浸透能

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浸透能(しんとうのう、: infiltration capacity[1])とは、ある土壌がその地表にある水分を一定の時間で吸収する(浸透させる)ことのできる割合のことをさす。

この吸収できる割合は、地形植被土性土湿地温水温といった様々な要因によって変化する。浸透能の割合は一般的には、初期で高い数値が表され(初期浸透能という)、時間がたつにつれ徐々に減少し、最終的にはほぼ一定の値を示すようになる(最終浸透能という)。

地盤を構成する土の浸透性[編集]

地盤を構成するの種類は多々あるため、ここでは土の透水度の高さの違いによって構成する土を分類する。

地盤を構成する土の浸透性
透水度 透水係数(cm/s) 地盤を構成する土
高い >10-2 粗粒または中粒の
普通 10-1~10-3 細かい礫、粗、中粒の砂、細砂、浜砂
低い 10-3~10-5 ごく細かい砂、シルト質の砂、ゆるいシルト、レス
非常に低い 10-5~10-7 締まったシルト、締まったレス、粘土質シルト,粘土
不透水 <10-7 均質な粘土

森林地帯における浸透能[編集]

一般に、天然の森林地帯においては、土壌の粗孔隙が多くあり、落ち葉も厚く堆積し、また下草も繁茂している特徴を持つ。このような森林地帯においては、高い浸透能を有しており、降雨のほとんどは地面に浸透する。したがって、ほとんどの水は地下水となり、最終的には河川水を形成し、表面流出が発生することはほとんどない。

森林総合研究所による試験林の観測結果によれば、針葉樹広葉樹人工林天然林の間で、浸透能の善しあしに明確な差は見られない[2]。森林の種類によりも落ち葉の堆積量や、生え方に違い等による土壌の質の差が浸透能にも違いが出る。例えば、人工林で間伐等の管理が行われないと樹冠が鬱閉し、極端な場合には下草が衰退し、土壌も流出して裸地化。その結果、浸透能が低下し表面流出が生じ、また地下水となる水の量も減るため、渇水流出の現象も起きる。

脚注[編集]

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  1. ^ 文部省土木学会編 『学術用語集 土木工学編』 土木学会、1991年、増訂版。ISBN 4-8106-0073-4
  2. ^ 詳細や出典等は水源林の項も参照のこと。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]