黒く濁る村

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黒く濁る村
이끼
監督 康祐碩
脚本 チョン・ジウ
製作 シネマ・サービス
出演者 パク・ヘイル
チョン・ジェヨン
音楽 チョ・ヨンウク
撮影 キム・ソンボク、キム・ヨンフン[1]
編集 コ・イムピョ[1]
配給 大韓民国の旗 CJエンターテインメント
公開 大韓民国の旗 2010年7月15日
日本の旗 2010年11月20日
上映時間 161分
製作国 大韓民国の旗 韓国
言語 韓国語
製作費 約5億7080万円[2]
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黒く濁る村
各種表記
ハングル 이끼
漢字
発音 イッキ
題: Moss
(Ikki)[1]
(Iggi)[3]
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黒く濁る村』(くろくにごるむら、原題:이끼〈苔〉)は、2010年韓国映画。英題は『MOSS』。康祐碩(カン・ウソク)監督の作品。

ストーリー[編集]

1978年ごろ。ベトナム戦争帰りのよそ者ユ・モッキョンは村の祈祷院(きとういん)で修行にはげみ、人望を得ていた。

約30年後、息子のヘグクは父モッキョンが死んだと知らせを受け、疎遠だった父の葬儀のために村にやって来る。ヘグクは刑事だったが、失職して離婚している。村人たちは喪主のヘグクを歓迎しない。葬儀後にはソウルへ帰ることをうながす村人たちの意に反して、父の死に疑問を持ったヘグクは村にとどまる。ヘグクは、亡父の部屋に残されたカセットテープを聞いて、村人ソンマンとソンギュの犯歴を知る。父の家からソンマンの家に通ずる地下のかくし通路を発見したヘグクは、ソンマンの部屋を調べているときに、ソンマンに刺される。腹を刺され、山に逃げるヘグクを追いつめたソンマンは、ヘグクの投石で崖から転落死する。亡父の部屋にもどったヘグクは父の聖書を手に取り、「目には目を[注 1] のページの欄外に「チョン・ヨンドク」と村長の名前が書き込まれていることを知る。ソンマンの葬儀の場でヘグクは村人ジュンベにすべてを話すと言われて呼び出される。だまされたヘグクは柱にしばりつけられ殺されかけるが、村の雑貨店の女主人ヨンジに助けられる。ジュンベは火事にまきこまれ焼死する。その後、村長の使い走りのドクチョンが村長に呼び出され、死体で発見される。ヘグクは村長の家に行き、父を殺したかと問い、村の指導者だった父の生前について聞かされる。

いっぽう、ヘグクの頼みを聞いて捜査を始めた検事のミヌクは、過去に祈祷院で信者27人全員が殺され、院長が自殺したとされる事件があったことを知る。捜査をすすめたミヌクは撤収命令を無視して村に乗り込み、村長の贈賄の証拠書類を確保する。逮捕連行されようとするとき、村長はピストル自殺する。

事件後、村を去ったヘグクは村を再訪する。山の上の今は亡き村長の豪壮な家から、村にやって来たヘグクを遠く見おろすヨンジの姿を見て、ヘグクは父の死を知らせた電話の声はヨンジだったことに気づく。ヘグクは目をあげて、あらためてヨンジの姿を見る。ヨンジの表情が変化する。

登場人物[編集]

