「熊本市交通局9200形電車」の版間の差分

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{{鉄道車両
{{No footnotes|date=2016年4月}}
|車両名=熊本市交通局9200形電車
[[ファイル:Kumamoto9204_1.jpg|250px|thumb|9204]]
|社色=#269926
'''熊本市交通局9200形電車'''(くまもとしこうつうきょく9200がたでんしゃ)は[[熊本市交通局]](熊本市電)の[[路面電車]][[鉄道車両|車両]]の形式である。形式名は製造初年の1992年(平成4年)に由来する。
|画像=ファイル:Kumamoto City Tram 9201 20160727.jpg
|画像説明=9201号([[辛島町停留場|辛島町]]付近・2016年7月)
|運用者=[[熊本市交通局]]
|製造所=[[アルナ工機]]
|製造年=[[1992年]]・[[1994年]]
|製造数=5両 (9201 - 9205)
|運用開始=1992年[[4月2日]]
|軌間=1,435 [[ミリメートル|mm]]
|電気方式=[[直流電化|直流]]600 [[ボルト (単位)|V]]([[架空電車線方式]])
|最高運転速度=
|起動加速度=
|常用減速度=
|非常減速度=
|車両定員=72人(座席30人)
|自重=19.0 [[トン|t]]
|全長=13,500 mm
|全幅=2,360 mm
|全高=3,850 mm
|台車=[[住友金属工業]]製 FS-89A・FS-89B
|主電動機=[[三菱電機]]製 MB-5016-B<br />[[かご形三相誘導電動機]]
|主電動機出力=50.0 [[キロワット|kW]]
|搭載数=2基 / 両
|駆動方式=[[WN駆動方式]]
|歯車比=6.54
|制御方式=[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御方式]]
|制御装置=電圧形[[パルス幅変調|PWM]]インバーター
|制動装置=SME-R [[発電ブレーキ|電制]]併用[[直通ブレーキ]]<br />[[応荷重装置]]・[[保安ブレーキ]]付
|備考=出典:[[#rp566|「新車年鑑1992年版」]]146・183頁等
}}
'''熊本市交通局9200形電車'''(くまもとしこうつうきょく9200がたでんしゃ)は、[[熊本市交通局]](熊本市電)に在籍する[[路面電車]][[鉄道車両|車両]]である。


熊本市電において1980年代から90年代初めにかけて導入が続いた全金属製[[ボギー台車|ボギー車]]の一つ。[[1992年]](平成4年)から[[1994年]](平成6年)にかけて計5両製造された。
== 車両概説 ==

1992年(平成4年)に9201・9202、1993年(平成5年)に9203・9204、1994年(平成6年)に9205の計5両が[[アルナ車両|アルナ工機]]にて製作された。9201は熊本市の提携している友好都市にちなみ「[[ハイデルベルク]]」の愛称名が付けられ、車内にはハイデルベルクを紹介するパネルが掲示されており、かつてはドイツ語での車内放送が行われていた。2017(平成29)年4月より外部の入口、出口標示板に日本語、英語、韓国語に加えドイツ語で「Eingang(入口)・Ausgang(出口)」が追加されたが、ドイツ語の表記が大きめに設置されており、その下部に日本語、英語、韓国語が表記されている。車内の広告枠(側面天井曲部分、運転士セパレート部分のポスター枠等)は全てハイデルベルク市内や、路面電車等の写真を追加掲載、吊革にはドイツ語で日本語を意味する単語等を掲載されている。
== 導入の経緯 ==
[[1982年]](昭和57年)、熊本市電では[[1960年]](昭和35年)以来となる新造車として、日本初の[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]車[[熊本市交通局8200形電車|8200形]]が2両導入された<ref name="rp509">[[#rp509|『鉄道ピクトリアル』通巻509号]]130-134頁</ref>。続いて[[1985年]](昭和60年)と翌年に2両ずつ、旧型車の機器を流用した車体更新車[[熊本市交通局8500形電車|8500形]]が登場、[[1988年]](昭和63年)には2番目のVVVF車として[[熊本市交通局8800形電車|8800形]]も2両製造された<ref name="rp509"/>。

