満州アヘンスクワッド
満州アヘンスクワッド | |
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ジャンル | クライム・サスペンス、群像劇 |
漫画 | |
原作・原案など | 門馬司 |
作画 | 鹿子 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | コミックDAYS 週刊ヤングマガジン |
レーベル | ヤンマガKCスペシャル コミックDAYSコミックス(電子版) |
発表期間 | 2020年4月9日[1] - 2021年9月16日 (コミックDAYS) 2021年43号 - (週刊ヤングマガジン) |
巻数 | 既刊7巻(2022年2月現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『満州アヘンスクワッド』(まんしゅうアヘンスクワッド)は、原作:門馬司、作画:鹿子による日本の漫画作品。第二次世界大戦前の満州国を舞台に、主人公の日方勇が、ヒロインの麗華らと共に阿片の密造に手を染める姿を描いたクライム・サスペンス作品である。『コミックDAYS』(講談社)にて2020年4月9日から2021年9月16日まで連載された。次いで『週刊ヤングマガジン』(同)に移籍し、2021年43号(2021年9月18日発売)より連載再開[2]。2022年2月時点で、単行本の累計部数は70万部を突破している[3]。
あらすじ
昭和12年、関東軍として満州国に移住してきた日方勇は、察哈爾(チャハル)での軍事演習中、砲撃に巻き込まれた中国人の少年を助けようとしたところ、隠し持っていた銃で撃たれ、右目を失明する。戦力とならなくなった勇は、前線から強制的に撤退され、満蒙開拓義勇軍への転属となるが、彼の母親がペストに感染してしまう。母親の命を助けるために大金が必要になった勇は、偶然にも陣内が管理している阿片芥子の栽培場を発見し、勇を口封じしようとした陣内を殺害し、商売目的で阿片を製造することを決める。その後、勇が精製した阿片を麗華が経営するアジトに持っていき、金銭交換を要求するが、麗華はその阿片に目をつけ、勇と共に阿片の製造をすることを決意する。
登場人物
主要人物
- 日方 勇(ひがた いさむ)
- 本作の主人公。日本人。元関東軍兵士。現在は満蒙開拓義勇軍に所属。体力は無いが植物や化学に詳しく、察哈爾での軍事作戦中に片目の視力を失い前線から満蒙開拓義勇軍への転属となり、そこでペストに罹った母親の命を救うために阿片作りに手を出したことから激動の人生を歩むこととなる。失った視力の代わりに鋭い嗅覚を得ている。
- 麗華(リーファ)
- 本作のヒロイン。中国人。中国秘密結社・青幇首領の1人で、杜月笙の娘。自身が根城とする青幇のアジトに阿片の取引のために尋ねて来た勇が提供した純度の高い阿片を「真阿片」と名付け、勇と手を組んで阿片の密造・販売網の形成を企図する。
- リン
- 青幇が管理するアヘンの売人。日本人。父親の事業が失敗して借金まみれになり、食うために両親によって青幇に売り飛ばされる。実際、両親は青幇によって殺されているが、彼女には伝えられておらず、騙されて雇われている。勇と初対面したときは、勇らと仲間になることを拒むが、両親の死を知った後、勇と日本に帰ることを約束し、仲間になる。
- バータル
- モンゴル人。日本語・中国語・ロシア語・モンゴル語の四か国語を話す。勇らがモンゴル民族に熱河省の芥子畑の護衛を頼んだところ、モンゴル民族の長老が外の世界に惹かれているバータルの気持ちを尊重し、勇らと行動を共にさせる。
- キリル・メドヴェージェフ
- ロシア人。ロシア革命の混乱の最中、貧困ゆえに母親に捨てられる。現在は逃し屋として生活している。
日方家
- 日方 セツ(ひがた セツ)
- 勇の妹。
- 日方 三郎(ひがた さぶろう)
- 勇の弟。
- 勇の母
- 勇・セツ・三郎の母親。1話にてペストに罹患し、その治療薬の金策のために勇が阿片作りに手を染める契機となる。父親は日露戦争で戦死[4]したため勇が徴兵された際には召集令状を持参した兵士に猛烈な抵抗をした。
青幇(ちんぱん)
- 杜 月笙(と げつしょう)
- 秘密結社・青幇の首領の1人で麗華の父親。実在の人物。
- 馮 英九(ふぉん いんちゅー)
- 青幇幹部。哈爾濱(ハルビン)の大観園の子どもや女性を連れ去り、富豪相手に競売にかけて売り飛ばすことで儲けている。
関東軍・満蒙開拓義勇軍
- 長谷川 圭人(はせがわ けいと)
- メガネをかけた優男風の憲兵伍長。老若男女問わず酷烈な拷問にかけ、開拓義勇軍内の阿片密造者やその関連人物を捜索する人物。関東軍は満州での収入を阿片でも賄っていたが、勇らが製造する質の高い阿片が流通したことで収入が減少したため、長谷川を中心として勇らと対立するようになる。
- 熊田 岩男(くまだ いわお)
- 開拓義勇軍の監督官。のちに補助憲兵として長谷川の部下になる。
- 陣内 茂(じんない しげる)
- 開拓義勇軍で勇とともに働く年配の傷痍軍人。元衛生兵。陰で金のために芥子栽培を行っていた阿片中毒者であり、秘密を知った勇を殺して口封じしようとしたため、勇を助けようとしたセツに殺害される。