チョン・ヨンドク - チョン・ジェヨン [4]
村長(里長)。元刑事。村の祈祷院(きとういん)で信者が殺され、院長が自殺した事件のとき、現場にいた。瀕死の院長に誰の仕業かとたずね、「ユ・モッキョン」という言葉を聞いたと話す。贈賄の証拠を検察に確保されて、ピストル自殺する。
ユ・ヘグク - パク・ヘイル
ソウルの元刑事。失職して離婚。父モッキョンの死を知って、父のいた村へ葬儀のためにやって来る。父とは疎遠。
パク・ミヌク - ユ・ジュンサン
検事。ヘグクの申告によって、ソウルから左遷させられた。ヘグクの頼みを聞いて捜査を始める。
イ・ヨンジ - ユソン
村で雑貨店を経営。夜には不特定の村の男たちの相手をする。村長とも男女の仲。10代のころ、村人5人[注 2] に強姦されて妊娠。産んだ子を川に投げ捨てられる。犯人は当時刑事だったヨンドク(村長)が逮捕。ヨンドクは部下と共に犯人(4人)をリンチ。その様子をヨンジに見せた。
ユ・モッキョン - ホ・ジュノ
ヘグクの父。村の祈祷院で人望のあつい修行者、指導者だった。ベトナム戦争帰り。村長を殺そうとしたことがある(村長の話)。所有していた土地・財産が村長のものになっている。妻(ヘグクの母)とは別居。妻の死を知ったのは葬儀後だった。
キム・ドクチョン - ユ・ヘジン
村人。村長の使い走り。村長の言われるままに人を殺したとヘグクたちに話す。村長に呼び出されたあと、死体で発見される。
チョン・ソンマン - キム・サンホ
村人。村に来る前に、金を持ち逃げした男を猟銃で撃ち殺した。工具などを売る店を経営する。ヘグクの腹を刺し、逃げるヘグクを山へ追いつめるが、ヘグクの投石によって崖から落ちて死ぬ。
ハ・ソンギュ - キム・ジュンベ
村人。村に来る前に、島で居酒屋を経営。火事の際に売春婦8人を見殺しにした。だまして呼び出したヘグクをしばりあげ、殺そうとするが、必死のヘグクが起こした火事を見てかけつけたヨンジに止められ、火事の家から持物を運び出そうとして焼死する。
チョン巡査 - イム・スンデ
村長の息子。証拠隠滅のため雑貨店に放火して、みずから焼死。

製作・エピソード[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督:康祐碩 (カン・ウソク)
  • 原作:尹胎鎬 (ユン・テホ)
  • 脚本:チョン・ジウ
  • 撮影:キム・ソンボク、キム・ヨンフン
  • 照明:カン・デヒ
  • 音楽:チョ・ヨンウク

作品の評価[編集]

興行成績[編集]

2010年度公開時、韓国での観客動員数は335万人を記録する[5]

受賞歴[編集]

  • 第18回 利川春史大賞映画祭 春史大賞作品賞 監督賞 男優助演賞 撮影賞 照明賞 音楽賞 編集賞
  • 第47回 大鐘賞 監督賞 技術賞 音響技術賞 撮影賞

原作[編集]

  • 韓国の尹胎鎬(ユン・テホ)のウェブ・コミック(漫画)[6]

DVD[編集]

  • 『黒く濁る村』 JAN:4907953036895(2011年7月2日発売)

書籍[編集]

  • 金鍾一 著、尹胎鎬 原作、李明姫 訳、相田冬二 日本語版ノベライズ 『黒く濁る村』 AC Books、2010年 ISBN 978-4-904249-26-0 [7]
    • (原作漫画の小説化本)

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 聖書 検索ページ 「目には目、歯には歯、手には手、足には足、やけどにはやけど、生傷には生傷、打ち傷には打ち傷をもって償わねばならない。」 聖書本文検索(新共同訳日本聖書協会 「『出エジプト記』 21章 24節 25節」(字幕) 2011年9月11日閲覧。
  2. ^ 聖書の「目には目(を)」のページ欄外に書きつけられた名前: ミョン・ドックン、パク・チルク、ユ・ジュンデ、ナ・パンス、アン・テジュン。

出典[編集]

  1. ^ a b c 이끼 (苔) KMDb 2011年8月4日閲覧。
  2. ^ 制作費 共同通信PRワイヤー (2011年8月31日閲覧)
  3. ^ Iggi IMDB 2011年8月31日閲覧。
  4. ^ 이끼 (苔) Daum 영화(映画)(韓国語) 2011年9月9日閲覧。
  5. ^ 観客動員数 연도별 박스오피스 (年度別 ボックスオフィス) KMDb (朝鮮語)
  6. ^ 関連記事 Koriabrand.net(日本語)
  7. ^ デジタルアーカイブ 詳細情報 国立国会図書館 デジタルアーカイブポータル 2011年9月9日閲覧。

外部リンク[編集]