上記の車両は老朽車両の代替用であったが、続いて運行回数の増加用に車両を増備することとなった<ref name="rp566">[[#rp566|「新車年鑑1992年版」]]146・183頁</ref>。こうして導入されたのが本形式であり<ref name="rp566"/>、最初の2両、9201号・9202号が1992年(平成4年)[[3月31日]]付で竣工し、[[4月2日]]より営業を開始した<ref>[[#rp566|「新車年鑑1992年版」]]106・187頁</ref>。次いで同年[[12月18日]]付で9203号・9204号の2両が竣工<ref>[[#rp582|「新車年鑑1993年版」]]110・191頁</ref>。さらに[[1994年]](平成6年)[[11月24日]]付で9205号も増備され、9200形は計5両となった<ref name="rp612">[[#rp612|「新車年鑑1995年版」]]101・188頁</ref>。メーカーは5両とも[[アルナ工機]]<ref name="rp688">[[#rp688|『鉄道ピクトリアル』通巻688号]]230-234頁</ref>。なお、この間の[[1993年]](平成5年)にレトロ調電車101号が導入されているが、本形式に準ずる基本構造の車両であるにもかかわらず8800形のうちの1両とされている<ref name="rp597">[[#rp597|「新車年鑑1994年版」]]135・167頁</ref>。

導入費は1両あたり約1億300万円である<ref name="70th-119">[[#70th|『熊本市電70年』]]119-120頁</ref>。本形式導入後、熊本市電では1993年10月にかけて3度のダイヤ改正が実施され、導入以前の2度の改正とあわせ、全線にわたり大幅な増便が実現した<ref>[[#70th|『熊本市電70年』]]117-118頁</ref>。


== 構造 ==
== 構造 ==
=== 車体・車内設備 ===
=== 車体 ===
[[ファイル:Kumamoto9202 1.jpg|thumb|9202号(2008年)]]
前面は流線型の大形一枚窓であるが、[[熊本市交通局8800形電車|8800形]]と比べて傾斜が大きくなっている。また前面両端下部に前照灯と尾灯を配置しており、9201のみ中央にハイデルベルクの紋章が取り付けられている(シール式)。窓配置はD2D2の対称形で、下部固定・上段スライド式のユニット式アルミサッシ窓である。また前回に導入された8800形では前後扉であったが、本形式は従来の前中扉に戻され、2枚折り戸の前扉(降車口)と2枚折り戸を2組用いた両開き式4枚扉の中央扉(乗車口)で扉構成は[[熊本市交通局8200形電車|8200形]]と同様である。
[[ファイル:Kumamoto9204 1.jpg|thumb|9204号(2007年)]]


本形式は、先に登場した[[熊本市交通局8800形電車|8800形]]をベースに設計された車両である<ref name="rp566"/>。最大寸法は長さ13.50[[メートル]]、幅2.36メートル、車体高さ3.21メートル・パンタグラフ折りたたみ高さ3.85メートル<ref name="rp566"/>。自重は19.0[[トン]]<ref name="rp566"/>。
また、側面系統幕は8200・[[熊本市交通局8500形電車|8500形]]・8800形(101を除く)よりも少し大きくなり、後に側面系統表示板を設置したが現在も使用している。[[熊本市交通局8800形電車|101形]]と同様で以前は通過停留所を表示したものだったが、現行のA・B系統になってからは前面と同じく系統と行先のみの表示となった。


車体についての8800形からの変更点は前面形状と側面ドアの2点<ref name="rp566"/>。前面形状は前面窓の傾斜角度が8800形の11.2度から本形式では5.7度と緩やかになっており、その結果車両全長が20センチメートル短くなった<ref name="rp566"/>。側面ドアについては8800形(レトロ調電車101号を除く)では車両の前後に配置するという熊本市電では珍しいものであるが、本形式では一般的な配置に戻された<ref name="jtb-150">[[#jtb|『熊本市電が走る街今昔』]]150-156頁</ref>。従って、側面ドアは左右非対称の配置であり、進行方向に向かって左側では車体前部と中央部やや後ろ寄り、右側では車体後部と中央部やや前寄りにある<ref name="rp566"/>。熊本市電では原則として進行方向左手に停留場ホームがあることから、中扉が乗車口、前扉が降車口となる(後乗り前降り)<ref name="rp688"/>。ドアは中扉が幅130センチメートルの両開き折り戸、前扉が有効幅85センチメートルの片開き引き戸<ref name="rp566"/>。また本形式では乗降口ステップが2段となった<ref name="rp566"/>。
車番は新製時より8800型と同様、前扉上部と側面中央のみに掲載され、前面には新製時には掲載されていなかったが、外部広告掲載復活時にシール式ではあるが掲載される様になった。現状では、


側面の窓はドア間に片側3枚ずつとその反対側に片側2枚ずつの配置<ref name="rp566"/>。窓は基本的に幅165.0センチメートルの大型窓だが、中扉左手のみ幅40.0センチメートルの縦長窓である<ref name="rp566"/>。また中扉右手窓下に側面[[方向幕]]を設ける<ref name="rp566"/>。この方向幕は8800形に比して大型化されており、新造時のものは経由地も書き加えられていた<ref name="70th-119"/>。
9201・排障器中央


