素数階乗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。2400:2650:39e2:f300:86f:cb4e:317:c97f (会話) による 2019年11月22日 (金) 05:52個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎数学的性質)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

階乗(黄色)と素数階乗(赤)の値の推移

素数階乗(そすうかいじょう)とは、2 以上の自然数に対してそれ以下の素数全ての総乗のことである。自然数 n の素数階乗は、記号では n# で表す。

2# = 2
3# = 3 × 2 = 6
4# = 3# = 6
5# = 5 × 3# = 30
6# = 5# = 30

これらから分かるように n# は、 n 以下の最大の素数を p として、p# に等しい。p に素数の値を小さい順に代入していくことより、素数階乗の値は小さい順に

2, 6, 30, 210, 2310, 30030, 510510, 9699690, 223092870, 6469693230, …(オンライン整数列大辞典の数列 A002110)

数学的性質

証明:最大の素数の存在を仮定し、それを pmax とおくと、pmax# + 1pmax 以下の素数で割り切れない。仮定より pmax# + 1 未満の素数は以上で全てなので pmax# + 1 は 1 と自分自身以外の因数を持たないことが言える。したがって pmax# + 1 は素数でなければならないことになるが、これは pmax を最大の素数とした仮定に反する。したがって最大の素数は存在しない。(証明終)
実際には、素数 p に対する p# + 1 は素数であることもあれば、合成数であることもある。素数である例としては 11# + 1 = 2311 などが、合成数である例としては 13# + 1 = 30031 = 59 × 509 などがある。いずれにせよ、p# + 1 の素因子は全て p よりも大きい。
720 = 22 × 61 × 301

素数階乗数の最初の二十個

p01# = 02# = 2
p02# = 03# = 6
p03# = 05# = 30
p04# = 07# = 210
p05# = 11# = 2310
p06# = 13# = 30030
p07# = 17# = 510510
p08# = 19# = 9699690
p09# = 23# = 223092870
p10# = 29# = 6469693230
p11# = 31# = 200560490130
p12# = 37# = 7420738134810
p13# = 41# = 304250263527210
p14# = 43# = 13082761331670030
p15# = 47# = 614889782588491410
p16# = 53# = 32589158477190044730
p17# = 59# = 1922760350154212639070
p18# = 61# = 117288381359406970983270
p19# = 67# = 7858321551080267055879090
p20# = 71# = 557940830126698960967415390

関連項目