金建希
| 金 建希 김건희 | |
|---|---|
| 韓国大統領夫人 | |
| 任期 2022年5月10日 – 2025年4月4日 | |
| 大統領 | 尹錫悦 |
| 前任者 | 金正淑 |
| 後任者 | 金恵景 |
| 個人情報 | |
| 生誕 | 金建希(旧名:金命新) 1972年9月12日(53歳) |
| 国籍 | |
| 配偶者 | 尹錫悦(2012年 -) |
| 出身校 | 国民大学校テクノデザイン大学院デジタルコンテンツデザイン学科博士取得 |
| 職業 | 実業家 |
| 署名 | |
| 金建希 | |
|---|---|
| 各種表記 | |
| ハングル: | 김건희 |
| 漢字: | 金建希 |
| 発音: |
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金 建希(キム・ゴニ[1][2][3]、キム・ゴンヒ[4]、韓国語: 김건희、Kim Kun-hee、1972年9月12日 - )は、大韓民国の女性実業家。元韓国大統領の尹錫悦の妻[4]。本貫は善山金氏[5]。2000年代以前の本名は金命新(キム・ミョンシン、김명신)であった[6][7]。
来歴
[編集]生い立ち
[編集]京畿道楊平郡出身。父親は、楊平郡庁職員で東山建設の代表を務めた金珖燮(キム・グァンソプ)[注 1]。母親は崔銀順(チェ・ウンスン)[8]。父は1987年に死去した[9]。
1991年2月、明逸女子高等学校を卒業[10]。1992年に京畿大学校芸術学部絵画科に入学し、1996年に同大学を卒業した[11]。1999年に淑明女子大学校大学院美術教育専攻で修士号を、2008年に国民大学校テクノデザイン大学院で博士号を、2012年にソウル大学校で経営専門修士号を取得した[9][12][13]。
翰林聖心大学校、瑞逸大学校、ソウル情報技能大学校、水原女子大学校、安養大学校、国民大学校の美術講師や兼任教授を務める[13]。
尹錫悦と結婚
[編集]2010年から検察官だった尹錫悦と交際を始めた[20][21]。紹介したのは建設会社の三扶土建(サムブ土建、삼부토건)のチョ・ナムウク会長。同年に尹錫悦は金建希のアクロビスタの住居に移ったとされる[15]。
2012年3月11日、尹錫悦と大検察庁で結婚式を挙げた[22][23][24]。瑞草区役所は、金建希名義のアクロビスタのマンションを税の滞納で2012年11月、2013年11月、2015年1月と3回差し押さえた[14]。
2013年12月頃、尹に、「コンジン法師」と呼ばれる呪術師のチョン・ソンベを紹介した[25]。
2014年、チョン・ソンベは金建希が代表を務めるコバナコンテンツの顧問となった[26]。
2016年12月6日から2017年3月26日にかけて、コバナコンテンツはソウル特別市瑞草区のハンガラムデザイン美術館で「現代建築の父 ル・コルビュジエ展」を開催した[27]。会期中の2017年、「コンジン法師」と呼ばれる呪術師のチョン・ソンベと、忠清北道忠州市の日光寺のヘウ僧侶が訪れ、金建希は二人を案内した[28]。チョン・ソンベの師匠とされるヘウ僧侶はコバナコンテンツ主催の展示会に3回参加し、祈願をした[29][30]。ル・コルビュジエ展では安藤忠雄を招き、安藤と特別セッションを行った[31][32]。
2020年に夫の尹錫悦の秋美愛法務部長官との対立過程において、金は各種展示会を通じて企業から協賛金を収受したという疑惑も提起された[33]が、後の捜査の結果、「企業が通常の契約によって協賛し、不正な勧誘の目的で協賛金を提供したことを示す証拠がない。」とされ、無罪処分となった。検察関係者は企業に対する強制捜査なども行った上で「事件に関する対価性勧誘は全く確認されていない」と明らかにした。また、夫のユン・ソンニョルが検事総長候補として取り上げられた頃、協賛会社の数が4社から40社に増えたとする主張も提起されていたが、それについても「そんなに増えたことはない」として、「協賛金支給額もその前の展示協賛と変わらないことが確認された」と明らかにした。[34]