車体塗装の基本色はホワイトクリーム色<ref name="rp566"/>。5両で唯一[[#愛称の設定|愛称の設定]]がある9201号「ハイデルベルク号」は側面窓下にグリーンの線、側面窓上と車体下部にはあずき色の線を入れる<ref name="rp566"/>。9202号は窓回りと窓下にマリンブルーの線を入れたデザイン<ref name="rp566"/>。9203号以降の3両は車体下部を青で塗り、窓下に緑色の斜線、窓上に青と緑の帯を入れたデザインになっている<ref name="handbook">[[#handbook2018|『路面電車ハンドブック』2018年版]]175-181</ref>。
9202・バンパー左側
{{-}}


=== 客室設備 ===
9203・排障器中央
[[ファイル:Kumamoto9202 interior 1.jpg|thumb|車内(9202号)]]


[[鉄道車両の座席|座席]]はロングシートを採用する<ref name="rp566"/>。中央のドアによって分割されており、ドア間には長さ2.15メートルならびに長さ1.45メートルの座席を、その反対側には長さ3.35メートルの座席を並べる<ref name="rp566"/>。3つのうちドア間の中央ドア寄りに位置する短い方(3人掛け)の座席は2か所とも折りたたみ座席になっており、シートを折りたたむと[[車椅子スペース]]として使用できる<ref name="rp566"/>。
9204・バンパー左側


定員は座席30人・立席42人の計72人である<ref name="rp566"/>。
9205・バンパー左側と排障器中央
{{-}}


=== 主要機器 ===
と、なり但し9201を除く4両は広告掲載新規時に車番掲載位置が変更される事もある。
[[ファイル:Kumamoto9201 cockpit 1.jpg|thumb|運転台(9201号)]]
[[ファイル:Kumamoto City Tram 9204 Bogie truck.jpg|thumb|FS-89A形台車(9204号)<br />右手が運転台側(=外側)。]]


{{See also|熊本市交通局8800形電車#主要機器}}
[[鉄道車両の座席|座席]]はロングシートであるが、入口中央扉より対面する一部座席は車椅子用のスペースとして折り畳み出来る様になっており、9205は座席を若干改良した上で落成した。屋根上に[[三菱電機]]製の冷房装置と補助インバータを搭載する。


電装品は8800形に準ずるもので、[[主電動機]]は[[かご形三相誘導電動機]]MB-5016-B形2台(出力50[[ワット|キロワット]]、[[WN駆動方式]]<ref name="jari188">[[#jari188|『車両技術』第188号]]36-45頁</ref>)、[[電気車の速度制御|制御方式]]は[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御方式]]、[[鉄道のブレーキ|ブレーキ]]システムは電制([[発電ブレーキ|発電]]・[[回生ブレーキ]])併用[[直通ブレーキ|直通空気ブレーキ]]SME-R形をそれぞれ採用する<ref name="rp566"/>。
その後、日本初の超低床電車[[熊本市交通局9700形電車|9700形]]が導入された為、一般床車としては現在のところ最後のグループである。


VVVFインバーター制御装置は、新造時はスイッチング素子に[[ゲートターンオフサイリスタ|GTOサイリスタ]]を使用するMAP-052-60VDを搭載していた<ref name="rp566"/>。その後[[2011年]]度(平成23年度)より、先に更新された[[熊本市交通局8200形電車|8200形]]に準ずる、スイッチング素子に[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]を用いる電圧形[[パルス幅変調|PWM]]インバーターの[[三菱電機]]製MAP-121-60VD155形へと更新するインバーター制御装置更新工事が始まった<ref>[[#rp868|「鉄道車両年鑑2012年版」]]193頁</ref>。工事はレトロ調電車8800形101号を対象とした2014年度を除いて毎年1両ずつ施工され<ref>[[#rp868|「鉄道車両年鑑2012年版」]]119頁</ref><ref>[[#rp881|「鉄道車両年鑑2013年版」]]133頁</ref><ref>[[#rp896|「鉄道車両年鑑2014年版」]]145頁</ref><ref>[[#rp909|「鉄道車両年鑑2015年版」]]151頁</ref><ref>[[#rp923|「鉄道車両年鑑2016年版」]]123頁</ref>、[[2016年]]度(平成28年度)に全車完了した<ref>[[#rp951|『鉄道ピクトリアル』通巻951号]]148頁</ref>。
=== 電装品・台車 ===
8800形と同様、GTO素子の[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]を採用し、インバータ装置と交流モータは[[三菱電機]]製。モータは50kWのものを2基使用しており、1台車1モータ方式を採用している。またブレーキ装置も三菱電機製である。


