河西英通
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河西 英通(かわにし ひでみち、1953年[1] - )は、おもに東北地方の近代史を専門とする日本の歴史学者、広島大学森戸国際高等教育学院特任教授[2]。
経歴
[編集]1976年に弘前大学人文学部を卒業し、1979年には立命館大学大学院文学研究科修士課程を修了した[1]。その後、北海道大学大学院文学研究科博士後期課程に進み、1985年に単位取得満期退学して[1]、上越教育大学学校教育学部助手となった[3]。1988年に専任講師、1991年に助教授へと昇任した[3]。1994年には「近代日本における地域思想の展開過程」により北海道大学から博士(文学)を取得した[4]。
2007年に広島大学大学院文学研究科教授に転じ、2011年にはカリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部客員教授も務めた[3]。2020年8月現在は、同森戸国際高等教育学院特任教授を務める[2]。
2015年に平和安全法制をめぐる法案(いわゆる「安保法案」)が国会に提出された際には、「安保法案に反対する広島大学人有志の会」の発起人として反対運動に関わった[5]。
研究
[編集]五所川原市、上越市、青森県などの、市史、県史編纂に関わり、兵事(徴兵検査事務)などの観点から東北地方の近現代史を研究している[2]。河西は、「東北」のイメージが、差別的な中央からの視点によって成立したものでありながら[6]、やがて東北人の自己認識に転じること[7]、「戦争遂行のための人的資源の供給地から後進地へ」とイメージが変貌したこと、などを指摘している[8]。
おもな著書
[編集]単著
[編集]- 近代日本の地域思想、窓社、1996年
- 東北 - つくられた異境、中央公論新社(中公新書)、2001年
- 英語訳:(translated by Nanyan Guo and Raquel Hill)Tōhoku : Japan's constructed outland, Brill, 2016
- 続・東北 - 異境と原境のあいだ、中央公論新社(中公新書)、2007年
- せめぎあう地域と軍隊:「末端」「周縁」軍都・高田の模索、岩波書店、2010年
- 「東北」を読む、無明舎出版、2011年
- 「社共合同」の時代 - 戦後革命運動史再考、同時代社、2019年
脚注
[編集]- ^ a b c “河西英通”. 吉川弘文館. 2017年10月9日閲覧。
- ^ a b c “研究者総覧 河西英通”. 広島大学. 2020年8月9日閲覧。
- ^ a b c “メンターインタビュー 河西英通教授”. 広島大学大学院リーディングプログラム機構たおやかで平和な共生社会. 2017年10月9日閲覧。
- ^ “近代日本における地域思想の展開過程 河西英通”. 国立国会図書館. 2017年10月9日閲覧。
- ^ 清水康志 (2015年7月29日). “広島大教授らも抗議 安保法案「9条違反」”. 朝日新聞・朝刊・広島: p. 31 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ 宮代栄一 (2015年3月9日). “過去から見つめる被災地 浮かびあがる東北のいま 福島でフォーラム”. 朝日新聞・夕刊: p. 7 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ 正 (2001年5月18日). “りんごの目”. 朝日新聞・青森: p. 30 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ 宮代栄一 (2012年9月10日). “「人間中心の復興が大事」 歴史踏まえ東北の「今」議論 東日本大震災”. 朝日新聞・夕刊: p. 9 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