2021年
[編集]2021年1月13日、ハンギルリサーチは、次期大統領に誰がふさわしいと思うか尋ねた世論調査の結果を発表。「李在明25.5%、尹錫悦23.8%、李洛淵14.1%」と、尹は有力候補の一人に躍り出た[35]。金建希も注目を集め、同年4月16日には早くも自身の学歴詐称問題が報じられた[36]。
同年7月1日、金の財産は6月時点で約70億ウォンであると報じられた[37]。
同年11月5日、国民の力の全党大会が行われ、4人の大統領候補者の中から尹錫悦が公認候補に選出された[38]。
同年11月15日、インターネットメディア「ソウルの声」で記者と通話。女性が性的被害を訴える「#MeToo」をめぐり、「表面化するのは金を渡さないからだ」などと述べ、運動を否定。また、元秘書に性的な暴行をしたとして2019年9月に有罪判決が確定した元忠清南道知事の安熙正を擁護するような発言もした[39][40]。
同年12月13日、経歴詐称疑惑を取材するYTN記者との通話で「私は公務員でも公人でもないのに、そこまで検証されなければならないんですか」「本当に、私も復讐しなきゃ。もう我慢できない」と語った[41]。同月14日、YTNは、金が大学へ提出した教授採用応募書に虚偽経歴や架空の受賞記録を記載していたと報じた[41]。大統領選挙の対立政党である共に民主党も、2007年に水原女子大学校の教員採用に応募した際に提出した経歴や、2013年に安養大学校に提出した履歴書に虚偽の記載があったなどの疑惑を指摘した。同月15日、金はこれらの指摘に対し、謝罪した。夫の尹錫悦は「適切と思われる」とコメントした[1]。また、学位論文剽窃などの疑惑も提起された[42][43]。さらに、秋美愛ら民主党側議員から過去にホステスとして働いた噂も提起されたが[44]、金建希は、当時勉強に忙しかったため、アルバイトをする時間はなかったと否定した[37][45][46]。
2022年
[編集]2022年1月16日、MBCの調査報道番組『探査計画ストレート』は、前述の「ソウルの声」記者と金建希の通話内容を公開した。MBCが放送することに対し、金建希は「私的な通話の違法な公開であり、選挙介入だ」として中止を求める仮処分を事前に申請したが、裁判所は同月14日、大統領候補の妻であり「公的な人物だ」と判断。一部を不許可としたうえで、放送を認めた[39]。
同年1月17日、前述のチョン・ソンベが尹錫悦の選対本部の下部組織「ネットワーク本部」で顧問の肩書で活動していることが判明した。チョンは金建希の紹介で陣営に入り、尹のメッセージや日程、人事に関与するなど、選対本部全般に影響力を行使した[47]。チョンの娘も尹の選対で、国民の力の候補者選挙の時から同月初めまでの期間、SNSや写真撮影などの業務を担当していた[48]。同月18日、国民の力のクォン・ヨンセ選挙対策本部長は尹・金夫妻の「巫俗依存疑惑」への懸念に関する記者会見を開き、「ネットワーク本部を直ちに解散する」と発表した[29]。
同年3月9日、大統領選挙が行われ、尹錫悦が共に民主党の李在明を小差で破り第20代大統領に当選した。当選直後、世論調査会社「未来韓国研究所」を営む明太均(ミョン・テギュン)は、金建希に、「青瓦台の大統領府に行けば死ぬ」とアドバイスし、大統領府の位置が風水地理的に良くないと理由を説明した。尹と金はかねてより、二人が信頼を寄せる巫俗人の「チョンゴン師匠」からも「大統領府に絶対に入らず、龍山に大統領室を移転せよ」と言われていた(尹は妻の紹介でチョンゴン師匠と会った)[49][50][29]。尹は助言を受け入れ、3月20日、大統領府を青瓦台から龍山区にある国防部庁舎に移転すると発表した[51]。