[[鉄道車両の台車|台車]]は、8800形が装備する[[住友金属工業]]製FS-89形([[ボルスタアンカー]]付きのインダイレクトマウント台車で、オイルダンパー併用のコイルバネによる[[枕バネ]]やシェブロンゴム式[[鉄道車両の台車#軸箱支持方式|軸箱支持方式]]を採用<ref name="jari188"/>)の改良型であり、車輪をゴムリング付防音車輪に変更したFS-89A形を採用する<ref name="rp566"/>。最終増備の9205号のみFS-89B形を装備しており<ref name="rp612"/>、これは先に8800形レトロ調電車101号で採用された、保守性向上のためブレーキシリンダーを台車枠外側に移した台車である<ref name="rp597">[[#rp597|「新車年鑑1994年版」]]135・167頁</ref>。
[[鉄道車両の台車|台車]]は9201 - 9204が[[住友金属]]製FS-89Aで、9205が同社製FS-89Bで全車両、空転防止用砂撒装置を備えている。


9205み新時よりシングルアームパンタを装備る。
[[集電装置]]は8800形と同様Z形パンタグラフを装備するが、9205号については同じ[[東洋電機造]]製のシングルアームパンタグラフPT7101-A形を装備してい<ref name="70th-119"/>
{{-}}


== 主要諸元 ==
== 愛称の設定 ==
[[ファイル:Wappen Heidelberg.svg|thumb|upright|[[ハイデルベルク]]の市章。9201号の車体にも描かれている。]]
* 製造年:1992年(平成4年)(9201・9202)・1993年(平成5年)(9203・9204)・1994年(平成6年)(9205)
* 全長:13,500mm
* 全幅:2,360mm
* 全高:3,850mm
* 自重:19.0t
* 車体構造:全金属製
* 定員(着席):72(30)人
* 電動機
** 出力:50kW×2基
** 駆動方式:平行カルダン方式
* 制御方式:VVVFインバータ制御方式
* 制動装置:ME38LM型(三菱電機製)


[[1988年]](昭和63年)に導入された[[熊本市交通局8800形電車|8800形]]2両は、国際交流電車として熊本市の姉妹友好都市にちなみそれぞれ「[[サンアントニオ]]号」「[[桂林市|桂林]]号」と命名された<ref name="70th-115">[[#70th|『熊本市電70年』]]115-116頁</ref>。これに続き、[[1992年]](平成4年)5月に熊本市と友好都市となった[[ドイツ]]・[[ハイデルベルク]]についても、車両の愛称に採用することとなった<ref name="n20170502">「熊本市電のハイデルベルク号“お色直し” 友好都市締結25周年で」『[[熊本日日新聞]]』2017年5月2日付朝刊市圏</ref>。「ハイデルベルク号」と命名されたのは本形式のうち9201号で、命名式は運行開始後の1992年[[9月14日]]に実施<ref name="70th-115"/>。車体にはハイデルベルクの市章が付けられた<ref name="70th-115"/>。車内には都市の紹介写真が掲げられ、テープによる車内放送では[[ドイツ語]]での電停案内が行われた<ref name="70th-115"/>。
== 現況 ==
製造当初のVVVF装置から[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT素子]]を用いたVVVF装置へ順次交換されていたが、最後まで未更新だった9205が2017(平成29)年2月に更新後出場した為、全て完了した。


[[2017年]](平成29年)4月、友好都市提携25周年を記念した「ハイデルベルク号」のリニューアルが完成した<ref name="n20170502"/>。改装後は車体に市章に加え[[ドイツ国旗]]が描かれるようになり、乗降口の場所を示す案内表記にも日・英・中・韓の4か国語にドイツ語が加えられた<ref name="n20170502"/>。車内に掲示されていた紹介パネルや写真も一新され、さらに[[つり革]]にはドイツ語単語の紹介文が加えられた<ref name="n20170502"/>。
== 塗装及び広告車両 ==
2017年11月現在
* 9201 : [[ハイデルベルク]]号
* 9202 : 金氏高麗人参(株)・(神秘の健康力)
* 9203 : [[フジバンビ]](黒糖ドーナツ棒)
* 9204 : 金氏高麗人参(株)・(神秘の健康力)
* 9205 : 明和不動産(2016年1月まで[[熊本市交通局1350形電車|1351]]が掲載していたものに若干デザイン変更したもの)


