虚栄の焼却

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1457年から1461年の間にアゴスティーノ・ディ・ドゥッチョが建設したOratorio di San Bernardinoから、シエーナのベルナルディーノが行った虚栄の焼却

虚栄の焼却イタリア語:Falò delle vanità)とは、通常1497年2月7日に起きたイタリアフィレンツェ当局が罪とした化粧品芸術書籍トランプなどをドミニコ会司祭ジロラモ・サヴォナローラの支持者がマルディグラの祭りでくべたかがり火の事である[1]。そこから政府などが罪としたものを燃やす物を指すようになった。

このかがり火はサヴォナローラが考案したものではなく、この世紀の前半にシエーナのベルナルディーノ英語版の屋外説教でよく行われたものである。

このかがり火の対象となったものは、化粧品、ドレス、トランプなどの虚飾の罪などを含む、罪を犯す可能性のある物品、不道徳と見なされる書籍・芸術品が燃やされた。

文化[編集]

「虚栄の焼却」は歴史上のフィクション作品のいくつかで取り上げられている。例として、ジョージ・エリオットの『ロモラ英語版』(1863年)、E・R・エディスンの『A FIsh Dinner in Memison』(1941年)、アーヴィング・ストーンの『苦悩と恍惚英語版』(1961年)、チェルシー・クイン・ヤーブロ英語版の『The Palace』(1978年)、マイケル・オンダーチェの『イギリス人の患者』第二部(1992年)、 ロジャー・ゼラズニイロバート・シェクリイの『If at Faust You Don't Succeed』(1993年)、ティモシー・フィンドリー英語版の『Pilgrim』(1999年)、イアン・コールドウェル英語版とダスティン・トマソン(Dustin Thomason)の『フランチェスコの暗号英語版』(2004年)、ジーン・カログリディス英語版の小説『en:I, Mona Lisa』(2006年)、ショウタイムで放映されたテレビシリーズ『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』、イタリアのスカイ・イタリアで放映されたテレビシリーズ『ボルジア 欲望の系譜』などがある。トム・ウルフは1987年の小説『虚栄の篝火』とその映画版で、この出来事をタイトルに使用した。マーガレット・アトウッドは、ディストピアを題材にした小説『侍女の物語』(1985年)や『オリクスとクレイク英語版』の中でこの件を仄めかしている。テレビゲーム『アサシン クリード II』でもこの件が描かれている。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • Martines, L (2006). Fire in the City: Savonarola and the Struggle for the Soul of Renaissance Florence. Oxford University Press 

関連項目[編集]