同年3月22日、世界平和統一家庭連合(統一教会)世界本部長のユン・ヨンホ(윤영호)[注 3]は、当選した尹錫悦と大統領職引受委員会事務所で面会した[55]。国民の力の権性東も同席した[56]。ユン・ヨンホの手帳には教団側が請託しようとした事業についての内容が記されていた[55]。ユン・ヨンホは4月から7月にかけて、チョン・ソンベを通じて、以下の3点の貴金属を金建希に贈った。ユン・ヨンホはこれらの物品の購入を、妻で教団の財政局長を務めていたイ・シネ(이신혜)[57]に行わせた[58]。
- シャネルのバッグ。802万ウォン(約83万円)。4月6日に購入。5月10日の尹錫悦の大統領就任式の招待請託用とされる[58][59]。
- シャネルのバッグ。1271万ウォン(約132万円)。6月24日にソウル市松坡区ロッテ百貨店チャムシル店で購入[58][59]。教団のカンボジア事業に関連するものとされ、韓国政府は6月13日、カンボジアに対する対外経済協力基金次官支援限度額(5年間)を既存の7億ドルから15億ドルに大幅に増やした[60][58][61]。
- グラフのダイヤモンドのネックレス。6220万ウォン(約643万円)。7月29日にソウル市江南区ギャラリア百貨店で購入。8月11日から15日にかけて行われた天宙平和連合主催の「サミットおよび指導者会議2022」への教育部長官の招待請託用とされる[58][62]。
同年3月30日、金建希は携帯電話からユン・ヨンホに電話をかけ、「この番号は私が秘密にしている番号だから、意見があるときはこの番号に文字で送ってくれればいい」と伝えた。この番号は、チョン・ソンベの携帯電話に「ゴニ2」という名前で登録されている、末尾が「8563」で終わる番号と同じものだった[63][64]。金は「大統領を助けてくれてありがとう。総裁様はお元気か」と話した。ユンは「教会だけでなく学校、企業体まで大統領選挙に総動員したのは初めてです」と話した[65][66][56]。
同年4月19日、チョン・ソンベは上記の金建希の番号にメールし、大統領就任式への統一教会関係者4人の招待を依頼した[63]。そしてユン・ヨンホ、学校法人鮮鶴学院理事長の文姸娥(ムン・ヨナ)ら4人の名簿を金建希側に提出した[67]。文姸娥は、文鮮明の長男の文孝進の2番目の妻[68][注 4]。
同年5月10日、尹錫悦は第20代大統領に就任した[69]。金が代表を務めるコバナコンテンツで10年以上勤務してきたユ・ギョンオク(유경옥、女性)は大統領室行政官となった[70]。
同年6月13日、ボンハ村を訪問し、故盧武鉉元大統領夫人の権良淑と対談した。これが、尹大統領就任後初の金の公式日程となった[71]。盧武鉉の墓参をした際、黒いTシャツ姿の女性が同行した。女性はコバナコンテンツの専務であることがのちに発覚し、訪問趣旨と関係のない知人が大統領警護処が警護する行事に参加したことで、物議を醸した[72]。このボンハ村訪問には前述のユ・ギョンオクも同行した[70]。