== 運用と改造 ==
9201は新製時より約6ヶ月間はハイデルベルク号になるまで、白色アイボリーベースに深茶色と深緑色のデザインで運用していたが、後にロゴと市章が掲載された。2017(平成29年)3月より車両後部の紋章より後部の深緑色の線がドイツ国旗色(上より黒・赤・黄)に追加変更された。残りの4両は塗装は白地で各車両毎にオリジナルデザインの塗色が施されている(9203,9204は同色)が広告車両になる事が多いため、なかなか見る事が出来ない。
[[ファイル:Kumamoto City tram 9202.jpg|thumb|方向幕更新前の9202号(2009年)]]


本形式は他のボギー車と共通の運用によって運転されており、1997年以降に登場した[[超低床電車]]([[熊本市交通局9700形電車|9700形]]・[[熊本市交通局0800形電車|0800形]])のように固定ダイヤがあるわけではない<ref name="rp688"/><ref name="rp852">[[#rp852|『鉄道ピクトリアル』通巻852号]]264-269頁</ref>。
9201は2018(平成30)年1月に外部の全面塗装を施し、客席シートの張り替えも施した。但しデザインは従来のままである。

新造後の改造点には、以下のような他形式と共通のものが挙げられる。
* 乗降口へのカードリーダー設置 - [[1998年]](平成10年)3月からの[[乗車カード]]「[[TO熊カード]]」導入に伴う<ref name="rp688"/>。
* 常時記録型[[ドライブレコーダー]]設置 - [[2010年]]度(平成22年度)施工<ref>[[#rp855|「鉄道車両年鑑2011年版」]]154頁</ref>。
* 方向幕更新 - [[2011年]](平成23年)3月の系統名変更ならびにラインカラー設定に伴う。[[熊本市電A系統|A系統]]が赤、[[熊本市電B系統|B系統]]が青、その他臨時系統が黄色とされ、それぞれ色付き方向幕に変更<ref name="rp852">[[#rp852|『鉄道ピクトリアル』通巻852号]]264-269頁</ref>。
* ICカードリーダー設置 - [[2014年]](平成26年)3月の[[ICカード乗車券]]「[[nimoca|でんでんnimoca]]」導入に伴う<ref name="handbook"/>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}


== 画像 ==
<gallery>
ファイル:Kumamoto9201_1.jpg|9201「ハイデルベルグ号」
ファイル:Kumamoto9201 cockpit 1.jpg|9201 運転台
ファイル:Kumamoto9201 interior 1.jpg|9201 車内
ファイル:Kumamoto9202 1.jpg|9202
ファイル:Kumamoto City tram 9202.jpg|9202 広告電車
ファイル:Kumamoto9202 interior 1.jpg|9202 車内
ファイル:Kumamoto9203_1.jpg|9203
ファイル:Kumamoto9205_1.jpg|9205
</gallery>
== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
{{Commons|Category:Kumamoto City Tram 9200 series}}
*「熊本市電70年」細井敏幸(著) 1995/02/14

* {{Cite book|和書|author=中村弘之 |title=熊本市電が走る街今昔 |publisher=[[JTBパブリッシング]]([[JTBキャンブックス]]) |year=2005 |ref=jtb }}
'''書籍'''
* {{Cite book|和書|author=中村弘之 |title=熊本市電が走る街今昔 |publisher=[[JTBパブリッシング]]([[JTBキャンブックス]]) |year=2005 |isbn=4-533-05990-2 |ref=jtb }}
* {{Cite book|和書|author=日本路面電車同好会 |title=日本の路面電車ハンドブック |volume=2018年版 |publisher=日本路面電車同好会 |year=2018 |ref=handbook2018 }}
* {{Cite book|和書|author=細井敏幸 |title=熊本市電70年 |publisher=細井敏幸<!--自費出版本--> |year=1995 |ref=70th }}

