脳内麻薬

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脳内麻薬(のうないまやく)とは、モルヒネなどの麻薬と似た作用を示す物質で、内に自然状態で分布しているものを指す。痛みや精神的ストレスにさらされると多く分泌してそれらを和らげる働きをするが、ストレスから解放されたり過剰に分泌されたりすると、非医療行為における麻薬使用のような作用と副作用を及ぼすことが知られている[1][2]

脳内モルヒネ[1][3]脳内麻薬様物質とも呼ばれ、これまでに約20種類の物質が見つかっており、β-エンドルフィン[2][4]ドーパミン[5]などが代表的とされる。

また、鎮痛剤として使われるモルヒネを代表とするオピオイド製剤とも密接に関係しており[2]、肉体的苦痛に際して脳内で生成されるβ-エンドルフィンの鎮痛効果はモルヒネの6.5倍と言われており、また脳内麻薬の呼称は多幸感をもたらすことから来ている[2]

脳内麻薬の例[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 特集 痛みとストレス III.ストレスと内因性オピオイド、上智大学理工学振興会会報『ソフィア サイテック』No.9、1998年4月。
  2. ^ a b c d 星薬科大学池上大悟 他 (2013年). “基礎から学ぶ麻酔科学ノート 疼痛下のモルヒネ依存・耐性不形成機構” (PDF). 丸石製薬(季刊誌Anet). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月1日閲覧。
  3. ^ 中高生の1割が「自傷経験有」という日本の実情、東洋経済ON LINE、2019年9月17日。
  4. ^ β-エンドルフィン”. e-ヘルスネット 情報提供. 厚生労働省. 2021年6月13日閲覧。
  5. ^ 中野信子 (2014年1月30日). 脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体. 幻冬舎. ISBN 978-4344983359 

関連項目[編集]