同年6月29日から30日にかけて、スペインのマドリードでNATO首脳会議が行われた。あわせて現地で日米韓首脳会談が開かれることから、韓国からは尹錫悦が、日本からは岸田文雄首相が出席した。金も尹に同行した[73]。29日に開かれたスペイン同胞夕食懇談会に金は6200万ウォン(約660万円)台のヴァンクリーフ&アーペルのスノーフレイクペンダントネックレスを首にかけて出席した。また、NATO首脳会議訪問時に1500万ウォン相当のカルティエのブレスレット、2000万ウォン台のティファニーのブローチを着用した姿が目撃された[74]。これら3点の貴金属はすべて、国家朝餐祈祷会会長で、ソヒ建設会長のイ・ボングァン(이봉관)が金に贈ったものだった[75]。同年8月末、共に民主党は金が着用した3つのブランド品について申告対象(500万ウォン以上の貴金属など)の大統領候補財産申告から漏れていると指摘し、9月に尹を公職選挙法上の虚偽事実公表容疑で告発した[74]。
同年9月7日、ロボット犬輸入業者代表のソ・ソンビン(서성빈)はアクロビスタの金の自宅を訪れ、時計ブランド「ヴァシュロン・コンスタンタン」のアメリカンヒストリー1921モデル時計を贈った。ソは5400万ウォンのこの時計を店頭で「VIP割引」を受けて3500万ウォンで購入したとされる。同月、ソが運営する事業体は、大統領警護処と大統領執務室警護用ロボット犬の随意契約を結んだ[76][77][74]。
同年11月上旬頃、金建希は翌年3月8日開催予定の国民の力全党大会で権性東を当選させるべく、チョン・ソンベを通じてユン・ヨンホに国民の力への集団入党を要請した。教団は国民の力の入党願書を信者に配布した[78][79][80][81][82]。
同年11月11日、尹錫悦政権は、公的企業である韓電KDNと韓国馬事会が保有するYTNの株式を売却すると発表した[83]。共に民主党は、経歴詐称を追及するYTN記者に対して金建希が発した音声を2025年に公開し、同社の民営化は復讐を誓った金の意思によるものだと国会で述べた[41]。
同年12月5日、第54回国家朝餐祈祷会が江南区テヘラン路のホテルで行われた[84]。新型コロナバンデミック後3年ぶりに開かれるこの祈祷会に、尹大統領と金建希は、前述のイ・ボングァン会長の要請で出席した[85]。
2023年
[編集]2023年1月5日、権性東は党代表選挙不出馬を宣言した[78]。このため尹錫悦大統領に近い金起炫(キム・ギヒョン)[86]が代打としてかつぎ出された[80][87]。3月8日、国民の力全党大会が行われ、新しい党代表に金起炫が選出された[86]。また、最高委員(定数4)にチョ・スジンが、青年最高委員(定数1)にチャン・イェチャンが選出されるなど、チョン・ソンベがユン・ヨンホに伝えた4人のうち3人が全党大会で当選を果たした。特別検察官チームは金起炫に乗り換えたのは統一教会側の意向によるもので、3人当選の背後には金建希がいると見ている[88][89][90]。
同年3月16日、尹大統領が就任以来初めて来日した[91]。同行した金建希は翌17日、安藤忠雄と食事をともにし、安藤が制作し「永遠の青春」と名付けた青リンゴのオブジェについて語り合った[32]。
同年3月16日、党代表選挙で当選した金起炫は妻に江南のデパートで267万ウォン相当のロジェヴィヴィエの高級バッグを買わせた。翌17日、金起炫の妻は、帰国したばかりの金建希に当該バッグを渡した[88][92]。
同年4月、大統領秘書室儀典秘書官のキム・イルボムが同職を辞任。後任には、金建希の大学院の同窓生で、2022年の大統領選で国民の力選挙対策本部の広報本部企画団長を務めたキム・スンヒが就き、注目を集めた[93][94]。同年7月10日、キム・スンヒの小学3年生の娘が、同じ小学校の2年生の児童に全治9週間の傷を負わせた。キムの娘に出席停止処分が下された翌日の7月20日、金建希は当時教育部次官だったチャン・サンユンと8分あまり通話した。学校暴力対策審議委員会の審議の結果、16点以上が強制転校であるところ、加害児童は15点で強制転校処分を免れた。特別検察官チームは金建希が影響力を行使し、もみ消しをはかったとみて捜査を進めている[95][96][97]。
