AN/SQS-4

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AN/SQS-4
種別 スキャニング・ソナー
用途 捜索
開発・運用史
開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
就役年 1954年
送振系
周波数 中周波数(8〜14 kHz)
音源レベル 117 dB (ODT)
133 dB (RDT; SQS-29以降)
音響出力 4~50 kW
パルス幅 2, 7, 30, 120ミリ秒
送受波器系
送受波器方式 リン酸二水素アンモニウム圧電素子
装備方式 円筒形アレイ
ステーブ数 48本 (送受波器 各9個)

AN/SQS-4は、アメリカ合衆国のサンガモ社が開発した軍用ソナー

概要[編集]

先行するAN/SQS-10を発展させて、動作周波数を14kHzに変更したモデルとして開発され、1948年に提案されて、1951年より試験を受け、1954年より艦隊配備を開始した[1]。依然として攻撃用には別のソナーが必要であり、例えば海上自衛隊の護衛艦「あまつかぜ」ではAN/SQR-8が[2]、潜水艦ではAN/BQR-2/4が用いられていた。

その後、順次に低周波化されたことから、オリジナル版はmod.4、12kHz版がmod.3、10kHz版がmod.2、8kHz版がmod.1と称されるようになった。その後、これらは、音響ビームを旋回、ないしその方向を適宜変化させながら送信するRDT(Rotating Directional Transmission)能力の付与、また信頼性向上等を目的としたMARK(Maintainability And Reliability Kit)改修によって、下表のように順次に改称している[3]。平均的な探知距離は、SQS-29/30で6.9 km、SQS-31/32で5.9 kmであり、また水温躍層下の目標に対して、SQS-29の場合は2,100 yd (1,900 m)での探知が可能とされていた[4]

周波数 当初名称 RDT能力付与後 MARK改修後 送振機 直径×高さ [m] 重量
8 kHz AN/SQS-4 mod.1 AN/SQS-29 AN/SQS-39 TR-115 1.64×1.35 11,000 lb (5,000 kg)
10 kHz AN/SQS-4 mod.2 AN/SQS-30 AN/SQS-40 TR-114 1.17×1.16 10,250 lb (4,650 kg)
12 kHz AN/SQS-4 mod.3 AN/SQS-31 AN/SQS-41 n/a
14 kHz AN/SQS-4 mod.4 AN/SQS-32 AN/SQS-42 TR-116 1.03×1.05 3,730 lb (1,690 kg)

1954年より、ディーレイ級護衛駆逐艦への搭載を皮切りに、アメリカ海軍での配備が開始された。対潜ロケット砲搭載艦に広く搭載されたが、より長射程のアスロック対潜ミサイルの開発に伴ってさらなる探知距離延伸が要請されたことから、AN/SQS-29をもとに5キロヘルツ級に低周波化し、また攻撃用精密追尾機能を付加した発展型としてAN/SQS-23が開発され、1958年より配備を開始した[4]

また1960年代初頭には、可変深度ソナー版としてAN/SQA-10が開発された。これはAN/SQS-30B(RDT能力付与型AN/SQS-4 mod.2派生型)と同じTR-195送振機を使用して、やはり10kHz帯で動作するものであり、AN/SQS-4シリーズに組み合わされて搭載された。レイヤーデプス(変温層)に伴うソナー探知不能域(ブラインド・ゾーン)を解消する施策として期待されたものの、使用中に母艦の運動性が制限され、また曳航体の位置を正確に把握できないため探知を得た場合も目標情報の精度が低かったことから、有効性は限定的なものであった[5]

搭載艦艇[編集]

 アメリカ海軍

 海上自衛隊

 イタリア海軍

 スペイン海軍

 ポルトガル海軍

参考文献[編集]

  1. ^ Thaddeus Bell (2010年). “Probing the Ocean for Submarines A History of the AN/SQS-26 Long-Range, Echo-Ranging Sonar (PDF)” (英語). 2012年8月25日閲覧。
  2. ^ 香田洋二「国産護衛艦建造の歩み 第7回 1次防艦 その2“あまつかぜ”」、『世界の艦船』第780号、海人社、2013年7月、 104-111頁、 NAID 40019692292
  3. ^ BUPERS (1969). “Chapter 8 - Sonar Equipment”. US Navy Shipboard Electronic Equipments NAVSHIPS 10794-C. 合衆国政府印刷局. http://www.navy-radio.com/manuals/10794c/10794c-08.pdf. 
  4. ^ a b Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 9781557502681. http://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC. 
  5. ^ 香田洋二「国産護衛艦建造の歩み 第12回 2次防その4「やまぐも」型「みねぐも」型 2次防艦の電気部/SQS-35VDS」、『世界の艦船』第788号、海人社、2013年12月、 150-157頁、 NAID 40019837845

関連項目[編集]