黒木亮
黒木 亮 | |
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誕生 |
金山 雅之 1957年 北海道赤平市 (北海道雨竜郡秩父別町育ち) |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
国籍 |
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教育 | 早稲田大学法学部(学士) |
最終学歴 | カイロ・アメリカン大学大学院中東研究科(修士) |
活動期間 | 2000年 - |
ジャンル | 金融、ノンフィクション |
代表作 | 『巨大投資銀行』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『島のエアライン』『国家とハイエナ』 |
デビュー作 | 『トップ・レフト:ウォール街の鷲を撃て』 |
黒木 亮(くろき りょう、1957年 - )は、日本の小説家。
経歴・人物[編集]
北海道赤平市生まれ、雨竜郡秩父別町育ち。実家は秩父別町の神社。黒木は生後7ヶ月で養子に出されてそこで育った[1]。
北海道深川西高等学校、早稲田大学法学部卒業後、三和銀行に入行。同行の海外派遣制度でカイロ・アメリカン大学に留学し、修士号(中東研究科)を取得。同行ロンドン支店国際金融課でトルコ・中東・アフリカ向けの国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス等に関る。その後、ロンドンの証券会社を経て、三菱商事ロンドン現地法人に入社[2]。同社でプロジェクト金融部長を務めながら2000年10月に上梓した国際金融小説『トップ・レフト』で小説家として一躍脚光を浴びる。
2003年7月に同社を退社し、専業作家となってからはコンスタントに作品を発表し続けている[3]。本名の金山雅之(かなやま まさゆき)名義で『ロンドン国際金融の仕掛人』、『国際銀行マンロンドン発』などの書籍も執筆している。産経新聞紙上で連載された『法服の王国』(のち単行本化され出版)は、青年法律家協会メンバーや反原発の人々を主に主人公として戦後司法史を描き、小説が保守系の新聞において掲載された。
早稲田大在学中は競走部に所属し、大学4年時にはロード20kmで1時間1分58秒8の北海道新記録を出している。また箱根駅伝には2年連続で出場し[4]、第55回大会(1979年)では、3区のランナーとして2区の瀬古利彦からトップで襷を受け取り、首位のまま4区へ繋いでいる[5]。
黒木の実父は明治大学のランナーとして箱根駅伝を走り、1947年(昭和22年)の戦後第1回の第23回大会で10区を走り優勝のゴールテープを切った田中久夫であり[1]、その実父との邂逅や競走部時代の瀬古利彦や中村清のエピソード、自らの陸上競技人生に関しては『冬の喝采』に詳しく書かれている[1]。本書は自伝的小説という位置づけではあるが、ほぼノンフィクションである。
金融マン時代の1988年からロンドンに住んでおり、同地を拠点に創作活動を行っている。
作品一覧[編集]
- 『トップ・レフト:ウォール街の鷲を撃て:長編国際経済小説』(2000年、祥伝社。角川書店にて2005年文庫化)
- 『虚栄の黒船:小説エンロン』(2002年、プレジデント社)
- 『アジアの隼』(2002年、祥伝社。2004年、文庫化)
- 『トップ・レフト:都銀vs.米国投資銀行:長編国際経済小説』(2002年、祥伝社)
- 『青い蜃気楼:小説エンロン』(2003年、角川文庫)
- 『シルクロードの滑走路』(2005年、文藝春秋。角川書店にて2009年文庫化)
- 『巨大投資銀行』(上下巻、2005年、ダイヤモンド社。角川書店にて2008年文庫化)
- 『カラ売り屋』(2007年、講談社。2009年に文庫化)
- 『貸し込み』(上下巻、2007年、角川書店)
- 『エネルギー』(上下巻、2008年、日経BP社。講談社にて2010年文庫化)
- 『冬の喝采』(2008年、講談社。幻冬舎にて『冬の喝采:運命の箱根駅伝』として2013年文庫化)
- 『リストラ屋』(2009年、講談社。ザ・コストカッターと改題し文庫化)
- 『排出権商人』(2009年、講談社。角川書店にて2011年文庫化)
- 『トリプルA:小説格付会社』(上下巻、2010年、日経BP社。幻冬舎にて2012年文庫化)
- 『獅子のごとく:小説投資銀行日本人パートナー』(2010年、講談社。幻冬舎より2013年文庫化)
- 『リスクは金なり』(2011年、エッセイ集)
- 『赤い三日月:小説ソブリン債務』(上下巻、2011年、毎日新聞社)
- 『ザ・コストカッター』(2012年、角川書店)
- 『鉄のあけぼの』(上下巻、2012年、毎日新聞社)
- 『法服の王国:小説裁判官』(上下巻。2013年、産経新聞出版から出版)
- 『兜町(しま)の男:清水一行と日本経済の興亡』
- 『対米交渉人』(毎日新聞社『本の時間』で連載終了)
- 『ザ・原発所長』(2015年、朝日新聞出版)
- 『世界をこの目で』(2015年、毎日新聞出版。角川書店にて2018年文庫化)エッセイ集。
- 『国家とハイエナ』(2016年、幻冬舎。幻冬舎にて2019年文庫化)
- 『島のエアライン』(「サンデー毎日」にて2016年10月から2018年1月まで連載。2018年、上下巻で毎日新聞出版から出版[6]。プロローグが毎日新聞ホームページ上で公開されている)
- 『アパレル興亡』(2020年、岩波書店)
- 『カラ売り屋、日本上陸』(2020年、角川書店)
脚注[編集]
- ^ a b c "【箱根への道】黒木亮さん、不朽の名作の「その後」…実父とタスキをつないだ夏苅晴良さんと面会". スポーツ報知. 報知新聞社. 28 March 2020. 2020年12月9日閲覧。
- ^ “この著者に聞け 日本を破綻に追い込む 鳩山政権の地球温暖化対策 このままでは20兆円以上の支出にも”. 現代ビジネス. (2010年1月12日) 2014年2月13日閲覧。
- ^ “出版社への「飛び込み」が作家への道を拓く | リーダーシップ・教養・資格・スキル” (日本語). 東洋経済オンライン (2015年12月28日). 2019年10月28日閲覧。
- ^ “作家・黒木亮 キムチ・ダイエットのすすめ 46日で8kgやせました”. 現代ビジネス. (2011年9月21日) 2014年2月13日閲覧。
- ^ 早稲田大学箱根駅伝全成績 第51回~60回
- ^ 「「くまモン」の熊本県庁マンがつくった航空会社物語 『島のエアライン』 | J-CAST BOOKウォッチ」『J-CAST BOOKウォッチ』、2018年7月7日。2018年8月10日閲覧。