2024年
[編集]2024年10月7日、日曜時事は創刊1500号記念特集として、「一目でわかる金建希8つの疑惑総まとめ」と題する記事を8回連続で電子版に掲載。金と尹錫悦にまつわる様々な不正疑惑を詳細に報じた[98]。
同年10月17日、ドイツ・モーターズの株価操作事件をめぐり、ソウル中央地方検察庁は、金が資本市場法の罪にならないと結論付け、不起訴処分とした[99]。
同年11月15日、検察は、金建希が2022年6月1日に行われた国会議員再補選で国民の力の公認候補選びに不当に介入したとされる疑惑をめぐり、世論調査会社「未来韓国研究所」の実質的運営者の明太均(ミョン・テギュン)と、当時公認候補に選ばれた前議員の金映宣(キム・ヨンソン)を逮捕した。金映宣はその年、昌原市義昌区選挙区から立候補し、共に民主党のキム・ジスを破り当選を果たすが、自身は比例代表で2度、京畿道高陽市の選挙区で2度当選した首都圏を地盤とする政治家だったため、当時から「上層部介入説」は噂されていた。ミョンは金建希から500万ウォンを受け取るとともに、金映宣から公認の見返りに7600万ウォンを受け取ったとされる[100][101][102][注 5]。
同年11月26日、尹大統領は「金建希株価操作事件などの真相究明のための特別検察官法」案に対し拒否権を行使した。金建希特検法に対する拒否権行使はこれで3度目。尹は翌27日に行われた国民向け談話と記者会見で、当該特検法は憲法に反するものだと強調した。同月21日に公開された全国指標調査結果によると、金建希特検法について64%が賛成、26%が反対と回答していた[105]。
同年12月3日22時28分、尹大統領は生放送のテレビ演説において、非常戒厳を宣言した[106]。金建希はこの日、18時25分から21時30分まで3時間にわたりソウル市江南区の新沙駅近くの美容整形外科にいた[107][108]。美容整形外科にいたことは戒厳からほどなく民主党の議員によって公表されたが、金建希の弁護人は、「夜にどんな整形をするのか」「倒れて輸液を打つ治療をしたのだ」と反論した。加えて、「皮膚科や形成外科で輸液を打つのは最近よくあることだ」と説明した[109]。
同年12月12日、ドキュメンタリー映画『ファーストレディ~Voice of Seoul』が公開された。大統領選挙の前年に金建希と7時間以上通話した「ソウルの声」のイ・ミョンス記者が証言者として出演[110]。
2025年
[編集]2025年4月4日、大統領弾劾成立により、尹錫悦は罷免された[111]。同年4月30日、ソウル南部地方検察庁はソウル特別市瑞草区のアクロビスタにある尹錫悦・金建希夫妻の自宅の家宅捜索に着手した[112][113][114][115]。検察は、ユン・ヨンホが統一教会総裁の韓鶴子の指示により、尹錫悦・金建希夫妻に、YTNの買収やカンボジア開発事業の支援[注 6]など5つの案件を請託した疑いがあるとして捜査を進めている[118][119][114]。
同年6月10日、韓国政府は尹錫悦が出した非常戒厳の真相究明や金建希をめぐる複数の疑惑について捜査するための「特別検察官法」を閣議決定した[120]。
同年7月2日、金建希の疑惑を捜査する特別検察官チームが発足[121]。同月25日、特別検察官チームは、尹錫悦・金建希夫妻のアクロビスタの自宅、アクロビスタ地下商店街にあるコバナコンテンツの事務所と協賛社のCom2uSの事務所、金建希の実母のチェ・ウンスンと実兄のキム・ジンウの松坡区の自宅、キム・ジンウが代表を務める不動産開発会社ESI&Dの事務所、京畿道南楊州市の療養病院など、金一家に関連する10か所に捜査官を派遣し、一斉に家宅捜索を行った[122][123][124]。
