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== 日本語訳 ==
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=== 対比列伝 ===
=== 対比列伝 ===
* 『英雄伝』全6巻(予定)、[[柳沼重剛]]ほか訳、[[京都大学学術出版会]]〈西洋古典叢書〉(2007年より刊行中、完結時期未定)
* 『英雄伝』全6巻(予定)、[[柳沼重剛]]ほか訳、[[京都大学学術出版会]]〈西洋古典叢書〉(2007年より刊行中、完結時期未定、2013年現在3巻目まで刊
* 『プルターク英雄伝』全12巻、[[河野与一]]訳、[[岩波書店]]〈[[岩波文庫]]〉
* 『プルターク英雄伝』全12巻、[[河野与一]]訳、[[岩波書店]]〈[[岩波文庫]]〉。初の原典完訳
* 『プルタルコス英雄伝』全3巻、[[村川堅太郎]]編、[[筑摩書房]]〈[[ちくま学芸文庫]]〉、1996年。(元版は筑摩書房『世界古典文学全集23 プルタルコス』)
* 『プルタルコス英雄伝』全3巻、[[村川堅太郎]]編、[[筑摩書房]]〈[[ちくま学芸文庫]]〉、1996年。(元版は筑摩書房『世界古典文学全集23 プルタルコス』)
* 『プルターク英雄伝』全8巻、[[鶴見祐輔]]訳、潮文庫〈潮出版社〉、1971年。(※英訳版からの重訳)。抜粋版潮文学ライブラリー(全1巻、2000年)<ref>版は『プルターク英雄伝』全6巻、鶴見祐輔訳、改造社、1934年。</ref>
* 『プルターク英雄伝』全8巻、[[鶴見祐輔]]訳、潮文庫〈潮出版社〉、1971年。(※英訳版からの重訳)。抜粋版は、潮文学ライブラリー(全1巻、2000年)<ref>初刊版は『プルターク英雄伝』全6巻、鶴見祐輔訳、改造社、1934年。</ref>
* 『プリューターク英雄伝』 [[沢田謙|澤田謙]]訳、[[講談社文芸文庫]]、2012年。訳者独自の視点の編訳本。戦前1930年に刊行、何度も版を重ねた。
* 『プリューターク英雄伝』 [[沢田謙|澤田謙]]訳、[[講談社文芸文庫]]、2012年。訳者独自の視点の編訳本。初刊は戦前1930年、何度も版を重ねた。


=== 倫理論集(モラリア) ===
=== 倫理論集(モラリア) ===

2014年9月7日 (日) 11:36時点における版

プルタルコス像

プルタルコス: Πλούταρχος:Plutarchus、46年から48年頃 - 127年頃)は、帝政ローマギリシア人著述家。著作に『対比列伝』(英雄伝)などがある。英語名のプルターク(Plutarch)でも知られる。

略歴

ボイオティアにあるカイロネイアの名門出身。アテナイ数学自然哲学を学び、ギリシャ本土と小アジアのサルディス、エジプトアレクサンドリアに赴き、カイロネイアの使節としてローマにも度々滞在した。生涯を故郷で過ごし、市民と親しく付き合い、ローマからの客をもてなしたので、家は大いに賑わったとされる。一方では、デルフォイ神殿の神官と交流を持ち、神託を推奨した。

思想的にはアカデメイア派に属し、その他ストア派ペリパトス派の考え方も取り入れていた。

著作

著作活動は熱心で、3世紀頃に編纂されたプルタルコス著作目録によれば、『対比列伝』(英雄伝)をはじめ、227もの書物が挙げられている。

『対比列伝』は1人の人物を記述した単独伝記4編と、古代ギリシアの人物と古代ローマの人物を対比した対比列伝22編からなる。対比列伝では、アテナイの王テーセウス王政ローマを建国したロームルススパルタの律法者リュクルゴスとローマの古王ヌマアレクサンドロス3世(大王)とカエサル、などが対比されている。

この『対比列伝』は16世紀ジャック・アミヨによる仏訳がなされ、その仏語版から17世紀のサー・トマス・ノースが訳した英語版を参考にシェイクスピアは『ジュリアス・シーザー』、『アントニーとクレオパトラ』、『コリオレイナス』などのローマ史劇を執筆したとされる[1]

『倫理論集(モラリア)』は政治・宗教・哲学などについて論じた随想集であり、エッセーの起源であるとされる。のちにモンテーニュラブレーなどのルネサンス期のフランス文学や、ラ・ロシュフーコーなど17、18世紀のフランスモラリストに、大いなる影響があった。

日本語訳

対比列伝

  • 『英雄伝』全6巻(予定)、柳沼重剛ほか訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉(2007年より刊行中、完結時期未定、2013年現在3巻目まで刊)
  • 『プルターク英雄伝』全12巻、河野与一訳、岩波書店岩波文庫〉。初の原典完訳
  • 『プルタルコス英雄伝』全3巻、村川堅太郎編、筑摩書房ちくま学芸文庫〉、1996年。(元版は筑摩書房『世界古典文学全集23 プルタルコス』)
  • 『プルターク英雄伝』全8巻、鶴見祐輔訳、潮文庫〈潮出版社〉、1971年。(※英訳版からの重訳)。抜粋版は、潮文学ライブラリー(全1巻、2000年)[2]
  • 『プリューターク英雄伝』 澤田謙訳、講談社文芸文庫、2012年。訳者独自の視点での編訳本。初刊は戦前1930年、何度も版を重ねた。

倫理論集(モラリア)

  • 『モラリア』全14巻(予定)、戸塚七郎・松本仁助ほか訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、(1997年より刊行中、完結時期未定、2013年に11冊目刊)
  • 『倫理論集の話』(抜粋訳) 河野与一選訳、岩波書店。
  • 『モラリア』抜粋訳は、各・柳沼重剛訳(岩波文庫)で以下が刊。
    • 『饒舌について 他五篇』(1985年)
    • 『愛をめぐる対話 他三篇』(1986年)
    • 『食卓歓談集』(1987年) - 「酒席で哲学論議をしてもよいか」など33編。
    • 『似て非なる友について 他三篇』(1988年)
    • 『エジプト神イシスオシリスの伝説について』(1996年)

脚注

  1. ^ (トマス・ノース英訳版『プルターク英雄伝』は、1993年に龍渓書舎で高価な特製本2冊組で刊行(塚田孝雄編)
  2. ^ 初刊版は『プルターク英雄伝』全6巻、鶴見祐輔訳、改造社、1934年。

外部リンク

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