筋子
筋子(すじこ)とは、サケ科の卵巣に入ったままの卵、またはそれを塩蔵したものである。その名の通り、筋(すじ)のような卵巣膜によって卵が繋がっている。この卵巣膜を取り除きバラバラにしたものをイクラもしくはバラ子と呼ぶ。
概要
卵巣膜から卵を外す前のものは全て筋子と呼ばれるが、流通しているものの多くは塩蔵品であり、特に断りなく筋子という場合ほとんどが塩蔵品である。このため、特に未加工の筋子を生筋子と呼んで区別する。東北地方では塩蔵品を「筋子」、未加工品を「腹子(はらこ)」と呼んで区別する。
延喜式には、サケとその加工品として「内子鮭(こごもりのさけ)」、つまり筋子をもったサケの記載がある[1]。
塩漬けにして食されることが多いが、醤油漬け・粕漬けなども作られる。いずれも味付けしたものを生食し、火を通すことは稀である。
筋子としてそのまま食べる場合は、皮の柔らかい未熟なものが好まれ、ある程度成熟したものはイクラに加工される。河川に入り遡上をはじめた魚の筋子は、ほぼ完全に卵がほぐれてゴム毬のように硬くなっており、食用には適さない。
別名
魚の種類に応じて次のようにも呼ばれる。「サケ子」のように「子」だけ漢字を使いカタカナ表記されることが多い。またイクラに加工されると「紅イクラ」のように「子」を「イクラ」に変える。
- サケ子、チャム子、ハラ子
- シロザケの筋子。
- ベニ子
- ベニザケの筋子。
- ギン子
- ギンザケの筋子。
- マス子
- カラフトマス(ピンクサーモン)の筋子。またはカラフトマス、サクラマス、ニジマス、ブラウントラウト、イワナなどの筋子の総称。
- キング子
- マスノスケ(キングサーモン)の筋子。
その他
筋子は魚卵の中では高価であり、特にシロザケのものは最も商品価値が高いが、外食産業向けにはやや安価なギンサケやカラフトマスのものが多く流通している。