高實康稔

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高實 康稔(たかざね やすのり、1939年 - 2017年4月7日[1])は、日本のフランス文学者長崎大学名誉教授。

略歴[編集]

山口市出身。1969年、九州大学大学院文学研究科仏語仏文学専攻博士課程中退、長崎大学教養部講師赴任(フランス語)。1971年、フランス政府招聘研修員としてポー大学グルノーブル大学(en:Grenoble Alps University)に留学の後、私費でパリ大学に延長留学し、翌1972年帰国。1993年、同教養部教授。1995年、「岡まさはる記念長崎平和資料館」を有志とともに設立。1997年、教養部改組に伴い環境科学部教授(異文化交流論)に就任。2005年、定年退職。その後は長崎在日朝鮮人の人権を守る会会長[2][3]、岡まさはる記念長崎平和資料館理事長[2]。2006年、フランス政府よりパルム・アカデミックフランス語版英語版(学術功労勲章)のシュヴァリエ階級を受章。

人物[編集]

吉田松陰松下村塾を批判しており、2016年1月の論文「長崎と朝鮮人強制連行」(大原社会問題研究所)において、「近代日本の侵略思想の原点は吉田松陰と福沢諭吉にあるといって過言でない。(中略)松下村塾を世界文化遺産にふさわしいとすることは、これを推薦した日本政府が松陰の侵略思想を肯定することであり、ユネスコにしても『人類の普遍的な価値を保護する』(世界遺産条約)使命に反して不見識かつ重大な過ちを犯した」「(松下村塾を)アウシュビッツリバプール(奴隷貿易港)のように、教訓とすべき負の世界遺産として位置づける可能性は追求されてよい」「歴史の反面教師とするべき遺産を『負の遺産』と呼ぶ」と主張している[4]

三輪宗弘九州大学教授)によると、理事長を務める岡まさはる記念長崎平和資料館において、1926年9月の『旭川新聞』に掲載された日本人道路工事労働者の写真を「長崎県端島軍艦島)=地獄島」の写真として展示しており、櫻井よしこから「旧日本軍とは無関係の写真を日本軍の残虐行為に結びつけて、捏造した歴史を展示し続けている」「岡まさはる記念館理事長の高實康稔氏、その他少なからぬ日本人は嘘や捏造を指摘されても訂正しない」「歴史を歪曲する幅広い人脈が内外に広がっている」と批判されている[5][6]

著者として名を連ねる『軍艦島に耳を澄ませば』(社会評論社)には、「朝鮮人は劣悪な労働条件と暴力の中で死闘の毎日」「ゴムのチューブで皮膚が裂けるほど叩かれ、拷問」「賃金をもらったことがない」という朝鮮人徴用工の証言が掲載されているが、旧島民は「自分は死んでも(朝鮮人の)部下を殺を殺すような風習はない。それくらいにやっぱり人間味のある端島独特のですね、人情論ですよ」「端島から朝鮮に引き揚げるときに、海岸に行って手を振ってさよならって言ってみんなを朝鮮に帰した」「何十年と端島に住みましたけど、虐待したとか、そういうこと絶対ありません」「必ず給料日には並んでもらいにきとった、判もって」「朝鮮の人なんかはもうみんなその頃は炭鉱が(好)景気で、よそから来ますから、家族連れで」などの反論を徴用工に支払った給与明細などを根拠に反論している[7][8]

著書[編集]

  • 「韓国・朝鮮人被爆者と強制連行」 岡まさはる記念長崎平和資料館、1996年

共著[編集]

  • 「8ケ国語訳「世界の人へ」 : 朝鮮人被爆者の記録」 同時代社、1994年 ISBN 978-4886833129
  • 「朝鮮人被爆者とは : かくされた真実」 長崎在日朝鮮人の人権を守る会、1986年

翻訳[編集]

  • 「日本の想い出 Souvenir du Japon」 le comte de Lijnden(リンデン伯) 著 ; 杉村邦夫, 嘉村国男 構成編集 ; 小林勝 撮影 ; 高實康稔 訳 長崎文献社、1983年
  • 「自然が滅びぬうちに」 Jean Dorst著 ; 高實康稔, 相磯佳正編 駿河台出版社、1973年

参考文献[編集]

出典[編集]

  1. ^ 岡まさはる記念長崎平和資料館理事長の高実康稔さん死去 中國新聞 2017年4月12日付
  2. ^ a b 軍艦島の世界遺産登録は歴史隠蔽のため=長崎大教授”. 聯合ニュース (2015年11月27日). 2015年11月28日閲覧。
  3. ^ 長崎朝鮮会館で古本市再開/国賠訴訟を支援するため”. 朝鮮新報 (2014年6月20日). 2015年11月28日閲覧。
  4. ^ “「徴用工」に注がれる科研費 前文部科学事務次官の前川喜平氏は韓国と同調”. 産経新聞. (2017年12月13日). オリジナル2018年1月9日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180108193815/http://www.sankei.com/world/news/171213/wor1712130007-n5.html 
  5. ^ “歴史捏造・歪曲と「血債」 ナチスと同列に置こうとする危険な人脈”. 産経新聞. (2017年3月6日). オリジナル2017年3月6日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170306004405/http://www.sankei.com/politics/news/170306/plt1703060002-n1.html 
  6. ^ “歴史捏造・歪曲と「血債」 ナチスと同列に置こうとする危険な人脈”. 産経新聞. (2017年3月6日). オリジナル2017年3月6日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170306004440/http://www.sankei.com/politics/news/170306/plt1703060002-n2.html 
  7. ^ “事実は正直だ 軍艦島旧島民の証言録の一日も早い公開を”. 産経新聞. (2017年12月4日). オリジナル2018年1月9日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180108191635/http://www.sankei.com/world/news/171204/wor1712040001-n3.html 
  8. ^ “事実は正直だ 軍艦島旧島民の証言録の一日も早い公開を”. 産経新聞. (2017年12月4日). オリジナル2018年1月9日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180108191936/http://www.sankei.com/world/news/171204/wor1712040001-n4.html 
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]