミシシッピ大学
NFLドラフト 2019年 / 2巡目全体64位
初出場年 2019年
初出場チーム シアトル・シーホークス
所属歴
2019- シアトル・シーホークス
受賞歴・記録
プロボウル選出(2回)
2020、2023
NFL 通算成績
(2023年終了時点)
レシーブ数 372回
レシーブ獲得ヤード 5,332ヤード
レシーブ平均獲得ヤード 14.3
TDレシーブ 43回
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

デケイリン・ゼカリアス・"DK"・メトカーフDeKaylin Zecharius "DK" Metcalf1997年12月14日 - )は、アメリカ合衆国ミシシッピ州オックスフォード出身のプロアメリカンフットボール選手。ポジションはワイドレシーバーNFLシアトル・シーホークスに所属している。

父は元NFLガードのテレンス・メトカーフ英語版である。メトカーフはミシシッピ州オックスフォードで生まれ育ち、高校はオックスフォード高校、大学はミシシッピ大学(通称オールミス)でアメリカンフットボールをプレーした。ミシシッピ大学で3シーズンプレーした後、2019年のNFLドラフトでシーホークスに2巡目全体64位で指名を受け入団した。日本語では「メットカーフ」の表記も見られる。

経歴[編集]

高校時代まで[編集]

ミシシッピ州オックスフォードのオックスフォード高校へ入学し、高校時代のフットボールキャリアでは、224回のレシーブ、3,302ヤード、49回のタッチダウンを記録した。メトカーフは4つ星WRとして注目され、Rivals.comによるランキングで14位にランクされている[1]

大学時代[編集]

2016年にミシシッピ大学(オールミス)に入学し、シーズン最初の2試合に出場した後、足の怪我によってシーズンを終えた。しかし彼はこの2試合で2レシーブ13ヤードを記録し、その2回のレシーブはいずれもタッチダウンにつながった[2]。 2年目の2017年には39回646ヤードのレシーブと7回のタッチダウンを記録した[3]。3年目の2018年シーズン、メトカーフはアーカンソー大学戦で首の怪我によってシーズンを終了するまでに、26レシーブ569ヤードを記録した[4]。 2018年のシーズン終了後、4年次は大学でプレイせず、2019年のNFLドラフトににアーリーエントリーすることを表明した。3年間で67回のレシーブで1,228ヤード、14回のタッチダウンを記録してカレッジキャリアを終えた[5]

大学での通算成績[編集]

年度 チーム 試合 レシーブ
出場 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD
2016 オールミス 2 2 13 6.5 2
2017 12 39 646 16.6 7
2018 7 26 569 21.9 5
通算 21 67 1,228 18.3 14

シアトル・シーホークス[編集]

プレドラフト測定結果
身長 体重






40Yrd



10Yrd




20Yrd




20Yrd



3

















6 ft 3+38 in
(191 cm)
228 lb
(103 kg)
34+78 in
(89 cm)
9+78 in
(25 cm)
4.33 s 1.45 s N/A s 4.5 s 7.38 s 40.5 in
(103 cm)
11 ft 2 in
(3.40 m)
27 回
All values from NFL Combine[6]

2019年シーズン[編集]

メトカーフは2019年のNFLドラフトシアトル・シーホークスに2巡全体64位、ワイドレシーバー28人中9番目で指名された[7]。その後2019年5月22日、シーホークスと460万ドル相当の4年契約を結んだ[8]

2019年9月8日、シンシナティ・ベンガルズ戦でレギュラーシーズン初戦をプレーしたメトカーフは、4レシーブ89ヤードを記録し、チームは21-20で勝利した[9]。これは、NFLのルーキー選手による総レシービングヤードのフランチャイズ記録であり、プロフットボール殿堂入り選手であるスティーブ・ラージェントのそれまでの記録、86ヤードを上回った。

第2週のピッツバーグ・スティーラーズ戦では、キャリア初のタッチダウンを含む3レシーブ61ヤードを記録し、チームは28-26で勝利した[10]

第8週のアトランタ・ファルコンズ戦では、キャリア初の複数回のタッチダウンを記録した試合で、3レシーブ13ヤードで2回のタッチダウンを記録した。チームは27-20で勝利した[11]

