鈴木晃仁

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鈴木 晃仁(すずき あきひと、1963年12月12日 - )は、日本の医学史研究者。慶應義塾大学経済学部教授。

略歴・人物[編集]

静岡県生まれ。静岡県立清水東高等学校卒、1986年東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学専攻を卒業、同大学院総合文化研究科地域文化研究(イギリス文化)に進学、1992年ロンドン大学ウェルカム医学史研究所で博士号を取得した。博士論文は啓蒙主義時代イングランドの精神医学思想史を主題とし、指導教官はロイ・ポーターであった。その後、ウェルカム財団医学史研究所リサーチ・フェロー、アバディーン大学研究員などを経て、1997年に慶應義塾大学助教授となり、2005年から現職。

処女作となるMadness at Homeは、ミシェル・フーコー『狂気の歴史』以来議論の耐えない、精神疾患とされた人たちの精神病院への「大規模監禁」(great confinement)をめぐる論争に「家族」というフレッシュな視角をもたらした力作である。同書は、「患者」のケアや政策形成における「家族」の重要性を明らかとし、精神科医プロフェッションや医学思想に重点を置いた従来の精神医療史観に重要な訂正を加えた。また、同書の視野はさらに広く、19世紀イングランドにおける「狂人の監禁」とは公的な世界と私的な世界の相互的な交渉によって成り立っていた(あるいは成り立たなかった)ものであること、また、家族だけでなく、救貧法行政や治安行政など様々な歴史的エージェントを交えながら構築された事象であったことなども論じられている。同書は、刊行後すぐに各方面より高い評価を受けている。

また、近年はイングランド精神医療史にとどまらず、近代日本における精神医療や健康調査に関する論考や、数量データベースを用いた疫学的研究、身体と医療に関するカルチュラル・スタディーズなど、その業績は多岐に及んでいる。

妻は静岡大学教授(英文学)の鈴木実佳

単著[編集]

  • Madness at Home: The Psychiatrist, the Patient, And the Family in England, 1820-1860. (Berkeley: University of California Press, 2006).

共編著[編集]

  • Science of the Body and the Mind, vol.2 of Literature and Science 1660-1834, co-edited with Clark Lawlor (London: Pickering and Chatto, 2002).
  • 石塚久郎共編)『身体医文化論――感覚と欲望』(慶應義塾大学出版会、2002年)
  • Literature and Science, 1660-1834, general editor, Judith Hawley; advisory editor, Akihito Suzuki 8.vols, (London: Pickering & Chatto, 2003-2004).
  • (石塚久郎共編)『身体医文化論IV――食餌の技法』(慶應義塾大学出版会、2005年)
  • 川越修共編)『分別される生命――二〇世紀社会の医療戦略』(法政大学出版局、2008年)
  • 北中淳子共編)『精神医学の哲学2 精神医学の歴史と人類学』(東京大学出版会、2016年)

翻訳[編集]

  • ウィリアム&ヘレン・バイナム『Medicine 医学を変えた70の発見』鈴木実佳共訳 医学書院、2012
  • ウィリアム・バイナム『医学の歴史』鈴木実佳共訳 丸善、2015

外部リンク[編集]