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2009年1月28日 (水) 11:21時点における版
ジャンル | パドルゲーム |
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対応機種 | アーケード |
開発元 | エキシディ |
発売元 | エキシディ |
人数 | 1~2人(交代制) |
発売日 | 1977年 |
サーカス (Circus) は、エキシディ(Exidy)社から1977年に発売された、「ブロックくずし」をアレンジした、アーケードゲーム用ビデオゲームである。
パドルを操作して目標物を全部割ると言う「ブロックくずし」の発想をアレンジしたゲームである。ジャンプするたびに逆さまになったり手足をバタバタさせるピエロや、当時まだ珍しかったBGM(キャラクタを動かしながら曲を鳴らすのはまだ無理だったのか、演奏中は画面が止まる)がコミカルで、結局「ブロックくずし」と「スペースインベーダー」の間では、最もヒットしたゲームとなった。
日本国内でも数多くのゲーム会社からコピーゲームが出たが、どの製品もオリジナルとはタイトルが異なっており、「風船割り」の通称で知られる。
ゲームの概要
- 所定のコインを投入し、1プレイヤー/2プレイヤーを選択する。
- 画面上部に"▼"型の風船が三列、横に流れている。これは上から順に青・緑・黄の色セロハン(オーバーレイ)が貼られている(色はリンク内のサービスマニュアルを元に解説)
- 画面の端のジャンプ台からピエロが歩いて来た後、ジャンプして落下する。
- パドルを回して画面下部のシーソーを左右に動かし、シーソーの人が乗っていない側に、落ちてくるピエロを受ける(乗せる)。ただし、落下位置によっては絶対に受けることの出来ない手詰まりの場合もあり、左右に設置されたジャンプ台が、手詰まりを減らす役割もしている。
- シーソーでピエロを受けると、もう片方のピエロが放物線を描いて、風船に向かって飛び上がる。風船までピエロが届かずに落下する場合もある。風船、左右の壁、天井、4箇所あるジャンプ台に当たると跳ね返る(風船に当たった場合は跳ね返らない場合もある)。
- ピエロが風船に接触すれば、風船を割ることができ、風船の位置により点数が異なる(黄色は20点、緑は50点、青は100点)。さらに勢いがあれば、一回のジャンプで連続で風船を割る事もできる。ピエロの当たり方によって、風船を割った後跳ね返る場合と跳ね返らず貫通する場合がある。
- 風船を一列全て割るとBGMが鳴り響き、風船一個の10倍(例えば黄色なら200点)のボーナス点が入り、その列の風船が再び出現する。
- 青(上段列)の風船を全て割ると別のBGMが鳴る。その場合ミスしても1回ピエロが登場して遊べる。(画面には"BONUS PLAY"と表示)。BONUS PLAY中は複数回ボーナスジャンプを得ても、1回しかボーナスプレイは出来ない。なお、7と8は風船が3列すべて割れないと復活しないなど、ディップスイッチ設定で変更できる。
- ピエロを地面に落とすと潰れた格好になり、葬送行進曲が流れる。ピエロが残っていれば(8の"BONUS PLAY"の条件を満たした場合)次のピエロが出て来て再度プレイできる。
- ピエロを全て落としたらとゲームオーバー。規定数以上の得点を得ていると、ゲームオーバー後に再ゲームを1回だけ行う(規定数はコイン投入後のルール説明画面に表示される)。
他社から出たサーカス
模倣品タイトル
- クラウンズ(ウィリアムスのライセンス生産)
- アクロバット(タイトーのライセンス生産)
- サーカス・サーカス(ユニバーサル→後のアルゼ)
- シーソージャンプ(セガ)
- デビルサーカス(豊栄産業→後のバンプレスト)
- ピエロ(ウコー)
- ピッコロ(IPM→後のアイレム→アピエス)
- フウセンワリゲーム(データイースト)
- ボンパ(日本物産)
若干アレンジしたゲーム
- バルーンサーカス(データイースト)
- 画面を縦長、文字をカタカナにしたもの。ちなみにデータイーストは、カナ表示を使った初のゲーム会社だった。
- ミニバルーン(データイースト)
- 「バルーンサーカス」をさらにテーブル筐体にしたもの。
- ニャンコロ(IPM)
- 風船をネコのキャラクタに変え、時間がたつと親ネコが登場して邪魔をする。色セロハンの種類も変更されており、またこちらも文字がカタカナとなった。日本のアレンジ物では一番よく出来ており、現在でも中古アーケードゲーム基板業界に出てくる事がたまにある。
亜流
- トラピーズ(エキシディ)
- 空中ブランコをつなぎながら星印を集めていく。タイトーにおけるゲーム名は「トランポリン」。