翌週第9週のタンパベイ・バッカニアーズ戦では、メトカーフはレシーブとレシーブヤードで自身のキャリア最高記録を更新し、第4Q終了時で53ヤードのタッチダウンレシーブを含む95ヤード、延長戦での29ヤードのキャッチを含む合計6キャッチ124ヤードを記録した。これは彼のキャリア初の獲得ヤード100ヤード越えのゲームだった。また、第3Qにゲームを21-21で同点にした2ポイントコンバージョンをキャッチした[12]

メトカーフはレギュラーシーズンを、58回レシーブで900ヤード(NFLルーキーの中で3番目)、7回のタッチダウンレシーブを記録し、タイラー・ロケットに次ぐチーム2位の成績で終えた[13][14]

ワイルドカードラウンドのフィラデルフィア・イーグルス戦では、7キャッチ160ヤードと1タッチダウンを記録し、チームは17-9で勝利した[15]。これはプレーオフゲームでのルーキープレイヤーの最多レシーブヤードのNFL記録であった[16]

2020年シーズン[編集]

2020シーズンのメトカーフ

第1週のアトランタ・ファルコンズ戦では、メトカーフは38ヤードのタッチダウンレシーブを含む4レシーブ95ヤードを記録し、チームは38-25で勝利した[17]

第2週のニューイングランド・ペイトリオッツ戦では、メトカーフは54ヤードのタッチダウンレシーブを含む4レシーブ92ヤードを記録した。チームは35-30で勝利した[18]

第3週ダラス・カウボーイズとのゲームの第1Qで、メトカーフは61ヤードのロングパスをキャッチした後、後ろから相手CBトレボン・ディグスが追いついていることに気付かず、ボールを片手で持っていたため相手にボールを弾かれ、エンドゾー直前でファンブルしタッチバックとなる失態をした[19][20]。しかしチームはこの試合を38-31で勝利し、メトカーフは29ヤードのタッチダウンレシーブを含む110レシービングヤードを記録した[21]

第4週のマイアミ・ドルフィンズ戦では、4レシーブで106ヤードを記録し、チームは31-23で勝利した[22]

第5週、サンデーナイトフットボールミネソタ・バイキングス戦では、試合残り15秒でチームの勝利を決定付けたタッチダウンレシーブを含む6レシーブ93ヤード、2回のタッチダウンを記録し、チームは27-26で勝利した[23]

第7週のアリゾナ・カージナルス戦、カージナルスのSFバダ・ベイカーが、シーホークスにエンドゾーン前5ヤードにまで攻められた地点で、QBラッセル・ウィルソンのパスをインターセプトした。しかし、ベイカーがフィールドの半分を横切って完全に独走になっていたにもかかわらず、メトカーフはこれを追走しリターンタッチダウンを防いだ。結果的にアリゾナはこのインターセプトから得点に繋げることが出来なかった[24]。この時のメトカーフの最高速度は時速36.44km(22.64mph)に達し、これはシーズン中のその時点までのNFLの追走記録の中で2番目に速かった[25]。このプレーは、インターセプトというビッグプレーよりもそれを追走したメトカーフのスピードに注目が集まり、SNS上でも人気のプレーとなった[26]

第8週のサンフランシスコ・49ers戦では、46ヤードのタッチダウンレシーブとランを含む12レシーブ161レシービングヤードと2つのタッチダウンを記録し、チームは37-27で勝利した[27]

第12週、マンデーナイトフットボールフィラデルフィア・イーグルス戦では、キャリアハイの10キャッチ177ヤードを記録し、チームは23-17で勝利した[28]

2020年シーズンを1,303レシーブヤード、10回のタッチダウンで終えた。1,303レシーブヤードはシーホークスのフランチャイズ記録を更新し、35年前のスティーブ・ラージェントの記録を上回った[29]。この年、シーホーク・オールプロのセカンドチームに選出された[30]

プレーオフワイルドカードゲームのロサンゼルス・ラムズ戦では、51ヤードのタッチダウンレシーブを含む5キャッチ96ヤードと2回のタッチダウンを記録したが、チームは30-20で敗戦しシーズンを終了した[31]