満州鉄道
- 風見 吾郎(かざみ ごろう)
- 満州鉄道中央試験所委員長。麗華によって阿片中毒者となる。
- 勇らは阿片を中国各地に運搬するために満州鉄道を利用する必要があった。しかし、それには満鉄内での荷物検査を行う関東軍の排除が必然であったため、満鉄を運営する風見を阿片漬けにし、満鉄を取り込むことで満鉄の権利を支配した。
満州映画協会
- 古尾 貫央(こび つらお)
- 満映社長。李姚莉を日本人にとって都合のよい中国人の女優として演じさせる。
- 李 姚莉(り やおりー)
- 実際は日本人だが、素性を隠され中国人の女優として働いている。満映に勤めているが、実際は青幇に管理されている。本名は山内 洋子(やまうち ようこ)で、李姚莉という名前は社長から与えられたものである。自分が日本人であることを明かす映画撮影を終えた後、勇に自分と日本へ帰国するよう誘うが、断られたため単独で帰国する。
- 池山 大二郎(いけやま だいじろう)
- 満映のスター俳優。麗華によって阿片中毒者となる。
白系露人事務局
- アレクセイ・ロジャエフスキー
- 白露事務局局長。ロシア人からは「皇帝」(ツァーリ)と呼ばれている。哈爾濱に数多くの貿易会社を営み、またその資産はロシア人を統べるほどである。表の顔は貧困層を救う心ある人物であるが、実際は裏で哈爾濱を牛耳るロシアンマフィアのボスである。
- ニーナ
- ロシアから亡命し、哈爾濱のロシア人キャバレーで働いている。ツァーリから事務局の秘書になるよう誘われ、事務局に務めるようになる。
書誌情報
- 原作:門馬司、作画:鹿子 『満州アヘンスクワッド』講談社 〈ヤンマガKCスペシャル〉、既刊7巻(2022年2月4日現在)
- 2020年8月11日発行(同日発売[5])、ISBN 978-4-06-520467-2
- 2020年11月11日発行(同日発売[6])、ISBN 978-4-06-521342-1
- 2021年2月10日発行(同日発売[7])、ISBN 978-4-06-522292-8
- 2021年5月12日発行(同日発売[8])、ISBN 978-4-06-523340-5
- 2021年8月11日発行(同日発売[9])、ISBN 978-4-06-524339-8
- 2021年11月5日発行(同日発売[10])、ISBN 978-4-06-525875-0
- 2022年2月4日発行(同日発売[11])、ISBN 978-4-06-526827-8
脚注
- ^ “極上の"アヘン"が、満州を狂わせる。『満州アヘンスクワッド』(門馬司/鹿子)が、コミックDAYSで連載開始!”. exiteニュース (2020年4月10日). 2020年9月10日閲覧。
- ^ “劇薬級のクライムサスペンス、第1〜64話まで9日間無料開放!”. ヤンマガWeb. 講談社 (2021年9月18日). 2021年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月24日閲覧。
- ^ “満州アヘンスクワッド:70万部突破記念 「ヤンマガ」巻頭カラーに あのんのコスプレも”. MANTANWEB (MANTAN). (2022年2月20日) 2022年2月21日閲覧。
- ^ 1話より。自身の父か勇達の父かは明言していないが、勇達の父とした場合、その年齢と作中の時代(昭和12年)が大きく食い違うため母自身の父と思われる。
- ^ “満州アヘンスクワッド1/鹿子、門馬司”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2021年5月12日閲覧。
- ^ “満州アヘンスクワッド2/鹿子、門馬司”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2021年5月12日閲覧。
- ^ “満州アヘンスクワッド3/鹿子、門馬司”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2021年5月12日閲覧。
- ^ “満州アヘンスクワッド4/鹿子、門馬司”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2021年5月12日閲覧。
- ^ “満州アヘンスクワッド5/鹿子、門馬司”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “満州アヘンスクワッド6/鹿子、門馬司”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2021年11月5日閲覧。
- ^ “満州アヘンスクワッド7/鹿子、門馬司”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月4日閲覧。
外部リンク
- コミックDAYS 作品ページ
- ヤングマガジン白木(担当編集) (@ym_shiraki) - X(旧Twitter)