'''雑誌記事'''
* 『[[鉄道ピクトリアル]]』各号
** {{Cite journal|和書|author=細井敏幸 |title=九州・四国・北海道地方のローカル私鉄現況6 熊本市交通局 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第39巻第3号(通巻509号) |publisher=電気車研究会 |date=1989-03 |pages=130-134 |ref=rp509 }}
** {{Cite journal|和書|author=細井敏幸 |title=日本の路面電車現況 熊本市交通局 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第50巻第7号(通巻688号) |publisher=電気車研究会 |date=2000-07 |pages=230-234 |ref=rp688 }}
** {{Cite journal|和書|author=細井敏幸 |title=日本の路面電車各車局現況 熊本市交通局 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第61巻第8号(通巻852号) |publisher=電気車研究会 |date=2011-08 |pages=264-269 |ref=rp852 }}
** {{Cite journal|和書|author=岸上明彦 |title=2016年度民鉄車両動向 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第68巻第10号(通巻951号) |publisher=電気車研究会 |date=2018-10 |pages=130-148 |ref=rp951 }}
* 「新車年鑑」・「鉄道車両年鑑」(『鉄道ピクトリアル』臨時増刊号)各号
** {{Cite journal|和書|title=新車年鑑1992年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第42巻第10号(通巻566号) |publisher=電気車研究会 |date=1992-10 |ref=rp566 }}
** {{Cite journal|和書|title=新車年鑑1993年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第43巻第10号(通巻582号) |publisher=電気車研究会 |date=1993-10 |ref=rp582 }}
** {{Cite journal|和書|title=新車年鑑1994年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第44巻第10号(通巻597号) |publisher=電気車研究会 |date=1994-10 |ref=rp597 }}
** {{Cite journal|和書|title=新車年鑑1995年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第45巻第10号(通巻612号) |publisher=電気車研究会 |date=1995-10 |ref=rp612 }}
** {{Cite journal|和書|title=鉄道車両年鑑2011年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第61巻第10号(通巻855号) |publisher=電気車研究会 |date=2011-10 |ref=rp855 }}
** {{Cite journal|和書|title=鉄道車両年鑑2012年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第62巻第10号(通巻868号) |publisher=電気車研究会 |date=2012-10 |ref=rp868 }}
** {{Cite journal|和書|title=鉄道車両年鑑2013年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第63巻第10号(通巻881号) |publisher=電気車研究会 |date=2013-10 |ref=rp881 }}
** {{Cite journal|和書|title=鉄道車両年鑑2014年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第64巻第10号(通巻896号) |publisher=電気車研究会 |date=2014-10 |ref=rp896 }}
** {{Cite journal|和書|title=鉄道車両年鑑2015年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第65巻第10号(通巻909号) |publisher=電気車研究会 |date=2015-10 |ref=rp909 }}
** {{Cite journal|和書|title=鉄道車両年鑑2016年版 |journal=鉄道ピクトリアル |volume=第66巻第10号(通巻923号) |publisher=電気車研究会 |date=2016-10 |ref=rp923 }}
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2018年11月4日 (日) 05:46時点における版

熊本市交通局9200形電車
9201号(辛島町付近・2016年7月)
基本情報
運用者 熊本市交通局
製造所 アルナ工機
製造年 1992年1994年
製造数 5両 (9201 - 9205)
運用開始 1992年4月2日
主要諸元
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V架空電車線方式
車両定員 72人(座席30人)
自重 19.0 t
全長 13,500 mm
全幅 2,360 mm
全高 3,850 mm
台車 住友金属工業製 FS-89A・FS-89B
主電動機 三菱電機製 MB-5016-B
かご形三相誘導電動機
主電動機出力 50.0 kW
搭載数 2基 / 両
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 6.54
制御方式 VVVFインバータ制御方式
制御装置 電圧形PWMインバーター
制動装置 SME-R 電制併用直通ブレーキ
応荷重装置保安ブレーキ
備考 出典:「新車年鑑1992年版」146・183頁等
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熊本市交通局9200形電車(くまもとしこうつうきょく9200がたでんしゃ)は、熊本市交通局(熊本市電)に在籍する路面電車車両である。

熊本市電において1980年代から90年代初めにかけて導入が続いた全金属製ボギー車の一つ。1992年(平成4年)から1994年(平成6年)にかけて計5両製造された。

導入の経緯

1982年(昭和57年)、熊本市電では1960年(昭和35年)以来となる新造車として、日本初のVVVFインバータ制御8200形が2両導入された[1]。続いて1985年(昭和60年)と翌年に2両ずつ、旧型車の機器を流用した車体更新車8500形が登場、1988年(昭和63年)には2番目のVVVF車として8800形も2両製造された[1]

上記の車両は老朽車両の代替用であったが、続いて運行回数の増加用に車両を増備することとなった[2]。こうして導入されたのが本形式であり[2]、最初の2両、9201号・9202号が1992年(平成4年)3月31日付で竣工し、4月2日より営業を開始した[3]。次いで同年12月18日付で9203号・9204号の2両が竣工[4]。さらに1994年(平成6年)11月24日付で9205号も増備され、9200形は計5両となった[5]。メーカーは5両ともアルナ工機[6]。なお、この間の1993年(平成5年)にレトロ調電車101号が導入されているが、本形式に準ずる基本構造の車両であるにもかかわらず8800形のうちの1両とされている[7]