シーズン終了後、カリフォルニア州ウォルナット英語版で開催されたオリンピック選考会を兼ねた大会の100m予選に出場した。結果は組最下位の10秒37であったが、アメリカンフットボール選手が陸上競技で善戦する姿には、多くの賞賛が寄せられた[32]。9秒86の自己ベストを持ち、解説者を務めていた元トップ・スプリンターのアト・ボルドンはレース前に「彼の体格からすると10秒6から10秒7の間」と語っていたが、その予想を完全に覆す結果となった[33]。彼のレース出場の経緯は、この年のアリゾナ・カージナルス戦での追走劇が注目されたためであり、アメリカ陸上競技連盟はSNS上で「ぜひ参加ください」と反応していた。

詳細情報[編集]

レギュラーシーズン[編集]

年度 チーム

試合 レシーブ ラン ファンブル
出場 先発 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TD 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TD ファン
ブル数
ロスト
2019 SEA 14 16 15 58 900 15.5 54 7 2 11 5.5 7 0 3 3
2020 16 16 83 1,303 15.7 62 10 0 1 1
2021 17 17 75 967 12.9 84 12 1 6 6.0 6 0 1 0
2022 17 17 90 1,048 11.6 54 6 - - - - 0 2 2
2023 16 16 66 1,114 16.9 73 8 - - - - 0 0 0
NFL:5年 82 81 372 5,332 14.3 84 43 3 17 5.7 7 0 7 6
  • 2023年度シーズン終了時
  • 太字は自身最高記録

ポストシーズン[編集]

年度 チーム 試合 レシーブ ファンブル
出場 先発 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TD ファン
ブル数
ロスト
2019 SEA 2 2 11 219 19.9 53 1 0 0
2020 1 1 5 96 19.2 51 2 0 0
2022 1 1 10 136 13.6 50 2 0 0
通算 4 4 26 451 17.3 53 5 0 0
  • 2023年度シーズン終了時
  • 太字は自身最高記録

NFL記録[編集]

シーホークス記録[編集]

私生活[編集]

家族[編集]

父親のテレンス・メトカーフ英語版はNFLの元ラインマンである[34]

コーヒー[編集]

ESPNのアナウンサー、ジョー・テシトーレが「デカフェ・メトカーフ(“Decaf Metcalf”)」と間違って呼んでしまったことから、メトカーフはボルカニカコーヒー(Volcanica Coffee)と提携。2019年12月より、「デカフェ・メトカーフ」と表記された16オンス袋のコーヒーの販売を同社のウェブサイトで開始した。コーヒー販売の収益の一部は、メトカーフが長年の付き合いのある団体「プリズンフェローシップ」に寄付される[35]

信仰[編集]

メトカーフはキリスト教徒である[36]

脚注[編集]

