紙の寸法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

紙の寸法(かみのすんぽう)では工業規格について記述する。サイズの系統にはA列B列四六判菊判ハトロン判AB判などがある。なお封筒の寸法については封筒、本の寸法については判型の項を参照。

(以下、断りが無い限り、寸法の単位mm、表記は短辺×長辺とする)

概説[編集]

紙加工の仕上がり寸法ではA列ならもとの大きさを「A0」、それを長辺で半分にしたものを「A1」、更にA1を半分にしたものを「A2」という具合に呼びサイズを下げていく際に長辺を半分にすることにより縦横の比率(白銀長方形)が同じ(つまり相似)になるように設計されている。しかし規格寸法は1mm未満の端数が出た段階でその端数値が切り捨てられるため、逆算で単純に短辺を倍にすることによりサイズを上げていくと規格寸法の数値に誤差が生じる。また日本では「A1」を「A全」、「A0」を「A倍」と呼ぶことがある。

現在は世界的に広くA列が標準規格として採用され、日本ではJISにより紙のサイズは「原紙寸法  (JIS P 0202) 」「仕上がり寸法 (JIS P 0138) 」の2種類が定められている。1929年商工省日本標準規格第92号として発表した「紙の仕上寸法」が元となっている。アメリカカナダでは国際判(レターサイズ)などの違う規格が標準となっている。

なお1940年に「紙ノ仕上寸法」は臨時日本標準規格第138号としても制定され、1951年に制定されたJIS P 0138は規格番号にこの数字を引き継いでいる。

全紙寸法[編集]

判型ごとの全紙寸法はJIS規格で以下のとおり。

原紙寸法[編集]

原紙寸法とは仕上がり寸法にひとまわり大きく余白寸法を加えたもの。これは印刷するときに紙の端を機械のツメがくわえたり、裁断加工する際の余裕(トンボ)が必要であるため。

紙加工仕上がり寸法[編集]

ノートやコピー用紙など、製品に仕上がった紙の寸法。

A列[編集]

A列。

A列は ISO 216 で画定されている国際標準である。ドイツの工業規格 DIN 476 が国際標準化され、各国で使われている。

縦横比\sqrt 2 。数字が1減るに従い面積は 2 倍・辺長は \sqrt 2 倍になる。これらはA列以外でも多くの標準に共通である。

A0の面積は1m2である。つまりmで表した縦横の辺長は互いに逆数になっており、1 / \sqrt[4] 2 \, \mathrm m \times \sqrt[4] 2 \, \mathrm m である。

ISOで標準化されているのは最大がA0だが、DINではそれより上の2A0と4A0が標準化されている。

A n 判の丸めをしたサイズ(長辺)は次の式で得られる。短辺は n を1増やせば得られる。\lfloor \ \rfloor床関数である。

\left \lfloor 1000/2^{ \frac {2n-1} 4 } +0.2 \right \rfloor \mathrm {mm}
mm×mm
4A0 1682×2378 1.414
2A0 1189×1682
A0 0841×1189
A1 594×841
A2 420×594
A3 297×420
A4 210×297
A5 148×210
A6 105×148
A7 074×105
A8 52×74
A9 37×52
A10 26×37
A11 18×26
A12 13×18

これらの値には許容値が定められているが、ISOや各国の国家標準で異なる。

JIS B列[編集]

JISで画定されている。ローカルな標準であり、殆ど日本中国台湾の三国のみで使われている。江戸時代の公用紙である美濃紙をもとに定めた美濃判に由来する。

B0の面積は1.5m2、つまり辺長は \sqrt[4] {1.125} \, \mathrm m \times \sqrt[4] {4.5} \, \mathrm m である。B列の長辺はA列の対角線に等しく、短辺は1つ小さいA列の対角線に等しい。

mm×mm
JIS B0 1030×1456 1.414
JIS B1 0728×1030
JIS B2 515×728
JIS B3 364×515
JIS B4 257×364
JIS B5 182×257
JIS B6 128×182
JIS B7 091×128
JIS B8 64×91
JIS B9 45×64
JIS B10 32×45
JIS B11 22×32
JIS B12 16×22

ISO B列[編集]