- ジプシージャグラー(Meadows Games)
- お手玉を扱ったゲーム。この両ゲームはタイトーからもライセンスされたが、あまり受けなかった。
- リップオフ(エキシディ)
- スカイダイビングをテーマにしているが、プレイヤーキャラクターが人型、特定のシチュエーションでBGMが鳴る(スタート時は「猫踏んじゃった」、ゲームオーバー時は「蛍の光」)などの作風が継承されている。日本ではデータイーストが『ナイスオン』の名で発売した。
- フィールドゴール(タイトー)
- アメリカンフットボールがモチーフ。パドル操作は単なるラケットだが、色違いの3列が並んでいるアメフト選手を一列消すと、BGMが鳴った後一列補充される点は「サーカス」の影響が見られる。
- プランプポップ(タイトー)
- 「アルカノイド」によりリメイクゲームが流行った際、「サーカス」のリメイクとして出たもの。ステージ毎の違い、アイテム、ボスキャラ、可愛いキャラ等、1980年代半ばから当たり前となった要素が組み込まれている。また、シーソーではなくトランポリンに変更されている。
- 小僧隊ガッチョ(アイレム)
- プランプポップと同発想のリメイクゲーム。全40面の背景には世界の名所が使われている。ロケテストの成績が悪かった(インカムが数百円~ゼロの日もあったという)為、ゲーメストに広告まで打たれながら、正式発売には至らなかった。
近年の設置状況
- 2002年までは福岡の西神岩田屋百貨店で「アクロバット」が稼動していた。
- マザー牧場にも「アクロバット」が2006年まで存在していた。
- 静岡県伊豆の「怪しい少年少女博物館」には「サーカス・サーカス」が存在している。
移植など
- ホビーパソコン(当時はマイコンと言った)への移植は余り多くないものの、TK-80BSやFM-8が確認されている。TK-80BS版はピエロの放物線がうまく再現されたり、3列目の風船はゲーム中に追加されるなど、オリジナルに迫る完成度だった。FM-8版は画面こそ綺麗なものの、風船が1列、速度が遅いなどの欠点があり、遊び易いとは言いにくかった。
- MAMEでもサポートされており、BGMや色セロハンも再現されている。
- 意外にも家庭用ゲーム機には殆ど移植されておらず、現在でもAtari 2600にサーカスが、プランプポップがプレイステーション2に移植されたぐらいである。
- なお、携帯電話用アプリとしてはセガはiモード用に『シーソージャンプ2005』を配信しており、auではA.D.2000Limitedが類似ゲーム『あぁ跳ばされる』を配信している。後者はシーソーで棒人間が交互に跳ばされる点は同じだが、風船が存在せず、シーソーの往復回数がそのまま点数として加算される。
その他
- このゲームを発売したエキシディ社は、アーケードビデオゲーム黎明期に活躍していたラムテック(Ramtek)社が解散した後、ラムテック社のメンバーが再び作った会社である。この「サーカス」が一番有名なゲームとなったが、他には自動車が人をひき殺す内容で、世界初の非難を受けたビデオゲームとなった「デスレース」、コクピット筐体の中で映画「スターウォーズ」によく似た宇宙船と戦う「スターファイア」、碁盤目状のステージで敵を撃ち全滅させる「ターグ」「スペクター」程度しか、後世に残る作品が無かった。エキシディ社は1980年代初頭に終焉を遂げている。
- 「エースをねらえ!」のアニメ映画版において、主人公の岡ひろみが、ゲームセンターや喫茶店でゲームに興じるシーンが何度も出て来るが、「サーカス」で風船が一列割れた時の音楽が、効果音として使われている。実物が出てくるわけではないが、今となってはこれでも貴重な1シーンとなっている。
- ユニバーサルがマスコットキャラとして使っていたピエロは「Mr. Do!」が初登場と思われているが、それはビデオゲームからの話で、印刷媒体では「サーカス・サーカス」から登場している。つまりピエロというキャラ自体が「サーカス」から持ってきたものである。
- イエロー・マジック・オーケストラは、ファーストアルバムで、このゲームのサウンドを使用した「COMPUTER GAME "Theme From The Circus"」という曲を収録している。レコーディングに際しては、当時サンプリングの技術は確立していなかたため、メンバーはゲーム機の音響をそのまま録音したが、2曲目「FireCracker」に繋がるような展開が録音できなかったため、シンセサイザーで似せた音を作り、効果音としている。
- 鳥山明の初期作品「ワンダーアイランド2」にはサーカスを模したゲームをパロディにしたコマが存在する。この作品は現在鳥山明○作劇場の1巻に収録。
参考文献
- それは『ポン』から始まった:赤木真澄 アミューズメント通信社 ISBN 4-9902512-0-2 C3076