虚飾

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ヴァニタス』(Vanitas)、ヘルマン・ファン・ステーンウェイク16世紀から17世紀にかけて、知識、財貨、美しさ等の象徴、そして寿命の象徴、それらの上に死の象徴である頭蓋骨を描く『ヴァニタス』と呼ばれる人生の空しさを表現するモチーフが流行した

バニティー(英語:Vanity)とは、一般的には自分自身の能力や他の人に与える魅力を過度に信じていること、虚飾虚栄心の意味である。14世紀以前では、ナルシシズムの要素は無く、単に無価値(futility)を意味していた[1]

哲学の分野では、バニティーは利己主義傲慢という広い意味を持っている。フリードリヒ・ニーチェ等の哲学者がバニティーについて言葉を残している[2]

今日の多くの宗教では、バニティーは自己崇拝として考えられており、自分のイメージのために、神の偉大さに自らの自己をなぞらえ、そしてこれより分離し、長い時間の中で神と神の恩寵から離れていく。キリスト教の教えでは、バニティーは七つの大罪の一つ傲慢の一例と考えられている。

象徴性[編集]

西洋美術では、虚栄心を多くの場合聖書の大淫婦バビロン孔雀によって表される。ルネサンス期、虚栄心はソファの上に着席または横たわる裸の女性としてあらわされた。彼女は髪に櫛を身に着け鏡と共に描かれた。鏡は時々悪魔や天使によって保持されている。虚栄心のシンボルは宝石、金貨、財布、そして多くの場合、それらや自身の死が含まれる。

七つの大罪[編集]

vaingloryは、しばしば虚栄心の古代の同義語と見なされているが、こちらはもとは無駄な誇り、すなわち根拠のない自慢を意味していた[3]

七つの大罪の前身とも言えるevil thoughts(枢要罪?)のひとつがVanagloria(vainglory)である。AD 590年グレゴリウス1世により、枢要罪が八つから七つに改正され、「虚飾」が「傲慢」の一部として考えられた。また、同時に枢要罪の「怠惰」と、「憂鬱」も同一化され、「嫉妬」が追加されることで現在の七つの大罪となっている[4][5]

関連用語[編集]

出典[編集]

  1. ^ オックスフォード英語辞典, on vanity
  2. ^ Bartleby.com
  3. ^ オックスフォード英語辞典, on vainglory
  4. ^ DelCogliano, Mark (2014-11-18). Gregory the Great: Moral Reflections on the Book of Job, Volume 1. Cistercian Publications. ISBN 9780879071493. 
  5. ^ Tucker, Shawn R. (2015-02-24). The Virtues and Vices in the Arts: A Sourcebook. Cascade Books, an Imprint of Wipf and Stock Publishers. 
  6. ^ オックスフォード英語辞典, on glory