雪印牛肉偽装事件

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雪印牛肉偽装事件(ゆきじるしぎゅうにくぎそうじけん)とは、2001年(平成13年)10月に日本で起きた牛肉にまつわる補助金詐取事件。2002年(平成14年)から2004年(平成16年)に発覚した牛肉偽装事件の最初の事件である。

本事件により、BSE関連の補助金詐欺の実態が暴露され、他の補助金詐欺事件が発覚するきっかけともなった事件である。

事件の概要[編集]

2001年9月10日、日本産牛肉に牛海綿状脳症 (BSE)にかかったものがあることが農林水産省から発表された。

これを受けて農林水産省がBSE対策として実施した、全頭検査前の国産牛肉買い取り事業を悪用し、雪印食品関西ミートセンター(兵庫県伊丹市)のスタッフが、外国産の牛肉を国内産と偽って国内産牛肉のパッケージに詰め、農林水産省に買い取り費用を不正請求した。

事件を起こした雪印食品は、前年の2000年に親会社である雪印乳業(現:雪印メグミルク)が起こした雪印集団食中毒事件に対する雪印乳業の対応の悪さ、また当時の社長の失言がマスメディアで大々的に取り上げられたことによる影響から、雪印は大変厳しい経営を強いられていた。

それに加えて、BSE問題が追い打ちをかけたため、2001年10月、雪印の経営を何とか好転させようと苦し紛れに偽装事件を起こした。

事件の背景には外国産牛肉が安価で、日本産は高価であるという価格差問題があった。このため買い取り事業において、日本産牛肉の買い取り価格より、外国産牛肉の購入価格の方が安いという内外価格差が生じた。これに目をつけ外国産牛肉を日本産と偽ることにより、外国産牛肉の購入価格と日本産牛肉の買い取り価格の価格差から来る莫大な利得(税金由来の補助金の騙し取り)を見込んでの犯罪であった。

これらの事情から、先述の雪印集団食中毒事件の影響で厳しい経営を強いられていた雪印食品にとっては、この買い取り事業が「経営を何とか好転させる大きなチャンス」と見ていたことが窺える。

偽装事件の影響から雪印グループ各社も経営責任を問われ、「雪印集団食中毒事件」に続いて各地で雪印グループ製品の不買運動が発生。スーパーで陳列を見合わせるなどの影響が発生し、雪印乳業の株価が暴落するなど、酪農農家への大打撃も心配される事となった。

結局この事件が決定打になって、雪印食品は廃業解散した(清算)。雪印グループの単独提供だったテレビ朝日の『料理バンザイ!』が2002年3月31日放送分で番組終了となり、20年の歴史に幕を閉じる結果ともなった。


発覚から会社清算まで[編集]

  • 2002年
    • 1月23日 - 取引があった冷蔵会社・西宮冷蔵内部告発によって発覚
    • 1月28日 - 雪印食品が国内産牛肉の産地を偽っていたことを発表
    • 1月29日 - この責任を取って雪印食品の社長が即刻辞任、同時に食肉部門からの撤退を発表
    • 2月1日 - 詐欺罪容疑で農林水産省近畿農政局が告発
    • 2月2日 - 兵庫県警察本部などの合同捜査本部が雪印食品本社や関西ミートセンターを捜索
    • 2月22日 - 経営再建を断念、会社を清算(解散)する方針を固める
    • 3月7日 - 偽装工作に関わっていた関西ミートセンター長ら19人を懲戒解雇
    • 3月30日 - 営業業務を全て終了、翌日付で社員を解雇
    • 4月26日 - 雪印食品臨時株主総会開催。会社の解散を決議、4月30日正式に解散
    • 5月10日 - 事件の主犯格とされる本部長ら5人を、詐欺罪の容疑で合同捜査本部が逮捕(その後、2004年7月に元専務ら2人が無罪判決)
  • 2005年8月12日 - 雪印食品の清算が完了、雪印食品株式会社は法人として完全消滅

関連項目[編集]