B列 (ISO)。上のA列の図と等倍率。

国際的にはB列と言えば、ISO 216、およびその元となった DIN 476 でA列と同時に標準化されている寸法である。

B0の辺長は 1 \, \mathrm m \times \sqrt2 \, \mathrm m である。これは JIS B0 より3%小さい。

B列のサイズは、A列と1つ小さいA列の間を等比分割する。つまり、B0 : A0 : B1 : A1 : … の隣り合う面積比は全て \sqrt 2 ≒ 1.414、辺長比は \sqrt[4] 2 ≒ 1.189 である。これは、A列内で A0 : A1 : A2 : … の面積比が2、辺長比が \sqrt 2 となっている思想と一貫している。コピーを取る時などにA4→B4にする倍率とB5→A4にする倍率が同じ1.189倍となる利点を持っている。これに対し、JISのB列はA列の \sqrt {1.5} ≒ 1.225 倍で、A列は1つ小さいB列の \sqrt {4 / 3} ≒ 1.155 倍である。

B n 判の丸めをしたサイズ(長辺)は次の式で得られる。短辺は n を1増やせば得られる。\lfloor \ \rfloor床関数である。

\left \lfloor 1000/2^{ \frac {n-1} 2 } +0.2 \right \rfloor \mathrm {mm}
mm×mm
ISO B0 1000×1414 1.414
ISO B1 0707×1000
ISO B2 500×707
ISO B3 353×500
ISO B4 250×353
ISO B5 176×250
ISO B6 125×176
ISO B7 088×125
ISO B8 63×88
ISO B9 44×63
ISO B10 31×44

C列 - G列[編集]

C列。上のA列・B列の図と等倍率。
A列・B列 (ISO) ・C列の比較。

ISO 269 ではC列が標準化されている。C列は、B列 (ISO) とA列の間を等比分割する。つまり、B0 : C0 : A0 の隣り合う面積比は \sqrt[4] 2 ≒ 1.189、辺長比は \sqrt[8] 2 ≒ 1.091 である。

C n 判の丸めをしたサイズ(長辺)は次の式で得られる。短辺は n を1増やせば得られる。\lfloor \ \rfloor床関数である。

\left \lfloor 1000/2^{ \frac {4n-3} 8 } +0.2 \right \rfloor \mathrm {mm}
mm×mm
C0 0917×1297 1.414
C1 648×917
C2 458×648
C3 324×458
C4 229×324
C5 162×229
C6 114×162
C7 081×114
C8 57×81
C9 40×57
C10 28×40

C列は主に封筒に使われる。C4サイズ(日本の角形20号と同じ)はA4より一回り大きいため、A4を折らずにそのまま入れられる。A4二つ折りを送るときはC5サイズ(日本の角形6号と同じ)を選ぶ。

スウェーデンSIS 014711 ではさらに、D列 - G列が標準化されている。D列はB列と1つ大きいA列の間を等比分割し、D0: B0 : C0 : A0 : D1 : B1 : … の面積比は \sqrt[4] 2 となる。E列・F列・G列はそれをさらに等比分割して D0 : F0 : B0 : G0 : C0 : E0 : A0 の面積比は \sqrt[8] 2 、辺長比は \sqrt[16] 2 ≒ 1.044 となる(A0とD1の間を等比分割する標準はない)。

ANSI A - E[編集]

ANSI A - E。
A4レター (ANSI A) の比較。

アメリカ合衆国ANSI/ASME Y14.1 では、伝統的なデファクトスタンダードだったレター(レターサイズ)を基準とした用紙サイズが標準化されている。

A列などと異なり、レターがAとなり、アルファベット順に面積が倍になる。

ANSI A(レター)はA4に似るがやや短く、縦横比\sqrt 2 : 1 ではない。そのためANSI系列は、面積が倍になるにつれ縦横比が 1.294 と 1.546 (= 2 / 1.294) の間で交互に入れ替わる。辺長も \sqrt 2 倍にはなっていない。

mm×mm in×in 通称 近いISO
ANSI E 0864×1118 34×44 1.294 ≒ A0
ANSI D 559×864 22×34 1.546 ≒ A1
ANSI C 432×559 17×22 1.294 ≒ A2
ANSI B 279×432
432×279
11×17
17×11
1.546 タブロイド
レジャー
≒ A3
ANSI A 216×279 8½×11 1.294 レター ≒ A4

アメリカのDFS[編集]

数多くのデファクトスタンダードがあるが、プリンターDTPが多く対応しているものを挙げる。

mm×mm in×in ANSI 近いISO
タブロイド
レジャー
Tabloid
Ledger (LDR)
279×432
432×279
11×17
17×11
1.546 B ≒ A3
リーガル Legal (LGL) 216×356 8½×14 1.647
フォリオ Folio 210×330 8.27×13 1.625
クォート Quarto 229×279 9×11 1.222
レター Letter (LTR) 216×279 8½×11 1.294 A ≒ A4
エグゼクティヴ Executive (EXEC) 184×267 7¼×10½ 1.448
ステイトメント
ハーフレター
Statement (STMT)
Half Letter
140×216 5½×8½ 1.545 ≒ A5