導入費は1両あたり約1億300万円である[8]。本形式導入後、熊本市電では1993年10月にかけて3度のダイヤ改正が実施され、導入以前の2度の改正とあわせ、全線にわたり大幅な増便が実現した[9]

構造

車体

9202号(2008年)
9204号(2007年)

本形式は、先に登場した8800形をベースに設計された車両である[2]。最大寸法は長さ13.50メートル、幅2.36メートル、車体高さ3.21メートル・パンタグラフ折りたたみ高さ3.85メートル[2]。自重は19.0トン[2]

車体についての8800形からの変更点は前面形状と側面ドアの2点[2]。前面形状は前面窓の傾斜角度が8800形の11.2度から本形式では5.7度と緩やかになっており、その結果車両全長が20センチメートル短くなった[2]。側面ドアについては8800形(レトロ調電車101号を除く)では車両の前後に配置するという熊本市電では珍しいものであるが、本形式では一般的な配置に戻された[10]。従って、側面ドアは左右非対称の配置であり、進行方向に向かって左側では車体前部と中央部やや後ろ寄り、右側では車体後部と中央部やや前寄りにある[2]。熊本市電では原則として進行方向左手に停留場ホームがあることから、中扉が乗車口、前扉が降車口となる(後乗り前降り)[6]。ドアは中扉が幅130センチメートルの両開き折り戸、前扉が有効幅85センチメートルの片開き引き戸[2]。また本形式では乗降口ステップが2段となった[2]

側面の窓はドア間に片側3枚ずつとその反対側に片側2枚ずつの配置[2]。窓は基本的に幅165.0センチメートルの大型窓だが、中扉左手のみ幅40.0センチメートルの縦長窓である[2]。また中扉右手窓下に側面方向幕を設ける[2]。この方向幕は8800形に比して大型化されており、新造時のものは経由地も書き加えられていた[8]

車体塗装の基本色はホワイトクリーム色[2]。5両で唯一愛称の設定がある9201号「ハイデルベルク号」は側面窓下にグリーンの線、側面窓上と車体下部にはあずき色の線を入れる[2]。9202号は窓回りと窓下にマリンブルーの線を入れたデザイン[2]。9203号以降の3両は車体下部を青で塗り、窓下に緑色の斜線、窓上に青と緑の帯を入れたデザインになっている[11]

客室設備

車内(9202号)

座席はロングシートを採用する[2]。中央のドアによって分割されており、ドア間には長さ2.15メートルならびに長さ1.45メートルの座席を、その反対側には長さ3.35メートルの座席を並べる[2]。3つのうちドア間の中央ドア寄りに位置する短い方(3人掛け)の座席は2か所とも折りたたみ座席になっており、シートを折りたたむと車椅子スペースとして使用できる[2]

定員は座席30人・立席42人の計72人である[2]

主要機器

運転台(9201号)
FS-89A形台車(9204号)
右手が運転台側(=外側)。

電装品は8800形に準ずるもので、主電動機かご形三相誘導電動機MB-5016-B形2台(出力50キロワットWN駆動方式[12])、制御方式VVVFインバータ制御方式ブレーキシステムは電制(発電回生ブレーキ)併用直通空気ブレーキSME-R形をそれぞれ採用する[2]

VVVFインバーター制御装置は、新造時はスイッチング素子にGTOサイリスタを使用するMAP-052-60VDを搭載していた[2]。その後2011年度(平成23年度)より、先に更新された8200形に準ずる、スイッチング素子にIGBTを用いる電圧形PWMインバーターの三菱電機製MAP-121-60VD155形へと更新するインバーター制御装置更新工事が始まった[13]。工事はレトロ調電車8800形101号を対象とした2014年度を除いて毎年1両ずつ施工され[14][15][16][17][18]2016年度(平成28年度)に全車完了した[19]

台車は、8800形が装備する住友金属工業製FS-89形(ボルスタアンカー付きのインダイレクトマウント台車で、オイルダンパー併用のコイルバネによる枕バネやシェブロンゴム式軸箱支持方式を採用[12])の改良型であり、車輪をゴムリング付防音車輪に変更したFS-89A形を採用する[2]。最終増備の9205号のみFS-89B形を装備しており[5]、これは先に8800形レトロ調電車101号で採用された、保守性向上のためブレーキシリンダーを台車枠外側に移した台車である[7]

集電装置は8800形と同様のZ形パンタグラフを装備するが、9205号については同じ東洋電機製造製のシングルアームパンタグラフPT7101-A形を装備している[8]