同年8月6日、金建希は特別検察官チームの事務所に初めて出頭し、10時半頃から18時頃にかけて取り調べを受けた。特別検察官は金の16の疑惑を捜査対象としている[125]。
同年8月12日、ソウル中央地方裁判所は午前10時10分から約4時間にわたり、金建希の審問を実施。同日23時53分頃、同地裁は金に対する逮捕状(拘束令状)の発布を決定[126][127][128]。特別検察官は令状の発付を受け、ソウル南部拘置所で待機していた金を逮捕した[126][129][2][3]。
同日、ソヒ建設のイ・ボングァン会長は、金建希が2022年6月のNATO首脳会議で身に着けたヴァンクリーフ&アーペルのネックレスは尹錫悦の当選祝いの言葉とともに金建希に贈ったものである旨の申告書を、特別検察官チームに提出した。長女の夫の元検事のパク・ソングンの人事請託が目的であることも認めた。パク・ソングンは2022年6月3日に国務総理秘書室長に就任している[130][131]。
同年8月18日、金建希と尹錫悦に非常戒厳令の共同責任を追及する損害賠償請求訴訟がソウル中央地裁で起こされた。キム・ギョンホ弁護士は市民1万2225人の代理人として、1人当たり10万ウォン(約1万1000円)の慰謝料を請求した。選定当事者訴訟であるため、訴訟が終了するまで参加希望者を募ることができる[132]。
同年8月28日、特別検察官チームは、金建希の実母のチェ・ウンスンが運営する療養所の金庫から、「金の亀」と、国家教育委員会委員長の李培鎔(イ・ベヨン)が尹夫妻に宛てた当選祝いの手紙を発見した。当局は、尹が「金の亀」を贈られた見返りに李培鎔に同委員長のポストを与えたとみて捜査を進めている[133][134][135][136]。李培鎔は国家朝餐祈祷会の副会長を務めているが、同団体の会長は、前述のソヒ建設会長のイ・ボングァンである[135]。
同年8月29日、特別検察官チームは金を資本市場法違反や政治資金法違法、あっせん収賄などの罪で起訴した[137]。同年9月8日、特別検察官チームはチョン・ソンベを特定犯罪加重処罰法と政治資金法違反の疑いで起訴した[138]。
同年9月24日、ソウル中央地方裁判所で初公判が開かれ、金側は起訴内容をすべて否認した[139]。統一教会総裁の韓鶴子は9月23日に逮捕され[140]、10月10日に政治資金法違反・証拠隠滅教唆罪・業務上横領罪で起訴された[141]。
同年11月7日、2023年の国民の力の代表選で尹が支持する候補者が選出されるよう、韓鶴子に教団の信者を入党させるよう要請したとして、政党法違反の罪で韓と共に追起訴された[142][143]。
同年12月3日、あっせん収財の罪などに問われた裁判の論告求刑公判がソウル中央地裁で行われ、特別検察官は懲役15年と罰金20億ウォン(約2億1200万円)、追徴金約9億4千万ウォン(約1億円)を求刑した[144]。
2026年
[編集]2026年1月28日、ソウル中央地裁は、罪の一部を認めて懲役1年8月の実刑判決を言い渡した。資本市場法違反や政治資金法違反などについては無罪とした[145][146]。同年4月28日、ソウル高裁は控訴審で一審より重い懲役4年を言い渡した[147]。「加湿器殺菌剤事件」に関する大法院判例を根拠に公訴時効は成立していないと判断[148]。無罪とされたドイツモーターズ株価操作とシャネルバッグ授受の部分が有罪に覆ったため、量刑が大幅に増えた[149]。
同年6月26日、ソウル中央地裁は人事などで便宜を図る見返りに高価な貴金属などを受け取ったとしてあっせん収賄罪で懲役7年の判決を言い渡した[150]。
親族
[編集]- 金珖燮(キム・グァンソプ、김광섭) - 父親。1987年に死去した[9]。