  1. ^ DeKaylin Metcalf, 2016 Wide Receiver”. Rivals.com. 2021年2月5日閲覧。
  2. ^ Morales, Antonio (2017年7月19日). “Most important Rebels: No. 8 D.K. Metcalf”. Clarion Ledger. 2021年2月5日閲覧。
  3. ^ Potter, Davis (2018年4月4日). “Ole Miss’ DK Metcalf focusing on present, not future NFL decision”. The Oxford Eagle. 2021年2月5日閲覧。
  4. ^ Suss, Nick (2018年10月15日). “Ole Miss WR D.K. Metcalf out for season with neck injury sustained against Arkansas”. Clarion Ledger. 2021年2月5日閲覧。
  5. ^ Wells, Adam (2018年11月23日). “D.K. Metcalf Declares for 2019 NFL Draft After More Than 2 Seasons at Ole Miss”. Bleacher Report. 2021年2月5日閲覧。
  6. ^ NFL Draft Prospect Profile – D.K. Metcalf”. NFL (2019年3月1日). 2021年2月5日閲覧。
  7. ^ Patra, Kevin (2019年4月26日). “Seahawks snag Ole Miss receiver D.K. Metcalf”. NFL.com. 2021年2月5日閲覧。
  8. ^ D.K. Metcalf Contract Details” (英語). Spotrac.com. 2021年2月5日閲覧。
  9. ^ Close call: Seahawks hold off Dalton, Bengals for 21–20 win”. ESPN.com (2019年9月8日). 2021年2月5日閲覧。
  10. ^ Wilson, Seahawks edge Steelers 28–26 as Roethlisberger exits”. ESPN.com (2019年9月15日). 2021年2月5日閲覧。
  11. ^ Wilson throws 2 TD passes as Seattle stops Atlanta 27–20”. ESPN.com (2019年10月27日). 2021年2月5日閲覧。
  12. ^ Wilson throws 5 TDs, Seahawks outlast Bucs 40–34 in OT”. ESPN.com (2019年11月3日). 2021年2月5日閲覧。
  13. ^ D.K. Metcalf 2019 Game Log” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2021年2月5日閲覧。
  14. ^ 2019 Seattle Seahawks Statistics & Players” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2021年2月5日閲覧。
  15. ^ Wilson leads Seahawks past Eagles 17–9”. ESPN.com (2020年1月5日). 2021年2月5日閲覧。
  16. ^ Rookies with 100+ receiving yards in a postseason game”. Pro-Football-Reference.com. 2020年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
  17. ^ Seattle Seahawks at Atlanta Falcons – September 13th, 2020” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2020年2月5日閲覧。
  18. ^ New England Patriots at Seattle Seahawks – September 20th, 2020” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2020年9月22日閲覧。
  19. ^ Schwab, Frank (2020年9月27日). “Blooper of the year? DK Metcalf blows a TD, fumbles when he eases up before he crossed the goal line” (英語). Yahoo! Sports. 2021年2月5日閲覧。
  20. ^ Moore, David (2020年9月27日). “Watch: Cowboys rookie Trevon Diggs saves touchdown with goal-line strip of D.K. Metcalf” (英語). Dallas News. 2021年2月5日閲覧。
  21. ^ Jude, Adam (2020年9月27日). “Russell Wilson helps DK Metcalf redeem himself for botched touchdown with Seahawks’ game-winner” (英語). The Seattle Times. 2021年2月5日閲覧。
  22. ^ Seattle Seahawks at Miami Dolphins – October 4th, 2020” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2021年2月5日閲覧。
  23. ^ Minnesota Vikings at Seattle Seahawks – October 11th, 2020” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2021年2月5日閲覧。
  24. ^ Seahawks vs. Cardinals - Play-by-Play”. ESPN (2020年10月25日). 2021年2月5日閲覧。
  25. ^ Weinfuss, Josh (2020年10月26日). “Seahawks' DK Metcalf runs down Cardinals' Budda Baker, prevents pick-six”. ESPN.com. 2021年2月5日閲覧。
  26. ^ The best memes of DK Metcalf chasing down Budda Baker, ranked” (英語). www.sportingnews.com. 2021年2月5日閲覧。
  27. ^ Dajani, Jordan (2020年11月1日). “49ers vs. Seahawks score: Russell Wilson and DK Metcalf dominate San Francisco, Jimmy Garoppolo injured” (英語). CBSSports.com. 2021年2月5日閲覧。
  28. ^ Seattle Seahawks at Philadelphia Eagles - November 30th, 2020” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2021年2月5日閲覧。
  29. ^ Tyler Lockett & DK Metcalf Make History In Seahawks’ Week 17 Win Over 49ers” (英語). www.seahawks.com (2020年1月3日). 2021年2月5日閲覧。
  30. ^ Seahawks' Bobby Wagner, DK Metcalf, Jamal Adams make All-Pro teams”. sports.MyNorthwest.com (2021年1月8日). 2021年2月5日閲覧。
  31. ^ Wild Card - Los Angeles Rams at Seattle Seahawks - January 9th, 2021” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2021年2月5日閲覧。
  32. ^ Gonzalez, Ty Dane. “Seahawks Star DK Metcalf's 100-Meter Dash Performance Was More Impressive Than Some Believe” (英語). Sports Illustrated Seattle Seahawks News, Analysis and More. 2021年5月13日閲覧。
  33. ^ NFLのWRが陸上の100メートルで10秒37 シーホークスのメトカーフが快記録”. Sponichi Annex (2021年5月10日). 2021年6月2日閲覧。
  34. ^ Cronin, Courtney (2015年8月22日). “Oxford's Metcalf learns from a pro — his dad” (英語). The Clarion Ledger. 2021年2月5日閲覧。
  35. ^ Schefter, Adam (2019年12月8日). “Coffee brand sells 'Decaf Metcalf' after MNF gaffe” (英語). ESPN.com. 2021年2月5日閲覧。
  36. ^ Ackerman, Jon (2019年4月24日). “Receiver D.K. Metcalf aims to spread 'the Gospel through football' when he gets to NFL”. Sports Spectrum. 2021年2月5日閲覧。

外部リンク[編集]