愛称の設定

ハイデルベルクの市章。9201号の車体にも描かれている。

1988年(昭和63年)に導入された8800形2両は、国際交流電車として熊本市の姉妹友好都市にちなみそれぞれ「サンアントニオ号」「桂林号」と命名された[20]。これに続き、1992年(平成4年)5月に熊本市と友好都市となったドイツハイデルベルクについても、車両の愛称に採用することとなった[21]。「ハイデルベルク号」と命名されたのは本形式のうち9201号で、命名式は運行開始後の1992年9月14日に実施[20]。車体にはハイデルベルクの市章が付けられた[20]。車内には都市の紹介写真が掲げられ、テープによる車内放送ではドイツ語での電停案内が行われた[20]

2017年(平成29年)4月、友好都市提携25周年を記念した「ハイデルベルク号」のリニューアルが完成した[21]。改装後は車体に市章に加えドイツ国旗が描かれるようになり、乗降口の場所を示す案内表記にも日・英・中・韓の4か国語にドイツ語が加えられた[21]。車内に掲示されていた紹介パネルや写真も一新され、さらにつり革にはドイツ語単語の紹介文が加えられた[21]

運用と改造

方向幕更新前の9202号(2009年)

本形式は他のボギー車と共通の運用によって運転されており、1997年以降に登場した超低床電車9700形0800形)のように固定ダイヤがあるわけではない[6][22]

新造後の改造点には、以下のような他形式と共通のものが挙げられる。

脚注

参考文献

書籍

  • 中村弘之『熊本市電が走る街今昔』JTBパブリッシングJTBキャンブックス)、2005年。ISBN 4-533-05990-2 
  • 日本路面電車同好会『日本の路面電車ハンドブック』 2018年版、日本路面電車同好会、2018年。 
  • 細井敏幸『熊本市電70年』細井敏幸、1995年。 

雑誌記事

  • 鉄道ピクトリアル』各号
    • 細井敏幸「九州・四国・北海道地方のローカル私鉄現況6 熊本市交通局」『鉄道ピクトリアル』第39巻第3号(通巻509号)、電気車研究会、1989年3月、130-134頁。 
    • 細井敏幸「日本の路面電車現況 熊本市交通局」『鉄道ピクトリアル』第50巻第7号(通巻688号)、電気車研究会、2000年7月、230-234頁。 
    • 細井敏幸「日本の路面電車各車局現況 熊本市交通局」『鉄道ピクトリアル』第61巻第8号(通巻852号)、電気車研究会、2011年8月、264-269頁。 
    • 岸上明彦「2016年度民鉄車両動向」『鉄道ピクトリアル』第68巻第10号(通巻951号)、電気車研究会、2018年10月、130-148頁。 
  • 「新車年鑑」・「鉄道車両年鑑」(『鉄道ピクトリアル』臨時増刊号)各号
    • 「新車年鑑1992年版」『鉄道ピクトリアル』第42巻第10号(通巻566号)、電気車研究会、1992年10月。 
    • 「新車年鑑1993年版」『鉄道ピクトリアル』第43巻第10号(通巻582号)、電気車研究会、1993年10月。 
    • 「新車年鑑1994年版」『鉄道ピクトリアル』第44巻第10号(通巻597号)、電気車研究会、1994年10月。 
    • 「新車年鑑1995年版」『鉄道ピクトリアル』第45巻第10号(通巻612号)、電気車研究会、1995年10月。 
    • 「鉄道車両年鑑2011年版」『鉄道ピクトリアル』第61巻第10号(通巻855号)、電気車研究会、2011年10月。 
    • 「鉄道車両年鑑2012年版」『鉄道ピクトリアル』第62巻第10号(通巻868号)、電気車研究会、2012年10月。 
    • 「鉄道車両年鑑2013年版」『鉄道ピクトリアル』第63巻第10号(通巻881号)、電気車研究会、2013年10月。 
    • 「鉄道車両年鑑2014年版」『鉄道ピクトリアル』第64巻第10号(通巻896号)、電気車研究会、2014年10月。 
    • 「鉄道車両年鑑2015年版」『鉄道ピクトリアル』第65巻第10号(通巻909号)、電気車研究会、2015年10月。 
    • 「鉄道車両年鑑2016年版」『鉄道ピクトリアル』第66巻第10号(通巻923号)、電気車研究会、2016年10月。 
  • 成田昌司・岡部信雄・吉田力・奥田良三「熊本市交通局8800形」『車両技術』第188号、日本鉄道車輌工業会、1989年10月、36-45頁。