- 崔銀順(チェ・ウンスン、최은순) - 母親。医療資格はなかったが、2013年に医療機関を設立した。2020年11月、国民健康保険公団から22億9000万ウォンをだまし取ったとして起訴された。2021年7月2日、医療法違反及び特定経済犯罪加重処罰に関する法律における詐欺の罪により、1審裁判で懲役3年を宣告され[152]、2審裁判で無罪を宣告された。通帳の残高証明書偽造で懲役1年の刑を受けたのち、2024年5月8日に仮釈放された[153]。
ギャラリー
[編集]- 尹錫悦、金建希(2023年3月16日)
- セルジョ・マッタレッラ、長女のラウラ・マッテレッラ、尹錫悦、金建希(2023年11月8日)
- 金建希、尹錫悦、ボンボン・マルコス、妻のルイーズ・アラネタ・マルコス(2024年10月7日)
映像作品
[編集]2024年12月12日、金建希にかけられている様々な不正疑惑を追ったドキュメンタリー映画『퍼스트레이디』が公開された。制作はインターネットメディア「ソウルの声」。日本では『ファーストレディ~Voice of Seoul』のタイトルで、2025年8月から各動画配信サービスで配信が開始された[110]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 詩人で独李運動家の金珖燮(1905年 - 1977年)は同名の異人。
- ↑ 1995年6月29日、瑞草区にある三豊百貨店が崩壊し、死者502名・行方不明者6名・負傷者937名という大惨事を引き起こした。跡地はディベロッパーに買われ、2003年12月に高級マンション団地「アクロビスタ」が完成[16]。2004年から入居が開始された[17]。
- ↑ ユン・ヨンホ(윤영호)の漢字表記は「尹鍈鎬」「尹煐鎬」「尹英鎬」など数種類ある[52][53][54]。
- ↑ 1999年2月5日、文鮮明の長男の文孝進は崔姸娥(チェ・ヨナ)と再婚した[68]。文孝進と結婚したチェ・ヨナの「ヨナ」の漢字は、「姸娥」または「妍娥」。
- ↑ そのほかミョンは、大統領選に向けた国民の力の公認候補者選挙に際し、世論調査を無償で提供した(党員投票と世論調査の数値を加算して公認候補を選出する)。そして計81回にわたり、違法な世論調査を実施したとされる[103]。無償で提供した対価として、ミョンは2022年6月1日の補欠選挙でキム・ヨンソンが公認を受けられるよう、尹錫悦大統領側に働きかけた疑いがもたれている[104]。
- ↑ 韓国政府は2022年6月13日、カンボジアに対する対外経済協力基金次官支援限度額を既存の7億ドルから15億ドルに増やした[60]。それから2年後の2024年5月16日、支援規模をさらに15億ドルから30億ドルに増やした。特別検察官チームはこられの大幅な増額はいずれも統一教会の請託のためになされたものと見て、捜査を行っている[116][117]。
出典
[編集]- 1 2 하시카와 (2021年12月15日). “韓国野党大統領候補 妻の経歴詐称疑惑で謝罪”. 聯合ニュース. 2022年5月27日閲覧。
- 1 2 “韓国 ユン前大統領夫人を逮捕 韓国メディア”. NHK (2025年8月13日). 2025年8月13日閲覧。
- 1 2 清水大輔 (2025年8月13日). “韓国の尹錫悦氏の妻逮捕 株価操作の疑い、大統領経験者の妻で初”. 朝日新聞. 2025年8月13日閲覧。
- 1 2 “韓国新政権、ファーストレディー存在感 一挙一動に注目”. 日本経済新聞 (2022年5月13日). 2022年5月27日閲覧。
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