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アオノイワレンゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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アオノイワレンゲ
青森県下北半島 2018年10月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
: ユキノシタ目 Saxifragales
: ベンケイソウ科 Crassulaceae
: イワレンゲ属 Orostachys
: ゲンカイイワレンゲ
O. malacophylla
変種 : アオノイワレンゲ
O. m. var. aggregeata
学名
Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. aggregeata (Makino) H.Ohba[1]
シノニム
  • Sedum iwarenge (Makino) Makino var. aggregeatum (Makino) Ohwi[2]
  • Sedum aggregeatum (Makino) Makino[3]
  • Orostachys aggregeata (Makino) H.Hara[4]
和名
アオノイワレンゲ(青の岩蓮華)

アオノイワレンゲ(青の岩蓮華、学名:Orostachys malacophylla var. aggregeata)は、ベンケイソウ科イワレンゲ属多年草。開花すれば枯死する一稔性植物で、花後に葉腋から腋芽や走出枝をだして繁殖する。ゲンカイイワレンゲ - O. malacophylla var. malacophylla を分類上の基本種とする変種[5][6]

特徴

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一稔性植物で、地下に根茎はない。根出葉ロゼット状に開き、ロゼットの径は1.5-3cmになる。ロゼットのは緑色で、粉白色をおびない。葉身は多肉で扁平、倒卵状披針形から楕円形で、長さ1-2cm、幅1-1.5cm、先端は鈍頭から円頭で、同属のツメレンゲ O. japonica にある短針状突起はない[5][6]

花期は9-10月。ロゼットの中央の軸部分が高さ約10cmの円錐状の花茎になり、多数のを密につける。花序には葉状のがつき、花柄の基部に小苞がある。裂片は5個で基部で合生し、長さ3-4mmで狭卵形になる。花弁は白色をし、5個で斜めに開き、長さ5-7mmで広線形から倒披針形で先は鋭頭。雄蕊は2輪で10個あり、花糸は花弁よりやや長く、裂開直前の葯は赤紫色になる。雌蕊は5個でほぼ離生して直立し、花柱は長さ1-2mmになり、基部は柄状になる。雌蕊の背面に蜜腺があり、狭長楕円形で長さ0.7mm、淡黄色になる。果実は5個の袋果。種子は楕円形で長さ約1mmになる[5][6]

分布と生育環境

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日本では、南千島、北海道、本州の東北地方に分布し、海岸の岩上に生育するが、内陸部の山地の岩場にも生育する[5]。国外では、ロシア沿海地方サハリンに分布する[6]

名前の由来

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和名アオノイワレンゲは、緑色の岩蓮華の意味で、葉が粉白色をおびず緑色をしていることによる。「岩蓮華」とは岩場に生えており、かつ、葉が重なっている様子をハスの花、蓮華にたとえたもの[6]

属名 Orostachys は、ギリシャ語で Oros「山」と Stachys「穂」による合成語で、「山に生え、穂状花序であること」から。種形容語 (種小名malacophylla は、「やわらかな葉の」の、変種名 aggregeata は、「群生の、密集した」の意味[6]

ギャラリー

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分類上の基本種

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  • ゲンカイイワレンゲ Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. malacophylla[7] - ロゼットは径10cm。根出葉の葉身は長楕円形または長楕円状さじ形で、長さ1.5-10cm、幅1-3cm、先は鈍頭または円頭、縁は全縁になる。ロゼットの中央から伸びる花茎は高さ10-20cmになる。日本では九州北部と対馬に分布する。日本以外では、朝鮮半島中国大陸(東北部)、ロシアの沿海地方・サハリンなど、日本海沿岸地域に広く分布する[5]

下位分類

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  • ウスベニレンゲ Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. aggregeata (Makino) H.Ohba f. rosea (Sugaya) H.Ohba[8] - 花弁や葯が淡紅色になる品種[5]

脚注

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  1. ^ アオノイワレンゲ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ 29807 アオノイワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ アオノイワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ アオノイワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  5. ^ a b c d e f 『改訂新版 日本の野生植物2』pp.220-221
  6. ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.529, p.1470, p.1482, p.1501
  7. ^ ゲンカイイワレンゲ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  8. ^ ウスベニレンゲ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献

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