なお、フォリオやエグゼクティヴには複数のサイズがあり、また他の国(チリ、フィリピン、メキシコなど)には別寸法のリーガルもある。このため購入などでサイズを指定する時には、名称でなくインチ数で表した方が無難である(レター・・・8½×11 Eight and a Half by Elevenなど)。

日本のDFS[編集]

本の判型などに使われる。このほかにも多くのデファクト・スタンダードがある。

菊判・四六判は正確な寸法が定まっておらず、ここに記したのは一例である。AB判はA4の短辺とB5 (JIS) の長辺を持つ。B40判・三五判はB5・A5(32取)の80%の幅である。

mm×mm 全紙取り
AB判 210×257 1.225 AB判16取
菊判 152×218 1.434 菊判16取
四六判 127×188 1.480 四六判32取
B40判 103×182 1.768 B判40取
三五判 084×148 1.768 A判40取

写真[編集]

写真の焼付け用紙は、508mm×610mm (20in×24in) の原紙から切り出す場合が多い。したがって四つ切、六つ切など分割数を名称に冠する。英語ではインチ数で表記する。美術におけるカンバスサイズとは異なっている。

近年はフォトプリンターの普及でこれをもとにしたサイズの写真用プリンター用紙がつくられているが、ビジネス用途との互換性からA・B判が用いられることも多い。またA・B判の出力幅を活かしたままで伝統的なカメラ(35mmフィルム・デジタル一眼レフ)の2:3の寸法比率をなるべくトリミング(切り取り)せず出力できるよう、この分野特有のノビ判サイズの用紙も使用されている。

A3ノビは写真プリンター特有の紙型である。

mm×mm in×in
大全紙 508×610 20×24 6:5(1.200)
全紙 457×560 18×22 11:9(1.222)
A3ノビ 329×483 13×19 19:13(1.462)
半切 356×432 14×17 17:14(1.214)
大四つ切 279×355 11×14 14:11(1.272)
四つ切 254×305 10×12 6:5(1.200)
六つ切ワイド 203×305 08×12 3:2(1.500)
六つ切 203×254 08×10 5:4(1.250)
2L 127×178 5×7 7:5(1.400)
ハガキ(KG) 102×152 4×6 3:2(1.500)
L (サービスサイズ) 89×127 3½×5 10:7(1.429)
DSC 89×119 3½×4.69 4:3(1.333)

新聞[編集]

国際的な新聞判型の比較
  • 国際的な判型 - おおむねの標準寸法。地域や新聞社によって違いがある。世界的には紙面小型化と発行コストの削減を目的に、従来より安価な幅が狭いロール紙で印刷できるように紙面レイアウトを再設計する「ウェブカットダウン」(Web cut down)と呼ばれる取り組みが進んでおり、ブロードシート判でも左右寸法がタブロイド判並みに狭い新聞もある。
判型 寸法 (mm × mm) 寸法 (in × in)
ブロードシート判(Broadsheet) 375 × 600
ノルディッシュ判(Nordisch) 400 × 570
レニッシュ判(Rheinisch) 350 × 510
350 × 520
360 × 530
スイス判(NZZ判、Schweizer Format) 320 × 475
ベルリナー判(Berliner) 315 × 470 1238 × 18½
タブロイド・エクストラ(Tabloid Extra) 305 × 455 12 × 18
ハーフ・ブロードシート判(Half Broadsheet) 300 × 375 12 × 14¾
ハーフ・レニッシュ判(Half Rheinisch) 255–265 × 365–370 10–10½ × 14½
260 × 325 10¼ × 12¾
ハーフ・スイス判(Half Schweizer Format) 240 × 330 9½ × 13
ハーフ・ベルリナー判(Half Berliner) 230–240 × 310–320 9–9¼ × 12¼–12½
タブロイド判(Tabloid) 285 × 400 11¼ × 15¾
235 × 315 9¼ × 12½
  • 日本ローカルの判型
    • ブランケット判 - 406×545
    • タブロイド判 - 273×406
    • 菊判 - 469×636(菊半裁)、318×469(菊四裁)
    • オフセット枚葉機による印刷を行っている中・小規模地域紙においては、ブランケット判代用としてJIS B3判(364×515)を、タブロイド判代用としてJIS B4判(257×364)を用いる例が多い。

その他の規格[編集]

  • バイブルサイズ - 95×170 システム手帳などの6穴用紙として普及している。B6に比べ短辺(横)が短くなっているが、B6の判形が収まるバインダーも多い。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]